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カラダがココロに与える意外な影響とは? 心理効果から考えるセルフマネジメントの工夫

「なるほど、こんなシンプルな方法で思考をコントロールできるのか」

今年はコロナの影響もあり、「不確実な問題」に取り組んでいる人が非常に多い状況かと思います。難しい問題に対してどう取り組むか。先日ゼロベースで考え行動する工夫について記事にまとめました。

そうした中、シンプルな工夫で自分のマインドを変えられる手法を知りましたのでシェアしたいと思います。テーマは「フィジカルによるメンタルのコントロール」です。

難しい問題を解きやすくなる工夫

最近読んだこちらの本に面白い心理効果が書かれていました。参考にしたのが内藤誼人さんの「もっとすごい心理学」。前著「すごい心理学」の第2弾ですね。最先端の様々な研究結果で人間の考えや行動の面白さを学べる一冊です。

この本には以下のような一節が登場します。

数学や物理の問題を解くときは少し頭を後ろに引くというか、問題用紙から顔を遠ざけて物理的な距離を取りましょう。すると「こんな問題簡単だ」と思うことができます。

はじめ読んだ時は「ウソでしょ?」と思ってしまいましたが、それを裏付ける実験があります。アメリカのコーネル大学での実験です。大学生に対してパソコンの画面に映し出された単語を読み上げるという簡単な実験です。ただしその単語は一見して発音が難しい単語で、例えば「Meunstah」など架空の言葉です。学生には「できるだけ画面に顔を近づけて発音する」グループと「イスの背もたれに体重をかけ画面から顔を遠ざけて発音する」グループの2つのグループに分けました。

結果、発音の難しさについて、顔を画面から遠ざけたグループの方が「難しくない」と答えることが分かりました。

この実験から学べるのは、「物理的な距離を取る=心理的な余裕が生まれる」ということです。物理的な距離が確保できれば、何事もパニックにならず落ち着いて、余裕を持って取り組むことができるようになります。

仕事で困難なテーマに取り組むとき、机にかじりついて、パソコンの画面に近づいて作業してしまいがちですが、この姿勢ではどんどん焦って冷静さを失いかねません。そうではなく、「問題から物理的に距離を置く」ことは心理的にも距離を置くことにつながるということです。

打ち合わせでの「立ち位置」を考える

この学びを別のシーンに発展させるといろんなシーンで応用が可能です。例えばミーティングのシーンでのマネジャーの立ち位置。意思決定者は打ち合わせではメンバーよりも少し距離を置いた椅子に座っているケースが多いです。これはその方が議論を冷静に見ることができるメリットがあるといえます。

また、ホワイトボードなどを使いながらアイデアを考えるミーティングでも、ホワイトボードに近づきすぎずに少し離れた所から議論を俯瞰する。議論から物理的に距離を置くことで、難しく考えずにシンプルに解決策を発想できるのかもしれません。

このように「距離」をコントロールすることで、仕事の「難易度」をコントロールするというのは、色んな仕事のシーンで使えるテクニックのように思います。

カラダへの「重さ」が気持ちの「重さ」につながる

もう一つ、面白いケーススタディがあります。内藤誼人さんの前著「すごい心理学」に載っている心理効果です。それは「距離」ではなく「重さ」について。みなさんは普段どのような鞄を持っていますでしょうか。その鞄は重いですか?軽いですか?

実は私たちは身体が重く感じると、心も重く感じる傾向にあるとのこと。アメリカのヴァージニア大学のデニス・プロフィット氏は、被験者に重い荷物がたっぷり入ったリュックサックを背負わせて、あるいは何も背負っていない状態で、目の前にある坂の角度を推測させるという実験をしました。

結果、重い荷物を持ったグループの方が坂の角度を高く見積もりました。重いものを持っていると、これから自分が上らなければならない坂がとても厳しく見えてしまうというのです。

そう考えると、普段持ち歩くカバンが重たいと無意識に自分の気持ちを重たくしている可能性があります。デキるだけ中身をスッキリさせて軽くしておいた方が良いようです。身に着けるものの「重さ」で自分の「気分」もコントロールできるということですね。

まとめ

我々は日々仕事やプライベートで、未経験で答えの無い問題に向き合うことがあります。そんな時はできるだけシンプルに発想するためにも、「問題と物理的に距離を取る」のが有効です。また、カラダが感じる「重さ」も、自分の気持ちに影響を与えています。

こうした「距離」や「重さ」というフィジカルに感じるものが知らず知らずモチベーションやココロに影響を与えているというのは意外な発見でした。

一方で、このメカニズムを逆手に取れば、自分のモチベーションやココロの持ち方を、フィジカルをコントロールすることで自分でマネジメントできるとも取れます。

カラダがココロに与える影響を知り、上手にセルフマネジメントしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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