記事一覧

僕と息子と野球の日記⑮

冬の厳しいトレーニングが終わる。 次男は中学生の時も得意としていた外野手 として、定着していた。 2年前、長男が言った言葉を思い出す。 「最後の夏はね、みんなグロ…

ごとを
2年前

僕と息子と野球の日記⑭

長男は就職が決まった。 次男は、1個上の先輩と試合に出たいと、必死に慣れないポジションを練習した。 しかし、現実は甘くなく 1個上の世代には、自分の得意な外野は空い…

ごとを
2年前
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やっぱり読んでしまった。

岸田さんの書く話が好きです。 僕は影響されてしまうと、その人を真似してしまうところがあるので、「僕と野球と息子の日記」を書いている間は、岸田さんの文章を目に入…

ごとを
3年前
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僕と野球と息子の日記 ⑬

小さな頃から夢見て来た甲子園。 今年は開催されなかった。 誰が悪いわけでもない。 最終目標を失った長男が心配だった。 最後の望みだった、県の独自大会は開催が決ま…

ごとを
4年前

「僕と野球と息子の日記」⑫

今、僕の長男は高校3年生。 次男は高校1年生です。 同じ高校に通う2人。 兄弟であり、同じ野球部の先輩・後輩でもあります。 野球好きの方はご存知でしょうが、今年は…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑪

次男が中学1年生の時の話。 中学は3つの小学校が集まっている。 少年野球時代、何度も他の2チームと戦った。 その上で、僕には確信があった。 「中学で一緒のチーム…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑩

長男が中学1年生の時の話。 いよいよ長男の中学野球が始まった。 小学生時代、試合の出場機会は少なく、いつもランナーコーチをしていた。 中学ももしかしたら、この延…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑨

最後の県大会をかけた予選。 あと1つ勝てたら、3位で県大会に行ける、大事な試合。 みんなで、このチームで県大会へ! その気持ちがプレーに現れたのか、なんと3対1で勝…

ごとを
4年前

「僕と野球と息子の日記」⑧

次男はピッチャーに選ばれた。 しかし、どの試合もストライクが入らず、 フォアボール押し出し押し出し。 相撲かよ!と思わず心の中で突っ込んでしまう。 見るのが辛か…

ごとを
4年前
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「ありがとう」

絶対的自信がありました。 僕は物書きのシロウトです。 今回、「#キナリ杯」の企画を偶然目にして、 おもしろそうだ!と、参加させていただきました。 優勝まではなく…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑦

長男は無事に卒団し、長男の1つ下、次男の1つ上の年齢の新チームになった。 そのチームは六年生が少なく、次男もほぼ先発メンバーに選ばれていた。 次男は運動神経がよ…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑥

長男達は六年生になり、いよいよ親チームとして、少年野球最後の年が始まる。 ある日の練習の終わりに、背番号が配られる事になった。 六年生は14人。 長男がもらった背…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」⑤

ある日の練習中、監督に呼ばれた。 「長男君、皆んなとは別メニューで、ボチボチやろうか?」 監督なりの気遣いを提案してくれた。 その優しさが嬉しくて、夜、長男に話…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」④

朝、嫁から電話があり、「今日、長男君学校休むって。」 熱は無いらしい。 サボったのか? 家に帰ると、長男はめっちゃ元気だった。 まー、たまにはいいか。そんな日もあ…

ごとを
4年前

「僕と野球と息子の日記」③

長男は野球少年になった。 スポーツ少年団の保護者は、中々と大変で、色々な役割があった。 早くも、僕達夫婦の心は折れそうになった… しかし、どんなに大変でも、息子の…

ごとを
4年前
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「僕と野球と息子の日記」②

1週間が過ぎた。 長男は言った。 「野球に入りたい」 わかった。小学3年生とはいえ、1週間考えた結末だ。 わかりやすい。 ならば野球嫌いな私も、腹をくくるしかない。 …

ごとを
4年前
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僕と息子と野球の日記⑮

冬の厳しいトレーニングが終わる。

次男は中学生の時も得意としていた外野手
として、定着していた。

2年前、長男が言った言葉を思い出す。
「最後の夏はね、みんなグローブをオーダーしてた。
でもね、ウチはお金ないから、俺はいいんだ。
ただ、次男の時は、作ってやってくれないかな?」

びっくりした。
こんなに弟思いだったのか。
自分はいいけど、次男にはしてあげて欲しいとか…

嫁は泣いていた。

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僕と息子と野球の日記⑭

長男は就職が決まった。
次男は、1個上の先輩と試合に出たいと、必死に慣れないポジションを練習した。

しかし、現実は甘くなく
1個上の世代には、自分の得意な外野は空いてなく、手薄だが唯一狙えそうなセカンドも、同級生にとられてしまう。

ベンチ入りは出来たものの
公式戦にはやはり出れなかった

しかし、先輩後輩、仲がよく
次男は本当に先輩が大好きだった。

先輩の、最後の夏が始まる。

県大会予選、

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やっぱり読んでしまった。



岸田さんの書く話が好きです。

僕は影響されてしまうと、その人を真似してしまうところがあるので、「僕と野球と息子の日記」を書いている間は、岸田さんの文章を目に入らないようにしてました…

子供の事がひと段落して、久々に岸田チェックをしてみたら…

本出してんじゃん!
読みたいじゃん!
買うじゃん!

読むじゃん!
お酒に合うじゃん(意見には個人差があります)!

いや、本当に面白い人。

ずっ

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僕と野球と息子の日記 ⑬

小さな頃から夢見て来た甲子園。

今年は開催されなかった。

誰が悪いわけでもない。

最終目標を失った長男が心配だった。

最後の望みだった、県の独自大会は開催が決まり、なんとか最後は試合が出来ると安心した。

ずっとやって来た野球。
本当にこれが最後になる。
小学生の時から、僕らのそばにあった野球。

悔いのないよう、笑顔で終わって欲しい。
そんな事ばかり考えていた。

試合の日。早朝、僕は長

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「僕と野球と息子の日記」⑫

今、僕の長男は高校3年生。
次男は高校1年生です。

同じ高校に通う2人。
兄弟であり、同じ野球部の先輩・後輩でもあります。

野球好きの方はご存知でしょうが、今年は「甲子園」が中止となりました。

小学生から野球を始めた長男。
「甲子園に行きたい」
「甲子園でプレーしたい」。

まぁ、本当に行けるかどうかは別の話ですが、野球少年が夢見た舞台が、今年は無くなってしまいました。

「甲子園中止」の報

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「僕と野球と息子の日記」⑪

次男が中学1年生の時の話。

中学は3つの小学校が集まっている。

少年野球時代、何度も他の2チームと戦った。

その上で、僕には確信があった。

「中学で一緒のチームになったら、絶対に強い!」

そしてその確信のとおり、次男達は1年生大会で優勝した。

その時の監督は、兄の代からお世話になった、とても馬の合う先生だった。
いつも2人には学校で僕の話をしてたらしい笑。
僕より歳下で、野球が大好きで

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「僕と野球と息子の日記」⑩

長男が中学1年生の時の話。

いよいよ長男の中学野球が始まった。

小学生時代、試合の出場機会は少なく、いつもランナーコーチをしていた。

中学ももしかしたら、この延長なのかな…
そんな不安が僕に押し寄せる。

しかし、運のいい事に、長男が得意なセカンドは、あまりやりたがる人がいなかった。

長男は地道に努力を重ねて、これはもうすぐ行われる1年生大会、先発入りかも!!
くらいの雰囲気だった。

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「僕と野球と息子の日記」⑨

最後の県大会をかけた予選。
あと1つ勝てたら、3位で県大会に行ける、大事な試合。

みんなで、このチームで県大会へ!
その気持ちがプレーに現れたのか、なんと3対1で勝利!
そして、1番出来の良いピッチング!!

あれは嬉しかったなぁ、父兄で凄く喜んだのを覚えてる。

この後から、次男のピッチングは、劇的に変化し、練習試合でも、そう簡単に負ける事はなかった。

そして県大会。

4対2でリードして、

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「僕と野球と息子の日記」⑧

次男はピッチャーに選ばれた。

しかし、どの試合もストライクが入らず、
フォアボール押し出し押し出し。

相撲かよ!と思わず心の中で突っ込んでしまう。

見るのが辛かった。
負けた試合はほぼ、次男のピッチングからだった。

「ピッチャーを変えてくれ!!」
何度も何度も心で叫ぶ。

あれほど長男の時は、試合に出てくれと願ってたのに、
今は次男を代えてくれと願ってる。

少年団の飲み会で、コーチに言わ

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「ありがとう」

絶対的自信がありました。

僕は物書きのシロウトです。

今回、「#キナリ杯」の企画を偶然目にして、
おもしろそうだ!と、参加させていただきました。

優勝まではなくても、何かしらの賞をとれるかと思い、「この高鳴りを何と呼ぶ」という
つたない実話を投稿させていただきました。

岸田さんからは賞をもらえなかった。
前澤さんは100万円をくれなかった。

…いいんです。
この年齢になっても、何かチャレ

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「僕と野球と息子の日記」⑦

長男は無事に卒団し、長男の1つ下、次男の1つ上の年齢の新チームになった。

そのチームは六年生が少なく、次男もほぼ先発メンバーに選ばれていた。

次男は運動神経がよく、足もめちゃくちゃ速かった。

1年がすぎ、そのチームもいよいよ卒団が近づいて来たある日、監督に次男が呼ばれた。

「来年は、お前がピッチャーな。」

ビビリました。
当時まだ、コントロール凄く悪かったし、何しろ、自分の子がピッチャー

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「僕と野球と息子の日記」⑥

長男達は六年生になり、いよいよ親チームとして、少年野球最後の年が始まる。

ある日の練習の終わりに、背番号が配られる事になった。

六年生は14人。
長男がもらった背番号は「14」だった。

ウチのチームには、当時背番号「0」があった。
つまり、長男は五年生1人に抜かれて、背番号「14」だった。

これでいいんだ。
決して上手いわけじゃない。
病気もした。
これでいいんだ。
そう何度も何度も自分に

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「僕と野球と息子の日記」⑤

ある日の練習中、監督に呼ばれた。

「長男君、皆んなとは別メニューで、ボチボチやろうか?」
監督なりの気遣いを提案してくれた。

その優しさが嬉しくて、夜、長男に話をしてみた。

「監督が、皆んなとは別メニューでやろうか?て言ってくれたよ。」

長男は少し沈黙した後に、強めの口調で答えた。

「皆んなと別メニューとか、そんなのは嫌だ!僕だって、僕だってレギュラーになりたいんだ!」

僕はずっと息子

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「僕と野球と息子の日記」④

朝、嫁から電話があり、「今日、長男君学校休むって。」

熱は無いらしい。
サボったのか?

家に帰ると、長男はめっちゃ元気だった。
まー、たまにはいいか。そんな日もある。

しかし、次の日も、その次の日も
長男は学校に行く事は無かった。

あちこちの病院を回ったが、異常は無く、なんなのかわからないまま、何日か過ぎた。

僕も嫁も、イライラしていた。
サボってるだけなのか。
本当に体調悪いのか。

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「僕と野球と息子の日記」③

長男は野球少年になった。
スポーツ少年団の保護者は、中々と大変で、色々な役割があった。
早くも、僕達夫婦の心は折れそうになった…

しかし、どんなに大変でも、息子の活躍を見れば、帳消しになる。

と思っていた。

思っていたんだ。

野球に無知なまま、どんどん時間は過ぎて行き、長男は5年生になった。

その時点で、長男の同級生はスポーツ少年団に14人。
中々の人数だ。
当然、試合には中々出れない。

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「僕と野球と息子の日記」②

1週間が過ぎた。
長男は言った。
「野球に入りたい」

わかった。小学3年生とはいえ、1週間考えた結末だ。
わかりやすい。

ならば野球嫌いな私も、腹をくくるしかない。
小学校時代、牛乳が嫌いで給食の牛乳を残して、先生が
「誰だ!牛乳を残したのは!」とご立腹になり、名乗りでないと帰れない、そんな空気の時に腹をくくった、あの日の気分だ。

「とりあえず、体験入部があるらしい。行ってみるか…?」

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