髙山龍智

現代インド仏教の日本人僧侶。近著『反骨のブッダ/インドによみがえる本来の仏教』(コスモ…

髙山龍智

現代インド仏教の日本人僧侶。近著『反骨のブッダ/インドによみがえる本来の仏教』(コスモ21出版)から好評発売中!またインド仏教復興運動の指導者:佐々井秀嶺師の自叙伝『必生 闘う仏教』(集英社新書)では編者を勤めた。アンベードカル博士国際教育協会日本支部参与。

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『反骨のブッダ』好評販売中☆

拙著『反骨のブッダ /インドによみがえる本来の仏教』発売中!〝ブッダは一人ひとりの悲しみに寄り添う連帯と共感(慈悲)により、偽りとまやかしに「反骨」の意志を示して立ち上がった〟序章より。巻頭言はインド仏教最高指導者:佐々井秀嶺師。 出版社:コスモトゥーワン ISBN978-4-87795-361-4

    • 勝利の日︰改宗記念祭

       去る10月13日(日)、首都圏某所にて在日インド人仏教徒の非営利団体:B.A.I.A.E. の主催による『第68回 転法輪祭(アンベードカル博士改宗記念祭)』が開かれました。  今回、司会を務めてくれた若者コンビ。青年が流暢な日本語でユーモアを交えつつ進行。その文節ごとに、お嬢さんが美麗な発音の英語に訳す、という息の合った掛け合いでした。  まず最初はパーリ語のお勤め。読経と祝福に対し、感謝の花束を供養していただきました。  続いて、中核メンバーによる基調講演。彼らと

      • 佐々井上人誕生会2024

         去る8月30〜31日の二日間、インド中南部マハーラーシュトラ州ナーグプール市に於いて、佐々井秀嶺(印名︰アーリア・ナーガールジュナ・シュウレイ・ササイ)上人の誕生会が開かれました。  《Wiki》 佐々井秀嶺   佐々井上人は御年90歳(インドは数え年のため満八十九)。 カースト制のさらに下、いわゆる「不可触民」と共に暮らし、アンベードカル博士 によって復興した仏教を現実社会の中で実践しておられます。  今回は写真を中心に、インド仏教徒の熱い信仰と歓喜の表情をお伝えしたい

        • 解放の祝典アンベードカル生誕祭

           去る4月14日、東京九段のインド大使館にて、印日政府間キャンペーン︰Connecting Himalayas with Mount Fuji (ヒマラヤ山脈と霊峰富士を心でつなごう)の一環として『アンベードカル博士生誕祭』が開催されました。 当日はシビ・ジョージ駐日インド大使の御臨席を賜わり、盛大かつ華やかに〈人間解放の父〉を讃える公式行事が営まれました。  大使館のエントランスに展示されたブッダやアンベードカル博士の絵。日本で暮らす仏教徒の子供たちが描きました。ちなみに

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        『反骨のブッダ』好評販売中☆

          天に舞う…

           本日2月29日は、漫画家︰芦原妃名子先生の初月忌に当たります。 御親族の胸中如何ばかりかとお察し申し上げます。  生前、舞踊家の友人を介してお目にかかった者として、今日は故人を偲びたいと思います。  初対面の挨拶直後に私が発したのは、こんな言葉でした。 「少年漫画で育ったもので、少女漫画というか女性向けの漫画は、ほとんど読んだことないんですよ。〝目の中に星がキラキラ〟とか、そんな程度しか知らなくてね」 かかる無礼を受け流し、静かに微笑まれて、 「まぁ、そういう王道イメージ

          天に舞う…

          富山 氷見 地元で活動のインド人女性 被災者にカレーふるまう https://x.com/nhk_news/status/1743567092195131548?t=7QXdVzS67P562IJGT9wLOg&s=09

          富山 氷見 地元で活動のインド人女性 被災者にカレーふるまう https://x.com/nhk_news/status/1743567092195131548?t=7QXdVzS67P562IJGT9wLOg&s=09

          アングリマーラの伝説

           〈※ ヘッダー画像は2003年のタイ映画『Angulimala』より〉  多くの神話や宗教説話において、異教とその神格はDemonization(悪魔化)されます。これは一神教のみならず多神教でも云い得ることで、否、むしろ価値観の一本化を前提とした一神教より多神教の「万神殿」のほうが、現実の人間社会‥‥権威と支配構造‥‥を複雑巧妙に反映している、ともいえるでしょう。  いわゆる〝創唱宗教〟の教祖伝で定番のヤマ場となる逸話「救われざる者の救い」。個々のディテールに差異はあっ

          アングリマーラの伝説

          智慧と慈悲の輪

           去る10月29日(日)、首都圏某所にて在日インド人仏教徒の非営利団体:B.A.I.A.E.の主催による『第67回 転法輪祭(アンベードカル博士改宗記念祭)』が開かれました。  今年度は、コロナ明けの本格化ということもあってか、会場の確保がいささか難航し、結果「昭和の香り漂う」公民館での開催となりました。 手づくり感に溢れた舞台装置は、あたかも彼らの祖父母が〝マイナスから1を生み出した〟仏教復活の往時を偲ばせるものとなりました。  まずは礼拝とパーリ語勤行、次いで古参メンバ

          智慧と慈悲の輪

          2023『佐々井師誕生祭』

           インドへの出発前夜、荷造りしている私の携帯電話が鳴りました。関係者を通じて、佐々井秀嶺師から私宛の伝言。「お前が着く頃には、まだタイへ行っとるだろうから、ねぐらは自分でなんとかしろ」  所用による不在自体は珍しいことではありませんが、驚かされたのは、その気力と体力。数日後に八十九歳(数え年)となる高齢者であり、この6月には四年ぶりの来日・7月は首都デリーで文化財保護の交渉事を勤めておられます。直後に、タイ仏教会からの招聘を受けて、緊急渡航。 ── 不惜身命 (フシャクシンミ

          2023『佐々井師誕生祭』

          龍(ナーガ)の覚醒

           去る2023年7月1日、東京四ツ谷の真成院様にて、日本国内唯一の佐々井秀嶺上人公認支援団体 南天会 主催による『龍族会議』が開かれました。  この集いは、インドから四年ぶりに来日された佐々井師を中心に、上人より「龍」の法名を授かった善男善女、また上人を心の師と仰ぐ人々が一同に会し、佐々井師が歩んだ菩薩道を未来に繋いで行こう、という法座です。  当日の詳細については、いずれ主催者側から何らかの発表があるものと思いますので、ここでは、開会に臨んで司会進行を担当した私の前説を増補

          龍(ナーガ)の覚醒

          「ジャイ・ビーム」とは何か?

           2023年2月、民法地上波のゴールデンタイム番組『世界ふしぎ発見』でも紹介された現代インド仏教徒の合言葉、 「ジャイ・ビーム」 今回は、その由来と意味について、概説したいと思います。  ◎インド国民軍と「ジャイ・ヒンド」  スバス・チャンドラ・ボース(1897〜1945)。通称︰नेताजी(ネタージー/司令様)。大英帝国植民地支配からの独立を志し、ガーンディー(日本ではガンジーと表記)の非暴力と不服従による抵抗戦略に対して「それは高尚な哲学だが、現実の国際政治には通用し

          「ジャイ・ビーム」とは何か?

          私たちの誕生@2023

           去る4月22日土曜、首都圏某所にて在日インド仏教徒の非営利団体B.A.I.A.E.(アンベードカル博士国際教育協会)主催による『第132回アンベードカル博士生誕祭』が開かれました。  近年はインド映画の人気も手伝い、ようやく一般の方々にも彼の国の文化や歴史に関する認識が深まって来ました。ですが、ほんの数年前まで、お坊さんでさえインドに仏教を復活させたアンベードカル博士の名前すら正確に覚えてない人がいたのですから、今となっては笑い話ですね。  さて、今年の生誕祭。司会進行を務

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          哀しき魔王/ラーマーヤナ

           昨年来、日本でもロングランを続けているインド映画『RRR』。第95回アカデミー歌曲賞を受賞した本作の舞台は、大英帝国植民地時代のインド。物語の縦糸を古代神話『ラーマーヤナ』から採り、同じく神話『マハーバーラタ』を展開の横糸として織り成すエンターテインメントの大傑作です。  今回はその『ラーマーヤナ』と、大乗経典『楞伽経(りょうがきょう)』のダイナミックな関係について記したいと思います。 神話『ラーマーヤナ』の原型はB.C.5世紀頃に成立、その後、A.D.3世紀頃に序巻と末

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          袈裟の思い出

           今回は私が師父佐々井秀嶺から袈裟を授かった時のエピソードをご紹介したいとます。 2004年、インド中央政府少数者委員会の仏教徒代表としてデリーの官舎にお住まいだった佐々井師をまったくのアポ無しで訪ねたのが、初めての出会いでした。  当時の師は69歳、私は44歳(共に満年齢)でした。ちょうど親子の年齢差です。ちなみに私はその時までの約十二年間インドと日本を往復し、いわゆる『仏教八大聖地』はもちろん、北はカシミールから南はカンニャークマリ、東はオリッサ(現オディシャ)から西はグ

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          おんころころ〜生命の詩

           ここ数年、日本でも改めて人気を博しているインド映画。改めて、と書いたのは言うまでもなく『ムトゥ 踊るマハラジャ』(タミル語。1998年日本公開)の大ヒット以来、を意味します。例えば、今でもインド映画未見者との会話で「ムトー踊るナントカみたいなやつ?」と返されるほど、日本国内では代名詞的存在になっていました。 そして〝改めて〟の火付け役となったのは『バーフバリ』(前編2015年、後編2017年)、加えて今年公開された『RRR』でしょう。  ところで、上に引いた三作品に共通し

          おんころころ〜生命の詩

          復活の記念祭

           去る10月29日土曜、首都圏某所にて在日インド人仏教徒の非営利団体:B.A.I.A.E.(アンベードカル博士国際教育協会)主催による『66th DHAMMA CHAKRA PARIVARTAN(第66回 改宗記念祭)』が開かれました。  今を去る1956年10月、インド中南部ナーグプールで行なわれたヒンドゥー教から仏教への集団大改宗以来、世界中でずっと続けられてきた〝解放と自尊の記念祭〟ですが、この2年間はコロナ禍の自粛を受け、オンライン開催を主として来ました。  日本で暮

          復活の記念祭