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バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯1
幼稚園に通っていた頃、将来は何になりたいかと聞かれれば“お嫁さん”と答えていた。
クラスの大半の女の子は“お嫁さん”と答えていたような気がするが、あれはそう答えるように誰かが仕向けていたのだろうか?
時は流れて20数年。いや、あれは選択肢が他になかったのだと気がつく。
子供の頃からずっと、当たり前のように、大人になれば“お嫁さん”になれるものだと信じて疑わなかった。
なのに、いざ大人になると
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯12
連絡から1時間が経過した頃、BARのドアが開いた。
白馬の王子様こと宮城さんは、私の大好物であるスーツとメガネを装備して、私の隣に来てくれた。
尊い。存在が尊すぎる。眼福すぎて宮城さんをつまみにラスティネイルをがぶがぶ飲んでしまいそうなくらい、幸せだ。
避けられてたと思ったが、本当に仕事が忙しかったらしい。
宮城さんは物腰が柔らかく、敵をつくらないような言い回しをする。そのため、“皆で飲みに
赤子のモーニングルーティン
我、赤子。生まれて6ヶ月が経った。
私の朝は、おむつの在庫を確認するところから始まる。
布団のすぐそばに、おむつのパックがずらっと並んでいる。
それを右端から順に、在庫状況をチェックするため叩く。
“ペシペシペシペシ”
まだ部屋が薄暗い。静かな部屋に私の荒い息遣いとおむつパックの音が響き渡り、ハーモニーを奏でる。
今日も問題なさそうだ。
まだ豊富に在庫を抱えている。
そうとわかれば、次に
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯11
さて、白馬の王子様を見つけたものの、あちらは対象となるお姫様にまったく気が付いていない。
よくある、よくある。待ち合わせ場所でこちらが気付いて手を振っているのに、いつまで経っても気付いてもらえないこと。
私は“私があなたのお姫様だ!”ということを王子様に伝えなければならない。
いっそクッパが私をさらってくれたらわかりやすい。でも、何回さらわれても学習しないピーチ姫のことを私はあまり好きになれな
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯10
基本の“さしすせそ”というと何を思い浮かべるだろうか。
パッと思いつくのは調味料だろう。
昔、家庭科の授業で自信満々に
「砂糖、塩、酢、醤油、ソイソース!」
と言い、かなり笑われたことがある。
好きです、醤油。
本当はお味噌だけれども、頭文字じゃないからいつも間違える。
恋愛にも基本の“さしすせそ”がある。
さすがですね
知らなかった
すごい
センスあるね
そうなんだ
おい、やすこ。そん
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯9
BARのカウンター横に、重そうに見えてそこまで重くはない、そして店内が見えるガラス窓のついた、扉がある。
私はこの扉がよく見えるカウンターの端がお気に入りだ。
店内がよく見渡せるし、暇な時や構ってほしくないときは目の前の壁に整列してあるウィスキーボトルを左端から銘柄を暗記していく一人遊びをしていた。
その日、私は一人でイタリアンアイスティーを飲んでいた。
「BARでお茶かよ」
と言いたくなるだ
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯8
結論から言おう。
やはり婚活は停滞したままだ。
立てたスケジュールが絵に描いたお餅のようになりつつあった。
婚活を始めてそろそろ9ヶ月目に突入するところだ。
残り1年8ヶ月しかないが、2年4ヶ月しかないと焦っていたあの日と状況は何も変わっていない。
だが、BARでの出逢いは素敵なものだった。
リア充ってこういうことなのね、と胸を躍らせた。
雑誌の編集者、広告代理店や大手旅行会社の企画部勤め、
かつての死にたい私へ
三浦春馬さんが亡くなった。自殺だった。
彼は同郷で歳も近く、
「へぇ、肥料の匂いが漂うこんな田舎でも、あんな都会風爽やかイケメンが、生まれるのかー」
と感動した記憶がある。
笑顔がとても素敵な役者さんだった。
同郷の親近感というものがあり、追っかけるほどのファンではなかったが、テレビのインタビューや出演作品で見かけると
「おっ、頑張ってるなぁ」
と気に留めるくらいは好きだった。
なので、訃
バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯7
「あなたは初対面の人に声をかけることができますか?」
私はNOである。
恥ずかしいし、そんな勇気のいることはできない。
「あなたは一人で食事に行けますか?」
やはりNOである。
いや、牛丼くらいならギリギリ行けるか。
なのに、BARには行けちゃうんだから不思議だ。
いやいや、前まではBARも行けなかった。
私は、車が一人一台ないと生活に困る田舎から、社会人になるタイミングで都会に出てき