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140字小説「星に愛される男」
男は『途切れた運命の糸』が落ちているのに気がついた
拾って、見てみると『運命の糸』は引き千切られていた
男は物悲しく揺れる『運命の糸』を見て
『運命の糸』の千切れた部分を地面に埋めて供養した
男は自分の手を見る
自分の『運命の糸』は、誰に繋がっているのか
まだ見ぬ運命の相手が、男は気になった
140字小説「鉛筆」
彼は身を削って仕事をする
時に心が折れ
時に道具として扱われた
同僚は彼のミスをフォローするが
そのせいで同僚も身を削り、くたびれ、汚れていく
彼はミスを押し付ける自分は同僚から好かれていないと思っていた
その上日々新人達との能力差を見せつけられる
彼は今後新人達に仕事を奪われていくと自覚した
140字小説「孫に見られるのは、流石に恥ずかしいのよ」
当主の男は、明け方病院から帰宅した
そして屋敷に飾っていた、若い婦人の絵画が消えている事に気がつく
亡き先代当主が若い頃に描かせて、大切にしていた絵画
妻も「こんなふうに愛されたい」と気に入っていた
病院にいる妻を思う
出産直後で心労をかけたくない
男は留守を頼んだ先代夫人に話を聞く事にした