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#1 乗り掛かった舟
17歳の春、指で言葉を追っていただけの人との邂逅が、後の自分にとってありふれた日常も、訪れる煩わしい事柄も全てが例外なくいとおしく、それでいて年輪を重ねながらも中心のない、空洞化した愛すらも特別なものになろうとはその時まだ、想像していなかった。
2008年春、つばめきたる日に高校へ進学した。姉と同じ国際高校に行くことを諦め、東京の郊外に隣接する祖父母の住む町にある高校を選んだ。中高一
17歳の春、指で言葉を追っていただけの人との邂逅が、後の自分にとってありふれた日常も、訪れる煩わしい事柄も全てが例外なくいとおしく、それでいて年輪を重ねながらも中心のない、空洞化した愛すらも特別なものになろうとはその時まだ、想像していなかった。
2008年春、つばめきたる日に高校へ進学した。姉と同じ国際高校に行くことを諦め、東京の郊外に隣接する祖父母の住む町にある高校を選んだ。中高一