シェア
お茶
2021年3月14日 05:03
うだつの上がらない日々、家でも一人、職場でも一人、社会的にも一人。ひとりぼっちの延長線に生活が偶然あるような閉ざされた春、遂にわたしはマッチングアプリをインストールした。おしゃべりロボットを買う財力はなくて、犬や猫のいのちを預かるほどの懐はなくて、植物を育てるのは何だか味気なくて、やっぱり私は人間だから、人間と会話をしてみたいと思った。「いちばん出会える」と口コミで評判のマッチングアプリは、「
lune
2021年3月30日 23:07
自分のことを「僕」と呼ぶ人だった。背が高く、優しい雰囲気を纏いながら、向上心は高く、自分の意見をはっきり言える人だった。大学3年生のときに履修した授業は、30人弱のクラスで、ディスカッションが多かった。そこで、1つ年下の彼と知り合った。共通の知り合いを通して、その授業の間、彼と話すことがなんとなく増えた。適度な距離感で、挨拶程度に言葉を交わす時もあれば、授業の合間を見てプライベートの話をす
2021年3月18日 22:09
人は、過去の恋愛をどれくらい覚えているものなのだろうか?私は大学生のとき、3年付き合った彼氏がいた。もうあの頃の愛はないけれど、今でも鮮明に覚えている。とても真っ直ぐな、熱い恋だった。大学生という、責任を問われない大人という身分は、とても自由だと今でも感じる。夢を語ることを限りなく許され、未来を無限に想像できる。お金は十分にはないが、時間だけが有り余り、好きなことを好きなだけできる
misaki
2021年3月21日 00:27
少し勇気を出して画面に向かっている。書くべきかどうか悩んだのだけど、自分の中である程度整理もできたことだし、未来の自分に向けて書こうと思う。この決断を後悔してしまわないために。そして、これまで彼へ抱いた沢山の感情をここに置いて、もう全て終わりにするために。事の発端は数週間前、元恋人と再会したことだった。背格好も、話し方も笑った顔も、彼は何も変わっていなかった。久しぶり、可愛
愛でる
2021年3月25日 19:10
今年も桜が咲いてしまった。いつか桜並木の下で君と並んで歩いたとき、私はどうしても君と手を繋ぎたかったのだけど、だけど私はどうしても、すぐ隣にあるその手を掴むことができなかった。散り始めている桜たちは、寂しさを仕舞い込むにはあまりにも美しくて、私はほとほと困ってしまう。たった10cm、こんなに近くにある愛しいものに触れることができないのに、どうして私は桜なんて見上げているんだろう。何かのせ