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【SLAM DUNK Gl】118話「手加減はできねえ男」


最強は誰だ?


絶対王者、山王工業エース、沢北栄治なのか?


試合終盤、互角の才能を開花させた流川楓なのか?


両者と同等のスキルを持ちさらにゲームメークもこなせる仙道彰なのか?


流川楓を本気にさせ、仙道彰を止め、あきらかに沢北栄治の動揺を誘った桜木花道なのか?


最終局面にてゲームメークを託された絶対王者、山王工業のPG、深津一成なのか?


ダンプカーと形容されるパワーとキャプテンシー帝王、牧紳一なのか?


未完の大器、森重寛なのか?


この論争をトータルに考え納得させられる男がいる。

その名は

河田雅史という手加減はできない男だ。


絶対王者、山王工業のセンターを務めた河田の実力は全日本センターの杉山に高校3年の時点で大学でもセンターでベスト3に入ると評価された。

え抜かれた体を活かし、パワーとスピードでペイントエリア内を支配する。またセンターでありながらゴールから離れた場所でも活躍でき、時にはスリーポイントシュートも放つというオールラウンドな技術を持つ。

そのルーツは身長が高校入学時は165㎝だったという河田の身長が伸びる度にポジションを変え、変わる度に順応しようと並々ならぬ努力をしてきたからに他ならない。


インターハイでマッチアップした神奈川ベスト5に選出された赤木剛憲の言葉


が河田雅史の凄さを物語る。


「神奈川の猛者どもが子供に見える程に・・・河田雅史は住む世界が違    う・・・・!!」


応援席にいた妹の赤木晴子も兄が河田に歯が立たない様を見るや、涙を流した。



それほど河田雅史という男は恐ろしい男で手加減ができない男なのだ。しかしそんな最強の男、河田雅史、絶対王者、山王工業に立ちはだかったのが、

前年度、地区予選1回戦敗退の湘北高校である。万全の準備をしてきたはずだった。

手加減などできないはず、それでも心の隙があったのか?

試合後の山王工業監督、堂本五郎の言葉。


「「負けたことがある」というのが、いつか大きな財産になる。」



その後、河田はこの言葉を胸に大学でもトップに君臨した。

そして4年後、河田の去就に注目が集まった。


日本バスケトップリーグ、

CBAリーグ、JBAリーグ
どちらのリーグに所属するのか?

どのチームが河田雅史を獲得するのか?
将来の日本代表、いや現時点で有望な代表選手とカテゴライズされる河田に代表選手になれないJBAリーグはない。

大方、CBAリーグで決まりだろうとの予想が認知されていた。

しかし予想を裏切り河田の去就はなかなか決まらなかった。
河田雅史には弟がいる。
この弟も山王工業の門をたたき、河田雅史の弟という重責を担いながらバスケに精進した。高校、大学と名門に通うということ、山王工業は海外遠征等も積極的に実施した。

それには経費もかかるということ。
ごく普通の家庭で育った河田には引っかかるものがあった。

実質企業バスケットであるCBAリーグのサラリーは?
さらに低いと言われるJBAリーグ。

平行線を辿る河田の去就も冷静なコメンテーターは、

「日本バスケットの組織に当てこむなら、代表選手になれるCBAリーグが妥当でしょうし、皆、河田選手代表で見たいと思っていますよ。しかしあくまで日本の組織に当てはまるとということで、河田雅史という商品はもっと価値があるということも言えます。海外のプロリーグなんかも視野に入れてもおかしくはないですよね。河田選手の実力、そして日のバスケット選手のサラリー面なんかも考えると悩んでもおかしくないですよね。」


河田はサラリー面のことも現実問題として考えたが、何より日本でトップを走り、勝ち続けてきた。

そこに選手としてののびしろがこれ以上あるのか?ということに自問自答していた。

それはあの時の堂本五郎の言葉が脳裏にあったからだ。


「河田君、今後の進路をどのように考えていますか?」相田弥生


相田弥生、週刊バスケットボール記者であり。陵南高校、相田彦一の姉である。

インターハイ湘北戦、前夜にも取材を受けた間柄である。


「海外ってどんなところですか 相田さん。」河田

「えっ 海外?」相田


「財産は、貯めたほうがいいでしょ?」河田


もう一度、繰り返そう。


「負けたことがある」というのが、いつか大きな財産になる。」


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