「僕と野球と息子の日記」⑩

長男が中学1年生の時の話。

いよいよ長男の中学野球が始まった。

小学生時代、試合の出場機会は少なく、いつもランナーコーチをしていた。

中学ももしかしたら、この延長なのかな…
そんな不安が僕に押し寄せる。

しかし、運のいい事に、長男が得意なセカンドは、あまりやりたがる人がいなかった。

長男は地道に努力を重ねて、これはもうすぐ行われる1年生大会、先発入りかも!!
くらいの雰囲気だった。


ある日の仕事の帰り道。
突然鳴った携帯電話。

嫁からだった。

「長男君が、練習中に怪我したみたい」

慌てて中学に向かう。
保健室にいた長男の小指は、ありえない方向に曲がっていた。

「病院に連れて行って下さい」
どうやら、中学のベースは固定式で、ヘッドスライディングした時に、ベースに指をぶつけたらしい。

病院に行く車の中で長男は泣いていた。
それは痛いからではなく、1年生大会に出れないかもしれないからだった。

小学生の頃、中々試合に出れず、苦しかった日々。
今まさに、先発でいけるかも!と、手答えを感じていた時の怪我。

僕は「大丈夫。折れてないよ。1年大会にはきっと出れるさ。」と声を掛けてやる事しか出来なかった。

病院に着く。
診察で先生に聞くと
「レントゲンの結果待ちですが、おそらく手術を別の病院で行うでしょう。野球の大会には間に合わないでしょう…」

小指は骨折していた。
長男は悔しくて泣いていた。

レントゲンの結果が出て、また診察室に呼ばれる。

「やっぱり折れてますが…麻酔をして、引っ張って固定してみましょう」

手術ではない方法でいけそうなのでやってみてくれるとの事。

手術なら完全に間に合わなかった大会に、長男は先生のおかげで間に合った。

その後、順調に回復し、1年生大会に見事先発出場出来た長男。

そして、なんと1年生大会優勝という、快挙をなしとげました!


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