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#ライティングのコツ

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現役コピーライターも実践している「わかりやすい文章の書き方」に関する記事をまとめました。
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#コラム

昔からあるものに名前をつけ直す「レトロニム」を知っていますか?

昔からあるものに名前をつけ直す「レトロニム」を知っていますか?

みなさんは「レトロニム」を知っていますか? 新しい薬の名前? メトロノーム? いえいえ。

「レトロニム」は「再命名化」という意味です。例えば、電話。携帯電話が登場して、家庭にひく電話を「固定電話」と呼ぶようになりました。あるいは、本。電子書籍の登場で、単に本と呼ばれていた印刷物は「紙の本」として区別されるように。

あるもの・ことに新星が現れ市民権を得ることによって、それまでのもの・ことを再び名

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広告の「!」はウザいのに、仕事だとよく使ってしまう不思議

広告の「!」はウザいのに、仕事だとよく使ってしまう不思議

コピーライターとして広告に使う言葉を考えていると、「!」を書く場面があります。そう、びっくりマーク。これは俗称で、正式には「感嘆符」や「エクスクラメーションマーク(exclamation mark)」と言います。

ドラッグストアの店頭POPやWebサイト、ポスターやチラシなどさまざまなところで使われています。

お客さんに振り向いてほしい、気づいてほしい、そんな気持ちが込められている広告の「!」

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「写真撮影はご遠慮ください」は写真撮影OKなのかNGなのか

「写真撮影はご遠慮ください」は写真撮影OKなのかNGなのか

タイトルを見て「え?」と思った人もいると思います。

「写真撮影はご遠慮ください」というこの言葉、ふつうに考えれば写真撮影はNG、ダメという意味ですよね。

しかし、少し前にTwitterでこの言葉をめぐって議論が起こりました。

きっかけはある人が「写真撮影はご遠慮ください」について、「できればしないでくれたらありがたいの意味で絶対だめだとは思っていなかった」と告白したこと。具体的には、「たくさ

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「我慢」すると、言葉は強くなる。

「我慢」すると、言葉は強くなる。

わたしはコピーライターです。コピーライターは、商品やサービスを宣伝するための言葉(コピー)をつくることが仕事。

しかも、単なる言葉ではなく、「いい」つまり魅力的なコピーをつくらないといけません。

そこでみなさんに質問なのですが、いい言葉をつくる、いいコピーを書くために一番大事なことはなんだと思いますか?

センス? 読書量? 体力? 経験?

どれも重要ではありますが、一番大事なのは「我慢」で

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「何卒」を読み間違えたら、「何卒」についての知識が豊かになった

「何卒」を読み間違えたら、「何卒」についての知識が豊かになった

いきなりですが、みなさんはこの一文、正しく読めるでしょうか?

何卒よろしくお願いいたします。

そうです。「なにとぞよろしくおねがいいたします」。

なぜこんな話をするかといえば、実は最近、恥ずかしながら「なにそつ」と読んでしまったんです。

それも、自分が講師を務めた新人研修中に、何回も。

そもそも、「何卒」とは?社会人になってから毎日のように使う「何卒」。

「相手に強く願う」「手段を尽く

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読みやすいテキストとは、佐藤可士和のデザインのことだった

読みやすいテキストとは、佐藤可士和のデザインのことだった

リモートワークが広がり、今までにないほどテキストによるコミュニケーションが増えています。わたしの体感だと2〜3倍です。

そんな時、気がついたのです。「佐藤可士和のデザインをマネすると、簡潔で明快なテキストが書ける」ことに。

読みづらいテキストはストレスを与える
デザインをマネしてテキストを書くってどういうこと? その説明の前に、気づきを得たきっかけを話します。

わたしは毎日「読みづらい」テキ

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コピーライターが教える読みやすいメール 〜敬語の使い方〜

コピーライターが教える読みやすいメール 〜敬語の使い方〜

毎日送るメールを、思い出してみてください。そこに広がっている光景を。渋滞です。敬語が渋滞しているのです。わたしたちは、無意識に敬語を使いすぎているのではないでしょうか?

敬語の渋滞で、文章は読みにくくなるある日、こんなメールが届きました。

え? 誰だろう? 一瞬、混乱しました。お世話になります、ではじまったのでてっきり取引先だと思ったのですが、送り主を見ると同僚だったのです。

非常に丁寧に書

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コピーライターが教える読みやすいメール 〜相手の立場で考える〜

コピーライターが教える読みやすいメール 〜相手の立場で考える〜

先日、社内研修でコピーライターが教える「読みやすいメール」という講義をして、こんな感想をもらいました。

わたしが話したのはいわゆる「ビジネスメールの書き方」ではありません。でも、なかなか評判がよかったので紹介したいと思います。

みなさんは、自分のメールが相手にとって読みやすいかどうかを考えたことはあるでしょうか?

無自覚に送ってしまう、読みにくいメールはじめに、この現実を知ってください。

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