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夕遊の映画座

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2021年1月の記事一覧

華やかなサリーとロケット打ち上げ。映画『ミッション・マンガル』インド、2019年。

華やかなサリーとロケット打ち上げ。映画『ミッション・マンガル』インド、2019年。

インドの宇宙研究機構が2010年に打ち上げを実施したロケットは、エンジントラブルから失敗。責任者のラケーシュとプロジェクト・リーダーのタラは火星探査計画に異動になり、起死回生のプロジェクトを成功させようとする。メンバーは若い女性が多く、予算もない。でも、タラのリーダーシップとラケーシュの熱意、そして若い女性たち+ベテランおじいさんに+ちょっと頼りない男性研究員が力を合わせてプロジェクトを実現するお

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『ミッション・マンガル』 とインド文化

『ミッション・マンガル』 とインド文化

 今回ご紹介するのは一昨年にインドで大ヒットした映画『ミッション・マンガル〜崖っぷちチームの火星打上げ計画』。現在、日本各地で好評☆上映中です。
物語のベースは2013年11月5日、インド南部アーンドラ・プラデーシュ州のサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられ、翌2014年9月24日、みごと火星周回軌道に乗った無人探査衛星「मंगल यान (マンガルヤーン)」の成功実話。このアジア初の快挙

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人工知能を介在した人間ドラマ。映画『AWAKE』日本、2020年

人工知能を介在した人間ドラマ。映画『AWAKE』日本、2020年

2015年4月に行われた将棋電王戦FINAL第5局で繰り広げられた棋士とコンピュータの対局にインスパイアされたドラマ。

主人公は将棋が強くて、棋士養成機関の奨励会に入れるほどの実力を持っていたけれど、日本各地から集まる天才たちの中では抜きん出ることができず、20才でプロを諦めて奨励会を辞めた英一(吉沢亮)。その後、栄一は大学に進学して、コンピュータ将棋と出合い、AI研究会に入ってプログラミングを

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どんな人にも居場所はある。映画『人生、ここにあり』イタリア、2008年

どんな人にも居場所はある。映画『人生、ここにあり』イタリア、2008年

舞台は1980年代のイタリア。バザリア法の施行によって、精神病患者の再入院が禁止になり、その後の医療は原則、地域の精神保健サービスで行われることになった。地域で患者を受け入れるといえば聞こえはいいけれど、精神病患者たちは社会に放り出されても、すぐに居場所ができるわけじゃない。

一方、過激な労働組合の活動で会社を追い出されたネッロ。彼は、行き場のない精神病患者たちと人間の尊厳を求めて協同組合をつく

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リアルタイムで聴きたかった。ドキュメンタリー映画『甦る三大テノール 永遠の歌声』ドイツ、2020年

リアルタイムで聴きたかった。ドキュメンタリー映画『甦る三大テノール 永遠の歌声』ドイツ、2020年

最近、音楽映画が好きです。いい音響でめいっぱいの音楽が聞きたい。多分、ライブとかコンサートに行けないストレスがたまっているんだと思います。そんなわけで、本当に有名なパヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスの三大テノールのドキュメンタリーを娘と見に行きました。

世界の三大テノールといわれたルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴが共演したのは本当に偶然。1990年のローマ開催の

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宇宙人が地球に来て宗教をみたら?映画『PK』インド、2014年

宇宙人が地球に来て宗教をみたら?映画『PK』インド、2014年

アーミル・カーンの映画に外れなし。『きっと、うまくいく』、『チェイス』、『ダンガル』、『シープレットスーパースター』。大学生、銀行強盗、元レスリングの選手、落ちぶれた音楽プロデューサー。何を演じても、本当に文句なくおもしろく、楽しく、切ない。すごい。

今回の映画のアーミル・カーンの役どころは宇宙人。地球を探りに来たけれど、宇宙船と交信するリモコンを無くしてしまい、置き去りにされてしまうお話。彼を

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