今日も明日もあさっても「いってらっしゃい」
大切にしている言葉がある。
「ありがとう」「ごめんね」
そして、「いってらっしゃい」だ。
まだ私が小さい頃の話。
父は毎朝6時半に出勤していた。母は必ず「ほら、おいで」と私を呼ぶ。眠たい目をこすりながら玄関まで行くと、そこには靴を履く父と、どでかい保温タイプの弁当箱を持つ母。私は母が「いってらっしゃい」と言いながら父に弁当箱を渡すのを見つめる。ふんわりと、お弁当の良いにおいがした。
母に促されながら、私も「いってらっしゃい」と言う。父は昔堅気の無口おやじなので「いってきま