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【推したい創作大賞応募作品✨】とき子さんの連載小説「メリー・モナークin大原田」



とき子さんの連載小説「メリー・モナークin大原田」(全13話)を最終話まで拝読しました。

第一話を読み始めたら、すっかりはまってしまって!
毎日の更新が待ち遠しく、とても幸せな2週間を過ごさせていただきました✨

この作品は、癌が発覚し、余命宣告を受けたお母さんのために、お母さんが志半ばで諦めたフラダンスの世界を「フラッシュモブ」+「フラ(ダンス)」という形でサプライズ披露しよう! と奮闘する家族の物語。
家族のみならず、長女・花乃の少女時代のフランダンス仲間や、長男・真咲まさきの空手仲間たちも巻き込んで、壮大な「メリー・モナーク」を実現させようとします(もちろん、お母さんには内緒で)。

ひとことで言えば、「家族の愛と絆の物語」
けれど読後には、その言葉には入りきらない、もっともっと大きなものを感じることができます。

作品のタイトルにもなっている「メリー・モナーク」は、毎年ハワイで行われているフラ最高峰の競技会。イースターの頃に、一週間に渡って盛大に行われるフェスティバルなのだとか。
19世紀の後半、キリスト教宣教師によりフラが禁止されていた時代に、フラを復活させたカラカウア王が「メリー・モナーク」(陽気な君主)と呼ばれていたことに由来するそうです(Wikipedia参照)。

もしかすると、あらすじから「病気になった母親とその家族の辛さや苦しさが描かれているのではないか」と想像する方もいるかもしれませんが、
この物語は「メリー・モナーク」というタイトルの通り、明るく、強く、温かく、大原田家や彼らと繋がる人々の様子が描かれています。

もちろん、The・昭和の関白亭主な父親や、どこか「母親」というものに固定概念を持つ真咲(長男)、家族に対してもフラに対しても複雑な思いを抱える花乃(長女)など、それぞれに問題や葛藤はあるのだけれど、
それでも物語の中の人物たちは皆、感情豊かで生命力にあふれているのです。

そして、この作品で忘れてはいけないのが、物語に登場するフラの音楽やダンス。
(とき子さんの「あとがき」の記事では、物語に登場したフラの動画をご紹介くださっているので必見です👀✨)

ひと言で「フラ」と言っても、
古典フラから現代フラ、しっとりとしたメロディーから軽快な明るいメロディーまで、表現は様々なんですね。
(全く知らなかった……!)

神に祈り、大切な人を想い、自然を謳う──。

そこには見えない大きな愛で包まれているような世界がありました。

物語を通してフラを聴き、ダンスを観ていると、不思議と幸せな気持ちになります。
もしかしたら、便利な社会に暮らしていると時々忘れてしまうこと、
たとえば、私たちの命や全ての繋がりが自然の中に巡っていることを「フラ」は思い出させてくれるのかもしれません。


さて、とき子さんの「メリー・モナークin大原田」を読んで、私はもう何度泣いたか分かりません。

笑って、怒って、泣いて。
当たり前の感情を感じられることの幸せに、改めて気づくことができました。

ぜひぜひ、皆さんも「メリー・モナーク」の世界に浸ってみてくださいね🌈

No rain, no rainbow.

大変なことがあっても、きっと乗り越え方は選ぶことができる。




※ヘッダーイラストは、雫とコンパスさんの作品をお借りしました。

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