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自己肯定と自己否定の先にあるもの
先日、行きつけのフリー雀荘の近くにある24時間営業のファミレスにいた時の話である。夜昼逆転してしまった自分は、ノートPCを担いで0時を回った時刻に入ると、「これから数時間仕事して、飽きたら雀荘に行こう」などと不埒なことを考えながら、隅の方の席で何やらやっていた。すると、近くの席にいた若い男女(カップルか友人かはわからない)の話が耳に入ってきた。
「今さ、人生にも仕事にも何一つ不満はないし、本当
ゴーストライター取材の極意
先日、仕事で少々厄介な人物に会った。幼少時から母親に壮絶な虐待を受けてきた30代の女性で、若くして癌になったり、様々な苦労の末に結婚し、子供を生んで育てているという。その半生記を自費出版で本にするにあたってゴーストライターに任せることになり、私に声がかかったわけだが、「そのライターに任せるかは、会ってから判断する」などと言っているらしい。
自費出版系のゴーストの仕事では、こういうケースは実は、
タルコフスキー作品の創造的流れとCGについて
昨年末から海外のボクシング目当てでWOWOWに再加入したが、民放のテレビがあまりにつまらないので、ついこちらを点けている。流れているのは大体アメリカの映画で、CG満載の派手なSFやアクションが主体である。
最初は面白がって観ていたが、ずっとそんな作品ばかりを観ているとCGも食傷気味になってくる。いくらよく出来ていても、やはりCGはCGであり、作り物なのだ。つまり、デジタルだなぁ、と思ってしまう
物語なき世界における愛の可能性:『桐島、部活やめるってよ』
◇レビュー
物語なき世界における愛の可能性
映画『桐島、部活やめるってよ』吉田大八監督 2012年
レンタルビデオ屋で何気なく借りたDVD(2013年当時)だったが、久々に映画的カタルシスを味わうことができた。正直、現代の商業主義に毒された映画業界で、これほどの作品に出会えるとは思ってもみなかった。ありがちな青春映画だろう、などと油断していたので、ふいを突かれて驚愕したほどである。
霊的女優・イレーヌ・ジャコブ論
《無我的観照》
霊的女優・イレーヌ・ジャコブ論
『トリコロール/赤の愛』クシシュトフ・キェシロフスキ監督
イレーヌ・ジャコブというフランスの女優をご存知だろうか。クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『二人のベロニカ』や、『トリコロール/赤の愛』といったアーティスティックな映画を見たことのある方なら、「ああ、あのちょっと童顔のぼんやりした雰囲気の美人女優さんね」というイメージくらいはある
◆対談 身心脱落体験
2011年11月12日 虎ノ門 某事務所にて
那智タケシ(作家・無我研代表)×高橋ヒロヤス(弁護士・翻訳家)
●30年間苦しんだ病が治る
高 ところで、那智さんの肉体的な病気というのは、身心脱落の体験で解決しちゃったんですか?
那 不思議なものですよね、消えたんですよ。ただ心身の状態が最悪の時は少しぶり返すこともあります。何か大きなストレスを受けていたり、ひどく疲れていたりね。とこ