The Gravediggers

living in London, like classical perfume, c…

The Gravediggers

living in London, like classical perfume, cosmetics and pubs ロンドン西在住。文章を書くのが好きです。ロンドン、ダブリン、ノルマンディが好き。古い香水が好き。映画や音楽も古めが好き。徒然綴っていきます。

記事一覧

マルチカルチャーあるある

ロンドンはマルチカルチャーである。今の職場もマルチカルチャーの職場なのだが、毎日いろいろ起こって面白いので、あるあるみたいなのを書いていきたいと思う。 マルチカ…

The Gravediggers
1か月前
25

リアムのこと

ある日のことである。昼過ぎにパブへ行ったら、新しいバーテンダーの男ががいた。名前はリアムと名乗った。 外人にしては小柄、170あるかないか、顔はたぶん似ている有…

The Gravediggers
2か月前
6

さよなら図書館

家の近所の図書館が閉館になった。 図書館といっても、家の近くにあって、閉館になったのは分館みたいな図書館だった。本館は区の一番大きな地下鉄の駅の近くにあるショッ…

The Gravediggers
2か月前
6

あなたはどこを応援しますか?

ユーロ2024がたけなわである。 これは、ヨーロッパの国のサッカー総当たり選手権と考えれば一番わかりやすいか。ワールドカップに比べると規模が小さいので(当たり前か)…

The Gravediggers
4か月前
4

You are beautiful

2005年の晩夏、私は語学学校の生徒としてロンドンにやってきた。最初は、語学学校があっせんするホームスティの制度で一部屋確保してもらった。 ホームスティ先は、シング…

The Gravediggers
4か月前
9

アンナちゃんのこと

最近、いつものパブへ行くと、アンナちゃんが働いてはいるが、ひまを見てエプロンの大きなポケットに単語帳を入れていて、英単語をさらってるのをよく見る。話を聞いてると…

The Gravediggers
5か月前
8

何もかも変わっちまった

いつも行きつけのパブには、タイ料理のユニットが入っている。店長はなるちゃんというタイ人である。なるちゃんの一番のお客さんは2人いて、1人はアレックスという50代半…

The Gravediggers
6か月前
8

木枯らしに抱かれて

昭和歌謡や中森明菜が大好きではあるが、カラオケで歌うのには結構勇気がいるラインナップ、でも今の曲あんまり知らないし、どうしようと思うことが非常に多い。 そういう…

The Gravediggers
6か月前
5

それってオワコンですか?

ある日のこと、何気なくX(旧ツィッター)を覗いていたら、衝撃的な(私にとって)ポストをみかけた。正直、このポストは私の脳天を打ち砕くにふさわしいポストだった。 …

The Gravediggers
6か月前
4

ハイストリートの小売業危機について

ロンドンにも数店舗ある無印良品を経営している、Muji Europe が昨日清算管理人を任命したというニュースが出た。 このニュースが出るとだいたい、まあ、お店は閉店、スタ…

The Gravediggers
6か月前
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ダブリンの城

近所の印刷屋の親父が店をたたんだ。店は結構な通りに面していた。いつも、印刷屋にはジェレミーというアルプスで子供にスキーを教えているのが本職のあんちゃんがいて、親…

The Gravediggers
7か月前
10

かもめの玉子

イギリスに、ロンドンにやってきた最初の目的は語学学校だった。だいたい学校は1年ちょいくらいしかいなかったが、なんだかんだでだいたい2年くらいは学生としてロンドン…

The Gravediggers
7か月前
8

一人を受け容れる

`いつも行くパブにパブの人達が用心して接客している客が二人いる。 一人は、中東系の男でアントニーという。とにかく、この男は朝から晩までパブにいる。いつもウィスキー…

The Gravediggers
8か月前
4

最近増えたもの

パブのバーメイドの中にアリスという子がいる。いつもにやけていて、ふざけた雰囲気の子だから「にやけアリス」とか勝手に呼んでいる。にったらにったらして仕事をしている…

The Gravediggers
8か月前
5

さっちゃんの憂鬱

いつも行っているパブであるが、紆余曲折を経て、オーナーが昨年末に変更になった。 インド系の方で手広く商売をやっているという話である。 今までずっとパブにいた、バ…

The Gravediggers
9か月前
5

イギリスの婦人服

自分が投稿した記事で一番読まれているという記事はなんとバウアーの記事である。 そこまでファッションって感じの記事は書いていないので意外だなとは思いますが。 まあ…

The Gravediggers
9か月前
6
マルチカルチャーあるある

マルチカルチャーあるある

ロンドンはマルチカルチャーである。今の職場もマルチカルチャーの職場なのだが、毎日いろいろ起こって面白いので、あるあるみたいなのを書いていきたいと思う。

マルチカルチャーあるある、であるが、だいたいなぜか新入りが何人なのか事前に知ってる人がいる。

「xxのところに入ってくる新しい派遣さんはxx人」とかそういう話はなぜかかなり前から入ってくる。からくりはよくわからないが、たぶん人事の人が「明日から

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リアムのこと

リアムのこと

ある日のことである。昼過ぎにパブへ行ったら、新しいバーテンダーの男ががいた。名前はリアムと名乗った。

外人にしては小柄、170あるかないか、顔はたぶん似ている有名人はジュード・ローをもっとサルっぽくした感じ。酒好きっぽい感じで、人なつこそうな男である。若作りしてるが、たぶん40は超えているだろう。後頭部のあたりがちょっと薄くなっていた。

かなりのアイルランド訛り、たぶん北の方の訛り。その割には

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さよなら図書館

さよなら図書館

家の近所の図書館が閉館になった。

図書館といっても、家の近くにあって、閉館になったのは分館みたいな図書館だった。本館は区の一番大きな地下鉄の駅の近くにあるショッピングセンターの2階にあった。このショッピングセンターは2階は大きな図書館とスポーツセンターというかジム、3階から上は市役所の分署、そして居住階になっていた。

本館に頻繁に足を運んだのは相当昔である。イギリスに来たばかりの頃、本館の近く

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あなたはどこを応援しますか?

あなたはどこを応援しますか?

ユーロ2024がたけなわである。
これは、ヨーロッパの国のサッカー総当たり選手権と考えれば一番わかりやすいか。ワールドカップに比べると規模が小さいので(当たり前か)結構ヨーロッパの小国が予選を勝ち抜いて出てくる場合もあるので、おらが国がユーロに出るだよ、ということでサポーターが開催地まで相当数押し寄せ、ものすごいローカル色の強い濃厚な応援合戦も繰り広げる。その辺も見どころだったりする。

私がイギ

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You are beautiful

You are beautiful

2005年の晩夏、私は語学学校の生徒としてロンドンにやってきた。最初は、語学学校があっせんするホームスティの制度で一部屋確保してもらった。

ホームスティ先は、シングルマザーの美術教師のおうちで子供が二人、長女が家を出て、長男と暮らしていた。余っている部屋を語学学校の生徒に貸していた。

今から考えてみれば、かなりありがたいホームスティのママだったと思う。ついてその日のうちに、車に乗せてくれて、携

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アンナちゃんのこと

アンナちゃんのこと

最近、いつものパブへ行くと、アンナちゃんが働いてはいるが、ひまを見てエプロンの大きなポケットに単語帳を入れていて、英単語をさらってるのをよく見る。話を聞いてるとIELTSを受験する予定らしく、ひまを見て勉強をしているそうだ。

鉛筆やらペンやらを使って単語帳にいろいろ書いているのを見るがあまりにもひどい文房具を使ってる。パブで使われてるよくわからないボールペンやら、どこかで拾ったんだか持ってきたん

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何もかも変わっちまった

何もかも変わっちまった

いつも行きつけのパブには、タイ料理のユニットが入っている。店長はなるちゃんというタイ人である。なるちゃんの一番のお客さんは2人いて、1人はアレックスという50代半ばくらいの男性、この辺の出身で建設業従事者でいつもヘルメット持参でパブにやってくる。元ジャムというバンドのポールウェラーに似ていて面影があり、笑うと目の周りがくしゃっとなっていい具合にしわがより、なんというか、イギリスらしい感じの人だった

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木枯らしに抱かれて

木枯らしに抱かれて

昭和歌謡や中森明菜が大好きではあるが、カラオケで歌うのには結構勇気がいるラインナップ、でも今の曲あんまり知らないし、どうしようと思うことが非常に多い。

そういうときは、やっぱり小泉今日子かな、などと思ってあなたに会えてよかったとか入れるんだけどさ、まあ、これだってそんなに新しくはないよなと。

小泉今日子、テレビドラマもそこまで出なくなったし、Xで変なことばかり言ってるおばさんかもしれないけどさ

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それってオワコンですか?

それってオワコンですか?

ある日のこと、何気なくX(旧ツィッター)を覗いていたら、衝撃的な(私にとって)ポストをみかけた。正直、このポストは私の脳天を打ち砕くにふさわしいポストだった。

イギリスの新興スーパーマーケットF社で、日本のとあるウェハースチョコレートが、なんと2.5ポンドで売ってた、というポストだった。

何がなんだかわからないので、細かく、書いていくが、まず、売ってるものは世界的に流通しているチョコレートウェ

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ハイストリートの小売業危機について

ハイストリートの小売業危機について

ロンドンにも数店舗ある無印良品を経営している、Muji Europe が昨日清算管理人を任命したというニュースが出た。

このニュースが出るとだいたい、まあ、お店は閉店、スタッフは解雇というのが常道のような気がする。今のところ通常営業だが、そのうち店舗はたぶん閉まるだろう。次の家賃を払うところまでは普段通りなのだろうが、そのうちお店はなくなる、はず。

誰かがお店の権利を引き取って、営業をそのまま

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ダブリンの城

ダブリンの城

近所の印刷屋の親父が店をたたんだ。店は結構な通りに面していた。いつも、印刷屋にはジェレミーというアルプスで子供にスキーを教えているのが本職のあんちゃんがいて、親父はいつもふらふらしていた。コロナ禍の間はこの印刷屋はそこそこもうかっていた。アクリル板に貼るシールやらコロナ禍用の飲食やら美容院のメニューやらを印刷する需要があり、まあ、忙しそうにしていたが、コロナが終わってからはまた暇に戻った。

ジェ

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かもめの玉子

かもめの玉子

イギリスに、ロンドンにやってきた最初の目的は語学学校だった。だいたい学校は1年ちょいくらいしかいなかったが、なんだかんだでだいたい2年くらいは学生としてロンドンにいた。

語学学校はある程度はちゃんとした学校だった。毎日ちゃんと授業はあったし、自腹で行ったからお金は無駄にしたくなかったからちゃんとは通っていた。

ただ、授業が終わった後は絶対に家にまっすぐなんか帰らなかった。だいたい、朝仲間と会っ

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一人を受け容れる

一人を受け容れる

`いつも行くパブにパブの人達が用心して接客している客が二人いる。
一人は、中東系の男でアントニーという。とにかく、この男は朝から晩までパブにいる。いつもウィスキーの水割りを頼んで、とにかくパブにいる。

職業はコックという噂だった。もともと中東のかなり小さい国から移民してきて、その国のクリスチャンの組織で働いているという。確かに隣の駅の近くに、その宗派の教会があり、宿泊所がある。何かあったときに同

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最近増えたもの

最近増えたもの

パブのバーメイドの中にアリスという子がいる。いつもにやけていて、ふざけた雰囲気の子だから「にやけアリス」とか勝手に呼んでいる。にったらにったらして仕事をしているが、普通のイギリス人で大学生である。

前にそのにやけアリスが、私の目のまえに来て、なぞの文字が書いてあるメモを見せてきた。「ナニコレ?」と言ったら「日本語なんだけど」と言われて一生懸命頑張って読んでみたら、ひらがなで「もち」と書いてあった

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さっちゃんの憂鬱

さっちゃんの憂鬱

いつも行っているパブであるが、紆余曲折を経て、オーナーが昨年末に変更になった。

インド系の方で手広く商売をやっているという話である。

今までずっとパブにいた、バーマンのヘッドのジンジャーは12月のはじめにパブを退職、前前から念願の福祉関係の仕事に転職した。

新しく、ヘッドオブバーマンになったのはクリスというおじさん、結構初老のくたびれたおじさんだった。クリスの本業はパーソナルトレーナーらしか

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イギリスの婦人服

イギリスの婦人服

自分が投稿した記事で一番読まれているという記事はなんとバウアーの記事である。

そこまでファッションって感じの記事は書いていないので意外だなとは思いますが。

まあ、最近そこまでバウアー着て居ませんがね。

イギリス来て女性の場合、本当に着る服がないのではないか、と思うことがある。今はまだいいが、私がイギリスに来た頃は、女性向けだとJAEGERとREISSというブランドがだいたい2大ブランドで他に

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