僕と息子と野球の日記⑮


冬の厳しいトレーニングが終わる。

次男は中学生の時も得意としていた外野手
として、定着していた。

2年前、長男が言った言葉を思い出す。
「最後の夏はね、みんなグローブをオーダーしてた。
でもね、ウチはお金ないから、俺はいいんだ。
ただ、次男の時は、作ってやってくれないかな?」

びっくりした。
こんなに弟思いだったのか。
自分はいいけど、次男にはしてあげて欲しいとか…

嫁は泣いていた。

時は過ぎ、次男の冬が明けた頃。
長男との約束を守るため、外野手用グローブをオーダーしに行く。

確かに高い…
いや、これでいいのだ。
これは長男を含む、ウチの家族の想いなのだ。

グローブに刺繍を入れる。
その言葉は
「番狂わせ」

いいね。俺達は、いつもチャレンジャーだ。


グローブも届き、使い慣れて来た5月頃、
まさかの展開がおこる。


なんと…


次男が任されたのは…



セカンドだった


内野やんけ!!

あれだけ先輩と一緒に出たくて
練習したものの、勝ち取れなかった
セカンドやんけ!!

外野やったんちゃうんか!!!
先生!オーダーしたグローブは七万円しました!!



……いや、いいんだ。
同学年でもスタメンで出れない子もいる。
贅沢な事は言えない。


そんなこんなで、あっと言う間に地区予選ははじまる。

きっと終わる時も、あっと言う間なんだろうな。



続きます。

#高校野球
#甲子園予選


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