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昭和な製本機械たち だけど今でも現役です その2-溝入れ機

前回、社内にある昭和チックな機械たちを紹介し始めました。

今回はその第2弾「溝入れ機」です。
今年4月の記事になりますが、遺産になった道具たちという記事で「イチョウ」と呼ばれる溝付けのコテを紹介しました。

イチョウコテ

こんな使い方でしたね。
写真でもわかる通り、上製本の背に沿って付いて、本体と表紙をがっちりとバインドしている溝を付けるための道具です。
但し、私も本製造では一回も使ったことがありませんが・・・・。

今回の機械は、それの進化バージョンですが、とはいっても昭和然とした道具の様な物たちです。

そのマニファクチャーな道具の第一の後継者が次の写真の機械 「足踏み溝入れ機」です。

足踏み溝入れ機


この「溝入れ機」は、上下に刃が付いています。
そして、足踏みの人力で上刃をおろして、その足の押し付ける力で溝をつけるという手動の道具に近い機械です。
いまは、繋げてはいませんがガスで刃に熱を加えて、溝の付き具合を良くできます。
今でも修復製本や手加工専門の製本屋さんでは現役で働いているようですが、弊社ではこの機械は普段は工場の角の死にスペースで眠っています。

但し、試作見本(束見本)を数冊作る時は、この機械で本当に簡単に調整もいらずに溝付けができるものですから、おのずとこの機械を利用してしまいます。
そして、やっぱり、捨てられずに、平成の終わり近くになっても、出番がくるのをじっと待ってくれています。

そして、その進化版を次に紹介します。
進化版とは言っても、この年季の入り具合です。

半自動溝入れ機

いかにも古そうですね。これには、動力(モーター)が付いていて、下のペダルを踏むと、上の刃が下りてきて、上下2枚の刃でガッチャンと本をはさみつけて、表紙に溝を入れます。刃にはガスバーナーで熱が加えられます。

前回紹介した一世代前の人力のものに、動力を付けてみました位で、余り代わり映えしませんね。
当社では、この次の世代の、プレスと溝入れを1台でおこなう「自動成形機」を普段は使っています。でも表紙を手クルミするような、薄すぎるものとか大きすぎるもの、特殊ものなどでは、この機械が相変わらず活躍していますので、弊社にとってはなくてはならない大事な機械です。
(記事担当:社長)


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