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よすけ
2023年2月5日 23:16
567文字/目安1分 彼との二人暮らし。 外でデートをするのもいいけど、家の中で一日中のんびり過ごすのが好き。話をしたり、お互いに違うことをする時があったり、いつの間にか寝てしまったり。時間の流れはゆっくりに感じるのに、気がつけば終わってしまう。 夕飯を食べ終えて、お風呂も入って、見るわけでもなくテレビをつけている。時折ぽつりぽつりと会話をしながら、ソファーに並んで座っていた。「お腹
2022年12月12日 20:12
3,870文字/目安7分「幸せに形があるとしたら、きっと三角形だよ」 口癖のように話す彼女の言葉の意味が、当時小学四年生だった僕には分からなかった。 住んでいるところは町にもならないような田舎だった。近所に歳の近い子が他にいないからと、ことあるごとに遊びに連れ回された。山へ虫を捕まえに行ったり、知らない細い道をどんどん入って行ったり、お互いの家の敷地全部を使ってかくれんぼをしたり。かくれ
2022年12月9日 23:57
1,880文字/目安3分 波の音は静かに、時間の経過を忘れさせる。コンビニでアイスコーヒーを買って、浜辺で海を見ながら過ごすのがわたしたちの定番になっていた。石段に並んで座って、なんでもないことばかり話す。コーヒーを飲み終えても、氷が溶け切っても、日が暮れるまでおしゃべりをする。「わたしたち、これからどうなるかな」「そうだなぁ、案外何も変わらないんじゃないか?」「よくそんなことが言える
2022年10月30日 23:38
667文字/目安1分 自分がこの世に存在しているという理由だけで、なんとか正気を保っている。たぶん自分が許したら簡単にこわれる。 死にたいわけでも生きたいわけでもない。 いや、少し嘘をついた。本当は楽しくありたい。幸せを感じたい。笑っていたい。 だからと言って多くのことは求めない。普通でいい。 いやいや、これも嘘だ。欲しいと思ったものが、やりたいと思ったことが、いつでも好きに手に入