「僕と野球と息子の日記」⑧


次男はピッチャーに選ばれた。

しかし、どの試合もストライクが入らず、
フォアボール押し出し押し出し。

相撲かよ!と思わず心の中で突っ込んでしまう。

見るのが辛かった。
負けた試合はほぼ、次男のピッチングからだった。

「ピッチャーを変えてくれ!!」
何度も何度も心で叫ぶ。

あれほど長男の時は、試合に出てくれと願ってたのに、
今は次男を代えてくれと願ってる。

少年団の飲み会で、コーチに言われた。
「今のまま、アイツ(次男)に7回を投げさせる事は出来んよ!!」

お酒のせいか、口調は少し強めだった。

「そ…そうですね…」と力なく答えるのが精一杯だった。

心の中で「ふざけんな!俺がアイツをピッチャーにしてくれ!と頼んだか!?自分達で決めたんだろーが!!」と反論した。

チームの前半戦の成績は、ボロボロだった。
唯一の救いは、次男がピッチングがダメな時、女の子が投げてくれた。
この子がいてくれた事。
この事が、後に大きな分岐点になった。

この女の子と交互に投げる事により、次男は少し心に余裕が出来たのか、少しづつ成長していった。

後半戦も終盤に差し掛かる。
最後の県大会をかけて行われた予選。

3位通過までは県大会に行ける。
その3位をかけた試合。

もう僕達のチームは後がなかった。
今まで続いて来た、県大会出場の記録は、今年で終わってしまうのか…

そんな大事な試合だった…


続きます。

#野球
#親子の話
#エースとは


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