那智タケシ

作家。MUGA表現研究会代表。 著作に『悟り系で行こう』(明窓出版)『二十一世紀の諸法…

那智タケシ

作家。MUGA表現研究会代表。 著作に『悟り系で行こう』(明窓出版)『二十一世紀の諸法無我』(ナチュラルスピリット) 『クリシュナムルティ解読』(KDP) ここではメルマガやブログに掲載した「悟り系エッセイ」「短編小説」などをブラッシュアップして載せていく予定です。

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クリシュナムルティ解読

10年振りに新刊を出しました。 今はKindleでも電子書籍と紙の本、両方出せると聞いて、月刊メルマガで2年間連載した「クリシュナムルティ解読」をブラッシュアップしてまとめたものです。 『クリシュナムルティ解読:自我を見つめれば、自由になれる』(KDP) https://amzn.asia/d/eVZJzrf 悩み、苦しみ、迷いに満ちた自我からあなたを根本的に解放し、内的な革命を起こすための決定的な入門書です。 名著『自我の終焉』をテキストに、20世紀を代表する哲人・

    • 神秘体験・自己浄化の方法と身心脱落について

      肉体的、及び心理的傷みとは何のためにあるのか? どうやったらそれは一人の人間から消えうせるのか? この大問題に対して、とある体験から一つの出口を見出したので、もしも肉体的病、及び極度の精神的苦悩がある方は参照にされたい。ただし、これは個人的な一例に過ぎないことを先に明記しておく。(2011年8月末のレポート) ●肉体的病の浄化について  自分は幼少期から30年間、ある慢性的病(呼吸器系の病とだけ言っておく)に苦しめられてきた人間で、拙著(『悟り系で行こう――「私」が終

      • 短編小説 超人K

        例外者たちシリーズ3  超人K  私がK君と遊んでいたのは、もう七、八年前のことになるだろうか。我々は無職の雀ゴロ(麻雀だけで暮らす人でなし)で、平日、休日問わず昼間っからいつもフリー雀荘に入り浸り、二人で打ち合っていたものだ。もちろん、お互いにつぶし合いは避けて、獲れるところからとっていたわけだが。  当時のK君と私の境遇は、瓜二つと言ってよいほどのものだった。いや、外見から経歴、性格、容姿と何から何まで対照的なほどに違っていたのだが、世界観や、麻雀に対する心構

        • 短編小説 秋

          例外者たちシリーズ2    秋  この季節になると思い出す人物がいる。秋のメランコリーに浸るわけではないが、街路樹が風に揺れ、金色の木の葉のシャワーを降らしているのを見ると、「あんな人がいたなぁ、今、どうしているのかなぁ」などと思うのだ。もちろん、たいがいの時は忘れているし、自分の人生の中でそれほど大きなウエイトを持った存在ではないのだが、どういうわけか、決して心の片隅から出ていかない人物というのがいるのである。  十二、三年ほど前のことである。定職にも就かず、博

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        クリシュナムルティ解読

          短編小説 白竜様

          例外者たちシリーズ1     白竜様  それはかの大貴族、藤原家の血を引くという家系の家だった。その夏、私はとある自費出版の単行本の取材で、愛知県のO市を訪れていた。依頼してきたのは、三年前に癌で奥様を亡くしたという中年の男だった。最愛の人物の思い出を形にして残したい。これは誰にでも共感できる人間的な心情であるだろう。本という形にするのにプロの手を借りるのは、別段、恥ずかしいことではない。取材の最終日、義理の娘を失った母親の話を聞くために、この古めかしくも高雅な佇まいを持

          短編小説 白竜様

          「リアリティ」とは何か? 

          よく、巷では「リアリティ」という言葉が使われる。それは映画や小説といった、フィクションの作品を評価するうえで「本物っぽい」という意味合いで使われるようだ。CGで作られた作品を見て、「あの恐竜、リアルだったよね」とか、恋愛ものの作品を見て、「リアリズムに徹していた」とか、そんな具合だろう。 さて、リアリティとは何だろう?  自分は「手に取れるもの」のだと考えている。いや、別に考えていないのだが、ある種の心が通じる人々と接していたり、夜中に一人で散歩をしている時に「これは

          「リアリティ」とは何か? 

          あなたは蟻ではなく、大鷲である

          「人から受けた心の傷が癒えないのです。フラッシュバックみたいにその時のイメージがよみがえってきて、毎晩、私を苦しめるんです」 とある人から、こんな相談を受けたことがある。 その人の苦しみの要点は二つある。一つは、傷が癒えるのかどうか、という不安。もう一つは、傷つけられた自分は傷ついたままで、傷つけた相手は、私を傷つけたことで優越感を持ったまま気持ちよく生きてゆくのか?という人生に対する不条理感である。 「自分のような弱者はいつも傷つけられ、踏みにじられて、踏みにじっ

          あなたは蟻ではなく、大鷲である

          一人の人間より大きなものはない

          古くからの友人であるデザイナー、Mさんの話です。10年ちょい前、彼女が22、3歳の時に会ったのですが、 「井の頭公演で朝、一人で瞑想してる」と言うのです。 金髪で、小柄な、(当時で言えば)モーニング娘にでもいそうな今風の子でした。 「なんで?」と聞くと、 「頭の中にノイズがあって、それを消したい。テレビの砂嵐みたいなやつ」 「それで一人で瞑想してるんだ?」 「うん、木の下でやってる」 話を聞くと、ラジニーシを読んでいたり、マジックマッシュルームを食べたとか(そう

          一人の人間より大きなものはない

          「身心脱落」とは、文字通り「脱落すること」である 

          かなり前の話だが、ゴーストライターの仕事で取材した高齢の女性から「船旅に行こう」と誘われたことがある。船旅と言っても「豪華客船で行く何日間の旅」とか、そんな派手なやつで、予算もすべて持ってくれる、と言う。「パソコンもあるから仕事もできるし、ビールも飲み放題だから」と熱心に誘ってくる。 彼女は、とある地方の老人ホームに一人で住んでいて、そこに行って泊まりがけで取材をして本にしたわけだが、何でも本音を口にしてしまう人使いが荒い性格だったから、現地ではたいへんなトラブルメーカー

          「身心脱落」とは、文字通り「脱落すること」である 

          note復活します

          久々新刊『クリシュナムルティ解読』を出したので、昨年、少しアート系でやっていたnoteを新しいアカウントで再開したいと思います。 ここでは主に、「悟り系の記事」「日常系エッセイ」「短編小説」等、私が主宰するMUGA表現研究会のメルマガで配信している過去記事や、ブログの記事、創作作品等をブラッシュアップしたものを掲載していきたいと思います。よろしくお願いします。(画像は、処女作『悟り系で行こう』の第1章扉・アイコンにもなっています)

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