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なぜ名前が出てこない…? 顔と名前を記憶するコツとは

「やばい…この人、名前何だっけ…?」

一度は会っているはずが、どうしても名前が出てこない。そんな時ありますよね。大切な人の名前が出てこない時は一気に汗が噴き出し大ピンチに。

昨日はネームコーリングという、会話の中で相手の名前を呼ぶことが人間関係を良くする、というスキルについてまとめました。

https://note.com/yawarakamegane/n/n39784b0fc5c1

しかし肝心の名前を覚えていなければ、このスキルも使えません…。

名前の覚え方について考えをまとめてみます。

名前はなぜ覚えられないのか?

「昨日のお昼ご飯に何を食べましたか?」ドキッとする質問です。なかなかスッと出てこない。それもそのはず、私達の脳のワーキングメモリーは限られています。些細なことは忘れがちです。

短期記憶を司るメモリーは容量が小さく、瞬間的には覚えていても、他のちょっとした刺激や注意をそらした瞬間に上書きされ、記憶から消えてしまいます。これは目の前の事に集中するための脳の働きで、正常な事なのです。「忘れる」ことがデフォルト。ゆえに、忘れないような工夫が必要です。

食事は忘れても大きな問題にはなりませんが、人の名前は時に大ピンチになります。特にビジネスでたくさんのお客さんとやり取りしている人、パーソナルに深くお付き合いをしている方などは死活問題だったりします。

名前は大切なのに覚えにくいのはなぜでしょうか。それは、人の「顔」の画像情報と「名前」という文字情報に関連がないからです。山本さんが山本さんらしい顔をしているわけではありません。そもそも山本さんらしい顔というのもピンと来ません…。

記憶するためには、この画像情報と文字情報という性質の異なる2つの情報を「関連づける」必要があります。

すぐに使う&連呼する

どのようにすれば顔と名前を記憶できるのでしょうか。その一つ目のポイントは英語のコミュニケーションにヒントがあります。

Hi.Nice to meet you! I’m Sam.
Hi Sam.Nice to meet you too.

外国人との挨拶はだいたいこんな感じです。名前を聞いた後に、直ぐに相手の名前を口にして挨拶します。この「直ぐに名前を口で言う」のは記憶するのに有効です。

日本人同士が名刺交換をする時、意外に相手の名前を口にしない人が多いです。一方的に名乗って終わり、がスタンダードです。これではなかなか記憶できません。相手が名乗ったらそのまま、「◯◯さんですね。はじめまして◯◯さん、どうぞよろしくお願いします。」と口にして言いましょう。その時、相手の顔をよく見ながら名前を言います。「この顔の◯◯さん」と画像と文字を関連付けて脳に焼き付けます。

そして、外国語のコミュニケーションでは頻繁に名前を使いながら会話をします。記憶の基本は「反復」です。何度も口にする事が大切です。これは親密度を上げる上でも、極めて有効です。

「どう思われます?」→「◯◯さん、どう思われます?」

「ご都合いかがですか?」→「◯◯さん、ご都合いかがですか?」

最初の会話で相手の顔を見ながら何回名前を口に出来るかが記憶の定着に影響します。たくさん相手の名前を口にする事で、ワーキングメモリー内での名前情報のシェアを上げましょう。

そして名前を呼び掛ければ呼び掛けるほど、相手は自分に好意を持ってくれます。最初の出会いでなるべくたくさん名前を呼ぶことで、記憶も高まり、好感度も高まります。一石二鳥なのです。

名前をイジる

初めてお名前を聞いた時に、その名前にまつわる会話をするのも記憶するのに有効です。例えば山崎さんという名前だと、「失礼ですがヤマザキさんですか?それともヤマサキさんとお呼びするんでしょうか?」など、読み方を聞いてみたり。変わった名前なら、「どちらのご出身ですか?」など聞いてみたり。

良い意味で「相手の名前をイジる」のです。そうする事で名前にまつわるエピソード情報を集めることができます。名前はその人にとって一番好きな言葉です。その名前について話をされて嫌な思いをする人は少ないです。逆に自分のアイデンティティに関心を持ってくれている人には好感を持つものです。

「珍しい名前ですね!」はあなたは他にはいないユニークな存在だという事。唯一無二の存在と言われると人は嬉しいものです。褒め言葉だと思って、遠慮せずに相手の名前をイジりましょう。その会話の内容がさらに記憶を強固にしてくれます。

単純に名前を褒めるのも有効です。「きれいな響きですね」「素敵な漢字のお名前ですね」などと言われると、一気に嬉しい気持ちになりますし、こちらの好感度も上がり、「ありがとう」と感謝されます。感謝から始まるコミュニケーションはその先も良好な関係を築きやすいです。

そして「名前を褒めた」という会話自体がさらに名前の記憶を定着してくれます。 ちょっとした笑いが起きたりする会話は、楽しい記憶として残ります。人は「思い出」として記憶される時、喜怒哀楽の感情がふれている時によりはっきりと記憶されます。ひと笑い起こるコミュニケーションはそれだけ記憶の定着率が高いです。

勝手にタグ付けする

中にはよくある名前で印象が残りにくい人もいます。その時は自分の知人や有名人で同じ名前の人を思い浮かべ、その人の特徴やエピソードと関連付けて覚えるのも有効です。

「有名人の◯◯の遠い親戚の◯◯さん」など、勝手に関連付けてキャラを付ければ記憶に残りやすいです。

実際、昨日初めて「大関さん」という方とお会いしたのですが、見るからに細身の方だったので「相撲をしない大関さん」と覚えることにしました。こうするとキャラが立ちます。

こうした「□□の◯◯さん」のように、□□というタグを勝手に付けて覚えると記憶しやすいです。この手法を私は勝手にジブリメソッドと呼んでいます。スタジオジブリの映画はほとんどがこの構造です。「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「紅の豚」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」などなど。単純に「ラピュタ」よりも「天空の城ラピュタ」の方がビジュアルイメージが広がります。人の名前はジブリメソッドで覚えましょう。

雑談でタグを拾う

雑談の中からその人のキャラクターやエピソードを引き出すのも手です。口癖や趣味、食事の好みなど。例えば、趣味がサッカーの人なら「天才ドリブラーの◯◯さん」、マラソンが趣味で4時間切った人なら「サブフォー達成の◯◯さん」、麺大好きなら「豚骨の鬼◯◯さん」など。その人が特徴的な行動をしているビジュアルイメージとセットで記憶します。

情報を引き出せなくても、イメージで勝手に連想してタグ付けするのも有効です。先の「相撲をしない大関さん」は、「スーツ姿で土俵に上がり大横綱の前で震えている細身の大関さん」のイメージとセットで記憶する事にしました。

ストーリーはこじつけでも良いのです。その人がどんな場所で何をしているのか、なるべくビジュアル化されたイメージ情報と関連付けて記憶すると定着率が上がります。

会うたびに名前を呼ぶ

どんな記憶も一度覚えてハイ終わりではありません。使わない記憶は消えていきます。覚えている名前でも、放っておくと消えてしまいます。だから、なるべく会って会話する時は名前を呼ぶようにする事で、定着させていく事ができます。

オススメは初めの挨拶で名前を呼ぶこと。
「◯◯さん、おはようございます」
「◯◯さん、こんにちは」

開口一番名前から話始めます。これを基本にすれば、相手の名前を呼ぶ事が習慣になります。

そして、名前は呼べば呼ぶほど相手からの好意を得られます。ディズニーランドでは入門ゲートで魔法がかかる音が鳴るそうです。ここから先は楽しい事しか起きない夢の国だと暗示をかけてくれます。開口一番に名前を呼ぶのも同じです。会話に好意の魔法を掛けるのです。

まとめ

人とのコミュニケーションで相手の名前を呼ぶ事は、関係づくりに大きなメリットをもたらしてくれます。

しかし、肝心の人の名前はなかなか覚えにくいもの。顔と名前は画像と文字という異なる情報です。2種類の情報を関連付ける工夫が必要です。

はじめの会話で顔を見て名前を口にする、そして、名前をイジり、エピソード記憶の情報を厚くする。ビジュアルイメージと一緒にタグ付けして記憶。会うたびに開口一番名前を呼ぶ。

こうした工夫で記憶を定着させましょう。


そして何より、人と会話する時は相手の名前を大切にして、たくさん呼んであげることです。

名前は存在の象徴。その人そのものです。名前を大切に扱う事は、その人を大切に扱うということ。

名前との向き合い方一つで、人間関係は劇的に変わります。

名前を大切に、人を大切に、コミュニケーションしていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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名前の由来

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