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小説 永遠に0(第三回)
裁判で判決が出てから14日間は、上訴期間なので控訴できるが、俺はしなかった。求刑1年に対して裁判官が出すことができる最低刑は6月だが、俺の判決は懲役7月だったからだ。「これ以上まかることはない」看守が言った。
「ずいぶんまかりましたね」裁判所の待機所でいっしょだった奴に言われた。情状酌量など無かったから、ひょっとすると弁当持ちで刑が長くなることを避けたのかもしれない。
起訴されて被疑者から被告
小説 永遠に0(第二回)
逮捕されて16日後、俺は起訴された。現在の裁判制度では起訴イコール有罪だ。奇跡的に無罪になるものは、ドラマでは99.9と言っていたが、実際には10000件に2件しかない。
起訴されて公判日が決まると、拘置所に移送される。拘置所では初めに手紙セットが売っているが、ゼロ銭にはもちろん買えない。弁護士への連絡が週一回FAXでできるのみだ。
拘置所は服装が割と自由なので、冷暖房完備の中、皆Tシャツ