「僕と野球と息子の日記」②


1週間が過ぎた。
長男は言った。
「野球に入りたい」

わかった。小学3年生とはいえ、1週間考えた結末だ。
わかりやすい。

ならば野球嫌いな私も、腹をくくるしかない。
小学校時代、牛乳が嫌いで給食の牛乳を残して、先生が
「誰だ!牛乳を残したのは!」とご立腹になり、名乗りでないと帰れない、そんな空気の時に腹をくくった、あの日の気分だ。

「とりあえず、体験入部があるらしい。行ってみるか…?」

息子を連れて、スポーツ少年団の使用しているグランドへ歩く。

グランドに到着したが、まだ練習前の感じだったが、すでに同級生は何人も来ていた。

「おー!!お前、来たのか!!」
長男を見つけた同級生達が近づく。

その数の多さにびっくりする。
5、6人はいただろうか。
私は小学校の時、友達はいなくて、キン消しだけが友達だった。

キン消しの数は、だいたい100体くらい。
長男のスポーツ少年団の友達、5、6人。

試合に勝って勝負に負けた、という言葉はこの日の為に学んだんだろうか…

(こいつ、学校ではうまく友達作ってんだな…)

これが私の素直な感想だった。
もう、野球部に入れてやろう。
こいつなら上手くやれる。
単純にそう思った。

数日後に入部届けを出し、長男は野球少年になった。

嫌いだった野球。
ルールも知らない野球。
この日から、僕達家族の生活は大きく変化して行く事になった。


続きます。

#野球
#親子の話


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