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コンビニの店長(オーナー)とは、経営者であり管理職でもある

こんばんは、アドバイザーのこうたです(肩書きが変わりました)。

知り合いのコンビニオーナーさんが死にかけて相談をされたことをきっかけに、記事を作成してみました。


コンビニは、うまくいけば不労所得者になれます。

それを夢見て挑戦する人も少なくなく、結果的に借金だけを作って諦める人も少なくありません。

私が関わった2人のオーナーを例に、その辺のお話をしたいと思います。





1.コンビニは経営ノウハウを教えてくれない

長い時間をかけて、洗脳という名の研修は行われます。

最低限の基礎知識は教えられますが、それは経営とは言えない内容です。


そして何よりも、オーナーは本部の意向に逆らえません。

逆らうと不遇な扱いをされてしまうので、明らかにマイナスを作ると分かっていても、その選択を強いられてしまいます。


分かりやすい例で言えば、おでんと肉まんです。

冬の定番商品ですが、本部は夏にも販売しろと指示します。

しかし食べ物なので、温めてから規定の時間を過ぎれば廃棄しなければなりません。

廃棄システムがなかったとしても、1日に1個売れることすら場所によっては稀。


つまり、廃棄前提の指示になります。

背景としては、コンビニは24時間365日商品を揃えるのが存在意義であるため、夏でも冬の定番商品を陳列する必要があるから。

この時点で経営ではありません。





2.部下は学生であり、どうしようもない元社会人であり、外国人

※全員がそうだと断定するわけではありません


社会人の部下ですら、言うことを聞かない、舐めた態度をとる、よくサボるなどの問題行動に悩まされます。

コンビニはその対象が学生であり、社会人を辞めた人、社会人経験すらない大人、外国人なのです。


ベテランの社会人ですら困難なジャンルを、経営の苦手な人が担当することになります。

たとえオーナーに社会人経験があったとしても、これだけ豊富なバリエーションの経験はないでしょう。

しかもスタッフの教育など一部の業務で、他にも大変なことがたくさんあります。



欲しいのは右腕となる人。

でも悲しいかな。

右腕になりうる人は、いずれ独立する定めにあります。


パートさんがよく候補に上がりますが、扱いを間違えると全員がオーナーの敵に回ります。

オーナーとは上司なはずですが、ヒエラルキーは最も下なのです。



なぜなら、バイトはいくらでも簡単に辞められるから。

そしてオーナーは、辞められる恐怖と天秤にかけて下手にでます。


72時間の連続勤務なんて普通です。

朝も昼も夜もありません。


だからオーナーにとって、スタッフが減ることが何よりも恐怖なのです。





3.オーナーAの場合

言わば、コンビニのおぼっちゃま。

元々ご両親がオーナーとして店舗を構え、引退すると同時に息子の自分に権利を譲渡されたオーナーです。


その息子さんも結婚されているので、計4人の人件費削減要員がいるわけです。

ご両親も引退したとはいえ、元オーナーとして人件費削減に自分たちが手伝うことが合理的なのを知っています。

しかも息子夫婦のためと考えれば、ほぼタダ同然に付き合ってくれるのは自然です。


スタッフがいないとオーナーが苦しむから切れない、でも人件費削減のため無駄に増やせないジレンマに悩むことがない理想の形態です。



さて、そんな息子さん。

就任して最初に行ったのは、改革でした。

どうやら父親のやり方にずっと疑問を持っていたらしく、スタッフへの指導に力を入れて全体の改善に取り組みました。


コンビニって朝と夜勤の人材に困るものですが、非常に優秀な人材だったと思います。

確かに経営している私の目から見れば、舐めているところは散見されます。

でもコンビニのスタッフとしては充分だったと思います。



奥様も妊娠され、より悪い方向へ熱心になった。

しかもご家庭が忙しくて満足に店舗へも来られなくなる。

その時間帯の人員が少ないのに帰る。

オーナーとしてあるまじき行為でした。

これ、就任して2年目に入ったくらいのことです。



管理職としても経営者としても最悪です。

結果、3年目に入る前にスタッフの多くが辞め、派遣会社に頼ることになってしまいました。

派遣会社はお金がかかりますからね。



彼の失敗は、スタッフの心理を理解しようとしなかったこと。

本当の苦労を知らずにオーナーとなり、調子に乗ってしまったこと。





4.オーナーBの場合

元サラリーマンが、コンビニの理想に憧れて始めた方です。

お兄さんがすでにコンビニでオーナーをしており、2店舗を構えながらも不労所得者として大成功を収めていたがゆえの勘違い。


奥様が副店長で、小・中学生の娘さんが2人いました。

なかなかの決断です。

奥様とガチ喧嘩したとのこと。

当然です笑



オーナーはすごく優しい方で、この人のために頑張ろうと思えるような人柄でした。

舐めたスタッフは少なからずいますが、パートさんなどの大人の方は非常に協力的でした。



こちらのオーナーさんの問題点は2つ。

一つは、本部のイエスマンになったこと

経営素人が聞いてもありえない指示ばかりで、廃棄の大半が担当営業によるものです。

コンビニは担当営業の当たり外れが激しく、この担当によって左右されると言っても過言ではありません。

ノウハウもないオーナーからしたら、無能でも営業に頼るしかないからです。


これが弱者の現実と言えましょう。



もう一つが、奥様にありました

実はオーナーに人気はあったのですが、その奥様がなかなかの曲者。

偏見イメージで申し訳ありませんが、PTAの会長をやってご近所に顔が利くボスタイプ。

コンビニでも影のボスに位置していました。

いわゆる噂話で人をけなすんですね。


先程、オーナーたちはヒエラルキーが低いと言いましたが、このタイプには当てはまりません。

なぜなら、自分の行動で人が辞めるなんて思ってもいないから。

というより、辞めても気にしないでしょう。


そしてスタッフへの好き嫌いが露骨なので、むしろスタッフが奥様にご機嫌取りをしなければなりません。

学生はそれほど気にしないものの、パートさんが持ちませんでした。



そして経営も壊滅的なので、開業資金の借金も消えず、月の給与もサラリーマンの初任給並み。

50代の男性の給与です。





5.冷静に分析し、知識者に助言を乞おう

問題なのは、何年経ってもオーナーが素人なことです。

良い担当営業に当たると学びがありますけど、運なのでアテにしてはいけません。


知り合いに管理職や経営者がいるなら、コンビニの経験がなくても助言を乞う価値はあります。

そして何が問題なのか、どう改善すべきかが分からないなんてことはないはず。

分からないのは、その方法なだけ。



サラリーマンだって、手探りで失敗と成功を繰り返して成長します。

コンビニの唯一の利点は、ある程度試行錯誤ができること。

そう簡単にクビにはなりません。

いくらでもリスタートできますから、試行と思考を諦めずにトライすることを心がけてください。


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