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結果に一喜一憂しないマインドセットとは? ゴールだけに価値を置かないココロの持ち方

「良し、うまくいった!」「はぁ、うまくいかなかったなぁ…」

日々、仕事や勉強、家事など毎日の生活の中で「うまくいく」時とそうでない時があります。そのたびに喜んだり、悲しんだり、感情は揺さぶられます。

誰もが目的を持って日々を過ごしているので、その目的が達成できれば喜ばしいし、達成できなかった時は残念な感情が芽生えます。これは目的を掲げている以上避けられない感情かと思います。

しかし、チャレンジをしているとうまく行かないことは当然のように起こります。「うまく行かない」はチャレンジしているからこそ起こることであり、むしろ誇るべきとも考えられます。

それでも、人間は誰しも「うまくいく」方が精神衛生上も良いのは事実。我々は日々の生活で一喜一憂しないために、どのようなマインドセットを持つべきでしょうか。目的とプロセスとの向き合い方を考えます。

目的そのものより大切なこと

「目的」や「目標」を立てること自体は重要です。パーパスドリブンという言葉もよく耳にしますが、仕事も、ブランドマネジメントもパーパスが最重要であり、それは個人も同じです。目的があるから計画を立てられるし、もうひと踏ん張り頑張れます。目的とは自分の成長のための旗印です。

この「目的」に対して、気づきを与えてくれる言葉があります。

The journey is the reward.
スティーブ・ジョブズ

目的地そのものではなく、旅そのものが旅の報酬という意味の言葉です。我々は人生や仕事の目的、あるいは勉強や家事においても、それぞれが目的に向かって取り組んでいます。

しかし、ジョブズは目的地ではなく、目的地に向かうプロセスそのものに価値を置きなさいといいます。この言葉の背景にはどのような考え方があるのでしょうか。

禅の言葉「修証一等」

ジョブズは日本の禅にも精通していたのは有名な話ですが、禅の言葉にジョブズの言葉を理解する上で、学びとなる言葉があります。

修証一等(しゅうしょう これいっとうなり)

「修」とは「修行」のことであり、「証」とは目指すべき「悟り」の境地のこと。悟りへと向かう修行と、修行の結果得られる悟りとが一つであるという考え方。曹洞宗の修証観の基本とされる考え方です。

この言葉のルーツは道元禅師の考えにあります。かの道元禅師も仏道修行と悟りの関係に疑問を持ち、悩んだそうです。「悟ったあと修行は終わるのか?」「そもそも修行とは何なのか?」。こうした疑問の先にたどり着いたのが、「人が人としての歩みを続ける姿そのものが悟り(証り)である」という気づきでした。これが「修証一等」の道理となっています。

修行と証り(悟り)は一つ。今、現在に生きて、修行している現実も、すでに悟りの真実の中にいて、その自己の実現のために修行しているのであるから、この姿そのものが悟りそのものということです。

そして、修行そのものが悟りということは、悟りに終着点もなければ、修行に出発点(初心者もベテランも)もない、と考えます。なかなか達観した考え方ではありますが、正にジョブズの言葉に通じる考え方です。実際は禅の考え方が先にあり、それを学んだジョブズが自分なりに表現したのが「The journey is the reward.」だと考えられます。

まとめ

ジョブズの言葉も、禅の言葉も、教えてくれるのは目的と今を切り離すのではなく、そのプロセスそのものが目的あるということです。

この言葉をベースに考えれば、目的地に向かって一歩踏み出したその瞬間から既に悟りの境地にある。つまり、その道のりすべてに「価値」があるということです。そう考えると、目的地に向かって歩む「今、ココ」こそが自分の人生に意味をもたらしているということ。それ自体を楽しめる自分でありたいと思います。

「夢を追いかけてる、この瞬間が夢のど真ん中」

こんな言葉を以前知りました。甲子園で優勝することが目的だったとしても、今日バットを握って、魂を込めて素振りをするその道のりがその人を強く豊かにしていくということです。

結果としての「できた」「できなかった」に一喜一憂することなく、そこに向けてどんな努力ができたのか、今目の前のことに対して自分は何ができるのかという「瞬間瞬間」に価値を見出して日々を送っていけたら良いですね。

最後までお読みただき、ありがとうございました。

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