【SLAM DUNK GI】119話「人は絆にお金を払う」
去就の決まらない河田雅史がぼんやりと脳裏に浮かんでいたものは
・海外
・堂本五郎の言葉
・バスケット選手としての成長
しかし現実的な道や資金もなかった。
そしてこの平行線の状態から動きだす。大方、CBAリーグに決定するだろうとの予想から一転、
JBAリーグ所属チームである、ルームショー埼玉のスポンサーである株式会社ルームショーの青年実業家、
代表取締役である新田裕一
から河田に連絡が入る。
小学生6年の頃には路上で弾き語りを始めた。
弾き語りをしていくうちにオリジナル曲は聞いてくれない
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
→→カバー曲を歌うと立ち止まる
→→立ち止まった人のリクエストに応えると仲良くなれる
→→応えられなかったリクエストの翌週応えるとさらに仲良くなれる
→→仲良くなったらオリジナル曲を聞いてくれる
→→カバー曲+オリジナル曲の演奏がお金を生む
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
というサイクルに気付く。
「仲良くなるなら双方向性が大切」
「人は絆にお金を払う」
ということを考え、これがのちに起業する
株式会社ルームショーの原型となった。
中学時代にはバスケ部に入部しバスケに没頭したが怪我により退部。しかしバスケへの愛もあってプロ志向の強いJBAリーグのスポンサーとなりチーム名もルームショー埼玉に変更。
その新田裕一社長が河田雅史に接触したのだ。
「ちまたでは日本を牽引する代表選手になりえる逸材がJBAリーグを選択しないと言われている。一見選択肢は限られ、難しくないように見えるがそれでも決まっていない。河田さん、あなたが見ている世界は世間とは違う世界なのではないでしょうか?」新田
「・・・・」河田
「河田雅史という商品を日本の組織に当てこむのは、日本にとって得策なのか?という議論もある。河田さんの可能性を考慮すると日本の組織でのサラリーは妥当とは言えないかもしれません。」新田
「サラリーの問題はないとは言い切れません。家庭環境も普通ですし、兄弟もいる。ここまで負担をかけたのも事実です。恩返しもしなければならないです。しかしバスケット選手として成長を考えた時にこのままでいいのかと、、。」河田
「日本では勝ち続けてましたからね。そういう考えが出てくるのも当然でしょう。むしろそこで満足しない河田さんに感銘を受けます。」新田
「ある言葉が脳裏をよぎるんです。「負けたことがあるということがいつか大きな財産になる。」
「財産は貯めたほうがいいべ?、、、、ですよね?」河田
「確か3年のインターハイで無名校の2回戦敗退の。」新田
「ええ。あの時の感覚、未知の生物がはい上がっていく様、自分自身も未知の世界に入っていく感覚。それは負けた悔しさはありましたけど、監督の言った財産なのではないかと、、ぼんやり考えるんです。」河田
「その世界をもっと知りたいのですね? 日本では知れないのではという不安も?」新田
「・・・・」河田
「しかし現実、具体的な道もなければ資金もありません。」河田
新田裕一はその言葉を待っていたかのような笑顔で返した。
「では私が、具体的な道と資金繰りについて提案させて下さい。」新田
「えっ はい。」河田
「河田さん、クラウドファンディングというものをご存知ですか?」新田
「えーー ちょっと詳しくはわかってねーべ、、です。」河田
クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって3類型に分類される。
・金銭的リターンのない寄付型
・金銭リターンが伴う投資型
・プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う購入型
「これがクラウドファンディングです。まず具体的な道ですが、私の会社がスポンサーであるルームショー埼玉に入団する。そしてクラウドファンディングのプロジェクトとして河田さんの海外レンタル移籍資金を集めるんです。最低でも海外を経験させます。」新田
河田は具体的なようで現実では発想になかった話に耳を傾けた。
「新田さん夢のような話で興味はありますが、それでチーム、新田さんにメリットはあるのでしょうか?」河田
「もちろん、条件はありますよ。」新田
若くして起業した株式会社ルームショー社長の新田裕一の路上弾き語りでの体験、「仲良くなるなら双方向が大切」「人は絆にお金を払う」という原型は、河田雅史オファーの提案に通じるものがある。
そこにはバスケット経験からくるバスケ愛と河田雅史の魅力を感じているからに他ならない。
新田裕一の提示する条件とは何なのか?
続
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?