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はじめまして、渡邉製本株式会社です。
はじめまして、東京都荒川区の渡邉製本株式会社です。
このたび、渡邉製本 はnoteをスタートしました。
ここでは製本にまつわるコラムや紙製品のトピックスを発信していきます。
初回は、そもそも製本ってなに?という話題に簡単に触れながら、わたしたちの自己紹介をさせていただきます。
そもそも、製本ってなに?製本ってなに?印刷とどう違うの?
と聞かれることも多い業種です。
簡単に言えば、印刷された
昭和な機械達 だけど今でも現役です -その5 ナラシ機-
ナラシ機って何でしょう?
漢字で書くと「均し機」となります。背を均す機械という意味です。
製本って、1冊の中身が全体に平らでないと、直角に切れませんし、綺麗な製品が出来ません。
紙は折っただけでは、背の方が高くなってしまいます。アジロ折という、背にエアー抜きの穴が開いている方法ではそうでもないのですが、綴折(普通折)という穴なしの折り方の場合はどうしても背が高くなってしまいます。
頁数が少ない場合
昭和な機械達 だけど今でも現役です -その3 バッキング機-
昭和レトロな製本機械達を紹介するシリーズの第3弾です。
今回はこの機械
「バッキング機」とか「バッケ出し機」などと呼ばれている機械です。
日本製本紙工新聞社発行の「製本用語事典(1998年)」によりますと、「バッキング」とは「本の中身の丸身出しを行った後、中身の背の形を整え耳を出す作業」とあります。機械が無い頃は2枚の専用の板で締め取ってハンマーでたたいて耳出しをしていたそうな。これは、私もま
遺産になりそうでならない製本道具 その3-竹輪
指にはめて紙を折る道具「竹輪(たけわ)」
今回は遺産になりそうでならない道具「竹輪」を紹介します。
竹輪《たけわ》とか指輪と呼んでいる道具です。チクワではありません。念のため。
まさしく指にはめて使う竹製の道具です。今でも社内にいくつも残してあります。
写真の左は使い込んだもの。ちょっと割れてしまっていますね。右はまだ使っていない新品です。
使い込んだ方は、指になじんでいい具合に飴色に光って
遺産になった道具たち その2-コツ
前回は刷毛のお話をしました。刷毛は渡邉製本では日常的に使われていますが、今回は今となっては頻繁には使われなくなった製本道具の紹介です。
上の写真の、四角い木の塊が今回の主役です。
本の背に丸みをつけるための道具「コツ」
これは「コツ」という、本の背を丸くするための道具です。樫や桜などの堅い木材でできています。写真のコツは長さ90mm×幅70mm×厚さ25mm位ですが、他にもサイズの違うものがあ
国名がついた3つの製本様式<その3.スイス装編> フランス・ドイツ・スイスがあるのに、イタリアがない?
これまで、国名シリーズとしてフランス装、ドイツ装に関して記事にしてきましたが、今回はこのシリーズの最終回「スイス装」です。
スイス装ってどんな製本?
まず、用語から。東京都製本工業組合1998年刊行の「製本用語辞典」で見てみます。
ちょっと難しい表現ですので、簡単に言いますと、本を開くと本体の片側だけが表紙についていて、背中が見えるようになっている製本です。
弊社ではスイス装と呼称するよりは
国名がついた3つの製本様式<その2.ドイツ装編> フランス・ドイツ・スイスがあるのに、イタリアがない?
だいぶ間が空いてしまいましたが、国名シリーズの2回目をお届けします。前回はフランス装を取り上げました。
今回はフランスよりも東に移動しドイツにちなんだ「ドイツ装」について書いていきます。
そもそも「ドイツ装」ってどんな製本様式なのでしょうか?
ドイツ装ってどんな製本?
ドイツ装に関しては製本工房リーブルさんの記事が一番的確なので、引用させてもらいます。
簡単に言いますと、コデックス装のよう