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バカマジメな私が逆ナンで結婚した話♯13

ラスボス。
それはやっとボスを倒したと安堵した後に現れる、真の倒さなければいけないもの。

初代ポケモンでいう四天王を倒したあとのライバルだったり、カービィでいうデデデ大王を倒したあとのナイトメアだったり。

彼氏ができた後の、“結婚”というミッション。
これは、婚活という戦いにおいてはラスボスと言っていいだろう。

ゲームがまるで下手くそだった私は、ラスボスを倒したことがほとんどない。

『ボス倒すのも一苦労だったのに、ラスボス倒せる体力はねぇ!かといって、負けてしまったら、もう一度ボス戦からやり直す気力もねぇ!』

これがゲームで私がラスボスを倒せない理由だ。

宮城さんと結婚しなければ、しばらく結婚から遠ざかるだろう。
しかし、これからの人生は長いのだから宮城さんと合わなければ結婚はしないだろう。

ただ、ラスボスを倒さずにずるずると交際することだけはしたくなかった。

婚活を始めて11ヶ月目。
目標のゴールまで、あと1年半。

それまでに宮城さんがプロポーズしてくれるかどうか、わからない。私がどんなにやる気になったところで、こればかりは縁と運とタイミングなのだ。

ただ、ラスボス戦を迎えるにあたり、自分なりに3つのルールを決めて、赤い手帳に書き込んだ。

・価値観を擦り合わせる。
・相手を楽しませる。自分も楽しむ。
・無理をしない。無理をさせない。

テレビでよく目にする離婚する芸能人夫婦は、“価値観の違い”が理由になることが多い。
芸能人の場合、例えどちらかが浮気しても、価値観の違いと言えば丸く収まるので“とりあえずビール”的なノリで言っている気もするが、価値観は結婚後の生活において非常に重要だ。

お金の使い方、休日の過ごし方、好きな食べ物、生活習慣など挙げればキリがない。

私は納豆が苦手なので、朝ごはんは必ず納豆を食べなきゃ嫌だ!という人とは結婚できない。

かといって価値観がまったく同じという人間もいないので、譲り合いの精神が必要となる。

それも含めて価値観を擦り合わせるためにも、週に何回か、負担にならない程度で、お互いの家に泊まることにした。

宮城さんにとっても、結婚後の生活がイメージ出来た方がいいと思ったのだ。

宮城さんには営業で鍛えたプレゼン能力を駆使して泊まることの同意を得た。

そして、宮城さんも私もイベントや旅行が好きだったので2週間に1度はデートをした。

計画魔の私はどんなデートでも事前にチェックをして、宮城さんを楽しませるためのプランを練った。

デートのプランを相手任せにするなんて、もったいない。一緒にいて楽しいと思わせられたら、これほど嬉しいことはない。

また、少し特殊かもしれないが、お互いに疲れたら距離を置くことを約束してもらった。

一人でいる時間が長かった者同士が急に一緒にいるわけだから疲れないわけがない。一人になりたいときだってある。
そういうときはお互いに遠慮なく申し出て、そしてまた会いたくなったら連絡すればいいと約束した。

と、自分に出来る結婚までの対策は練ったつもりだ。
赤い手帳も“おめぇ、やるじゃねぇか!”と褒めてくれてる気がする。

これで宮城さんが結婚する気になれなかったら、ご縁がなかったと思う他ない。

私は“どうぐ”の中に、回復アイテムをいっぱい詰めた。
さあ、ラスボスに挑もうではないか。

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