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#創作大賞感想|片手間じゃない文章に嫉妬する「メリー・モナークin大原田」を読んで
文章を書くくせに、小説も書くくせに
感想文は苦手なしげねえさんです。
文才ってどうやったら手に入るんでしょうね。と思います。
私の思う文才の定義は
『興味関心の持てることじゃないものに、興味を抱かせる才能』の事ではないかと思っています。例えば野球の小説を読んだら野球にハマった!みたいなものを文才だと思うのです。
そんな文才の持ち主のとき子さんが、創作大賞に恋愛小説部門でエントリーされました。上
【創作大賞感想】王道が1番難しくて1番素晴らしいのだ!
【大団円】、この言葉を一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。
映画や小説などの最後の場面で物語の全てが上手くいき素晴らしい結末を迎えることを言います。作者も読者もみんな幸せになるいわゆるハッピーエンドというヤツです。
ただ一方で人によってはこうしたハッピーエンドではなく、奇を衒った作品を好む人もいます。
僕は基本的にハッピーエンドの作品が好きですが、それでも一辺倒なよくあるめでたしめでた
あとがきにて曲をお届けです!
終わった…書き終わりましたよう!
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます!
まさか、毎日更新になるとは思いもかけず。
いやだって、早くラストを書かないと、不安でたまらなかったんですもの。
何が不安て?
「恋愛始まらねーぞこんちくしょう!」
という、私の気持ちや、その他あれやこれや、とにかく不安。
創作大賞、始まったら絶対参加するんだーい!と思ってました。
それで、前回の見切り発車を反
メリー・モナークin大原田 最終話
「……という、フラッシュモブの主役をかっさらう、全く空気が読めない男です!」
真咲の話に、会場がどっと笑いに包まれる。
「しかも、一度はフってしまう姉ちゃんも、空気が読めない女です!」
あの日、ピンクのレイを持って走ってきた友也くんに、私は心の底からギョッとした。落ち着け友也、よく考えろ、私たちは、まだ2回しか会った事がない!
男女それぞれが遠方に住むため、合同練習の時間が取れず、リモート
メリー・モナークin大原田 第十二話
その日は朝から晴れていた。5月にしては少し暑すぎるんじゃないかという日差しに反して、潮風は冷たさを含んだ心地のいいものだった。
医療用ウィッグコレクションは2つに増えていた。ひとつはニット帽用、ひとつは、昼寝から起きた時に、慌てて着ける用だと言う。今日は、薄いブルーのコットンニットの帽子に、クルンとカールされたウィッグが覗いていた。
念の為にと姉ちゃんが先生に確認を取ったら、「風邪だけは絶対
メリー・モナークin大原田 第十一話
「これを完璧にできたら」
円花さんの出している紙は、いわゆる振り表というもので、フラダンスの振り付けが、歌詞と共に描かれているものだった。パッと見ただけでも、それがペアの動きのものであるのがわかる。
「……花花の!」
先に反応したのは友也だった。姉ちゃんは動かない。
「……そこまでの勘は戻らないよ」
円花さんから目を逸らす姉ちゃんは、いつもの姉ちゃんではない。あの日の姉ちゃんだ。
「どうして
メリー・モナークin大原田 第十話
「花乃さんの家は、夜に洗濯するんですね」
和室の隣の縁側にあたる廊下で洗濯物を干していると、友也くんが和室の入り口から申し訳なさそうに首を出して話しかけてきた。
「うん、お母さんがフルタイムしてた頃からの名残で。ここに干しとけば、日中も日があたるしね。ていうか、どした? 入っていいよ?」
そういうと、
「いや、洗濯物はお手伝いしない方がいいかなって」
照れくさそうに、細い目の際を掻いている。
メリー・モナークin大原田 第九話
寒さが緩む日がふっと訪れて、春が来たかと気持ちも緩む。その頃合いを見計らってか、「まだ油断するなよ?」と言わんばかりに寒風吹きすさび、勝手に裏切られた気持ちになってくしゃみをひとつ。梅の木に雪がちらついています、というニュースが流れた頃、いよいよ母さんの脱毛が始まった。それに備えて、ベリーショートになっている。
こないだ不意に思い出した、腰までロングヘアーだった母さんの後ろ姿を思い出す。くるく
メリー・モナークin大原田 第八話
「『あの花花』って、アイドルグループじゃあるまいし……」
私は、画面に映る3人の青年たちの顔を眺めながら顔を顰める。
ちょうど、リモート業務が終わった時にビデオ通話が来たので、つい出てしまった。真咲がドアップで
「姉ちゃん、姉ちゃん!」
と叫んでいる。いい歳して5歳も離れた姉に、そんな嬉しそうにビデオ通話をするかねぇと呆れていると、後ろから、ポワポワとした素朴な顔をした青年が
「ああああ!
メリー・モナークin大原田 第七話
4月に披露する舞空の練習を終えたあと、恩田先輩に我が家の事情を話すと、思った以上に真剣な顔で聞いてくれた。我が家の一大事というところまでは説明していた友也も、隣で一緒に頷いている。フラダンスの説明のくだりで口をポカンと開けていたが、当然の反応だとスルーした。最後まで全部頷いていてくれた恩田先輩も
「で、どうしてもフラダンス? 俺たちの舞空だとダメなのか?」
と、腕を一本は真横に、一本は胸の前に
メリー・モナークin大原田 第六話
工藤円花の家は、木々の向こうに遠く、海が見える。あの、ほんの少しだけしか見えない水平線に、それでも心が奪われるのは、ここが円花の家だからなのだろうか。
玄関横には広々としたウッドデッキがあって、十数名ほどならそこで踊れるだけの広さがあった。青空の下で踊れる贅沢な作りだ。そこから続く室内は大きな掃き出し窓になっていて、白い壁に囲まれた空間が広がっている。まさに理想のレッスン室だった。
「ちょっと
メリー・モナークin大原田 第五話
姉ちゃんが、しばらく実家にいると聞いて少し安心した。
本当なら大学生の俺の方がよっぽど暇だと思うのだが、正直、俺と父さんでタッグを組んだところで、母さんを悩ませるだけな気がする。さらに俺の部屋の混沌具合を知ったら母さんの病状は悪化するに違いない。病気の人にそこを連想させるのはリスキーすぎる。
姉ちゃんに感謝しつつ、今後の母さんの入院や、手術の日程、薬物療法の予定を、帰る前におおまかに家族で共