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解剖学

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カーフレイズ ー環境設定による効果の違いと臨床応用ー

カーフレイズ ー環境設定による効果の違いと臨床応用ー

カーフレイズとは?カーフレイズは「Calf=ふくらはぎ」「Raise:持ち上げる」という意味合いがあり、下腿三頭筋の筋力強化を主目的としたエクササイズのことです。

我々理学療法士としては、アスリートから高齢者まで幅広く活用することができ、汎用性の高いエクササイズの1つとして重宝しているかと思います。

ただここで「カーフレイズ=下腿三頭筋の筋トレ」と考えてしまうと少しもったいないです。

という

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肩甲骨位置を決めるキーマッスルとは?

肩甲骨位置を決めるキーマッスルとは?

📖 文献情報 と 抄録和訳肩甲骨安定筋の筋力が肩甲骨の位置に与える影響について

[背景・目的] 肩甲骨のメカニクスを維持することは、上肢の機能性と姿勢にとって重要である。肩甲骨安定筋が肩甲骨の位置にどの程度影響を与えるかを明らかにすることは、肩甲骨ジスキネシス患者のための運動プログラムを作成する際の指針となる。仮説:上腕骨挙上時の肩甲骨位置について、前鋸筋(serratus anterior,

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身体活動 (走る)により、腱鞘の滑液が増加する可能性

身体活動 (走る)により、腱鞘の滑液が増加する可能性

📖 文献情報 と 抄録和訳身体活動によって足首の腱鞘の滑液が増加する:MR基準の調整が必要である

[背景・目的] ランニングの前後で足首の滑膜鞘の液量を比較すること。我々の仮説は、この量は増加し、通常許容される閾値を身体活動後に調整する必要があるというものであった。

[方法] 健常者21名(n = 42足首)がトレッドミルで40分間走った。ランニングの前後に足首専用コイルを用いた3T-MRI

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ジャンパー膝・膝蓋腱炎(Patella Tendinopathy)に対するアプローチ❶

ジャンパー膝・膝蓋腱炎(Patella Tendinopathy)に対するアプローチ❶

膝蓋腱炎(Patella Tendinopathy)とは?バレーやバスケットボール選手などジャンプを要するスポーツでよく見ることから通称ジャンパー膝と呼ばれている。

NBA内でも1位2位を争う怪我の一つがこの膝蓋腱炎です。

膝蓋腱炎とはいわゆる、慢性的な適切でない負荷が繰り返しかかることによって起きる怪我です。
ダメージや負荷に対する腱組織のリカバリーとのバランスが間に合わず、腱組織の非健康的

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スクワットのしゃがみを理解する為に必要な寛骨臼と大腿骨の構造的多様性の基本

スクワットのしゃがみを理解する為に必要な寛骨臼と大腿骨の構造的多様性の基本

【はじめに】「スクワットで上手くしゃがめない…」

「スクワットで足幅やつま先の向きが完全に迷子になっている…」

「スクワットをし始めて腰、膝になんか違和感を感じる…」

こんなお悩みありませんか!?

この問題を放置するとスクワットの重量が伸び悩むどころか、腰や膝の故障に繋がりかねません!!

実はスクワットのケガの多くは股関節が要因になっていることが少なくありません!

ということは股関節の

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足のコアマッスルシステム

足のコアマッスルシステム

2010年前半くらいから足の内在筋を体幹部のようにコアマッスルと表現を文献などで行われるようになりました。

腰部などのように細かな固有感覚に影響するトニックマッスル(いわゆる遅筋)が多く存在しているという事もあるでしょう。

またそのような筋はダイナミックに動くというよりも体の安定性を担うともされています。

そのセグメンタルスタビリティと言われる個々の安定性が体の機能的な働きに大きな影響を及ぼ

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