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昭和な機械達 だけど今でも現役です -その5 ナラシ機-

ナラシ機って何でしょう?
漢字で書くと「均し機」となります。背を均す機械という意味です。
製本って、1冊の中身が全体に平らでないと、直角に切れませんし、綺麗な製品が出来ません。
紙は折っただけでは、背の方が高くなってしまいます。アジロ折という、背にエアー抜きの穴が開いている方法ではそうでもないのですが、綴折(普通折)という穴なしの折り方の場合はどうしても背が高くなってしまいます。
頁数が少ない場合はそうでもないのですが、厚い本の場合はなおさらです。
そこで、活躍するのがこの機械です。

これで背中をプレスして、平らにしています。この機械を朝から晩まで使っているのは「綴屋」さんです。そこでは、糸綴をした後、適当な厚みの1駒ずつ、必ず、この機械にかけて背を平らにしています。

上の方の部分が開いたり閉じたりする運動を繰り返します。開いている時のタイミングで、本体を入れて油圧の力で背中をプレスします。


左:背ナラシ前/右:背ナラシ後

ご覧の通り、左の使用前と右の使用後では同じものなのに、明らかに背(向き合っている内側同士です)の高さが違うことがお解りになると思います。この手間をかけて背の高さを落ち着かせることで、より綺麗な製本が可能になります。

この機械も、当社では、たまにしか使いませんので、片隅に置いてあります。。

ただ、弊社のオリジナル製品の「BOOK NOTE」やトモエリバーを使用している「SEVENSEAS NOTE」はボンドで固めた後、その水分によって少し背が高くなってしまいますので、必ずこれで均してから表紙クルミをしています。

昭和チックな機械の銘板です

この機械も、ご覧の通り、電話番号が横書の漢数字です。以前紹介した「焼付機」と同じメーカーですね。いつから、ウチに有るのかは不明ですが、朝ドラの「ひよっこ」(たとえが古くてすみません)の時代くらいかそれ以前の物なのは確かです。
数年前には、2本ある駆動ベルトが切れてしまい1本だけになってしまったので、このメーカーとは違う個人の機械屋さんに無理を言ってベルト交換をしてもらいました。長生きのオジイチャン機械ですので、お金を掛けてもまだ頑張ってもらおうと・・・・・・。
たまにしかつかわないけれど、やっぱり、大切にしてあげないといけません。
(記事担当:社長)









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