「僕と野球と息子の日記」⑪
次男が中学1年生の時の話。
中学は3つの小学校が集まっている。
少年野球時代、何度も他の2チームと戦った。
その上で、僕には確信があった。
「中学で一緒のチームになったら、絶対に強い!」
そしてその確信のとおり、次男達は1年生大会で優勝した。
その時の監督は、兄の代からお世話になった、とても馬の合う先生だった。
いつも2人には学校で僕の話をしてたらしい笑。
僕より歳下で、野球が大好きで、ちょっとバカで…笑
僕達家族は、その先生が大好きだった。
時に厳しく、兄も試合中に怒鳴られた事もある。
野球未経験の僕の誤審を、いつもネタにして笑話にしてくれた。
その先生の指導のもと、次男達が優勝してから数ヶ月後。
ある噂があった。
先生、転任になるらしいよ。
と。
僕は直接先生にメールしてみた。
すぐに電話がかかり、先生は泣いていた。
「すいません。転任になりました。」
僕も泣いて次男も落ち込んだ。
ここから、次男は意外な行動に出た。
「残りの試合、全部勝てば、先生は転任にならないかもしれない」
そんなバカな話あるか、と思ったが、やる気の次男を止める気もなかった。
練習試合でホームにヘッドスライディングで突っ込んで来る次男。
アウトの宣告をされるが、
『タッチされてない!』
と猛抗議する。
見ると、次男の額からは血が流れている。
判定が覆る事はないが、とにかくガムシャラに点を取りに行く。
勝ち負けを繰り返したが、当たり前だが先生の転任が代わる事はなかった。
僕は転任の日の朝、学校に行き、先生に最後の挨拶をした。
先生はまた、泣いていた。
「今度は、先生と保護者、じゃなくて、家族で付き合いしましょうね!」と約束した。
今でも連絡を取り合い、子供2人の心配もしてくれている。
監督がかわり、次男達は勝てなくなった。
もちろん、新しい監督がいいとか、悪いとかではなく、馬が合うとか合わないという、感性の話だったような気がする。
もちろん、スポーツの結果を誰かのせいにしても、なんの意味もない。
自分自身が、そこでどれたけ成長できるか、なんだと思う。
前監督に言うと、「だけど、野球知らないんすよね?笑」って、笑われるかもしれないけど。
続きます。
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