加藤節雄

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加藤節雄のデボン通信ーはじめにー

 ロンドン、エジンバラと言った英国の都会は日本人にもよく知られているが、デボンとなると、知る人はほとんどいないと言ってよいであろう。もちろん英国に住んでいる日本…

加藤節雄
4か月前
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009 パブの食事がお薦め

 私が最初にロンドンに住みだした1970年には外食産業はあまり発達していなかった。レストランはあることはあったが、大体がインド料理か中国料理で、インド料理は水っぽい…

加藤節雄
2週間前
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008 ショッピング

 わが家の周辺の歩ける距離内には店舗は一軒もない。一番近いモアトンハムステッドの町までは約1マイル強、大体2kmぐらいある。道路を歩いて行けば20分ぐらいで着けるが…

加藤節雄
4週間前
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007. 日本への興味

私の住むデボンには、日本大使館や領事館もないし、ジャパン・ファンデーション、ジャパン・ハウス、大和ジャパンハウス、ジャパン・ソサエティーといった日本関係の公…

加藤節雄
1か月前
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006 ダートムア

 我が家はダートムア国立公園の中にある。国立公園の中にあるからと言って、特に住民税が高いとか、移動が制限されているということはない。ただ、家の窓枠の色を変えたり…

加藤節雄
2か月前
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加藤節雄のデボン通信

005 ブルーベルの森 我が家の庭に先にある小川に架かる橋を越えて羊のいるメドーを更に超えて行くと裏山に出る。山と言っても丘のようなもので、ここは森になっており、細…

加藤節雄
2か月前
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004 羊に囲まれて

我が家の近所はほとんどが牧場である。牧場と言っても牛とか馬ではなく、ほとんどが羊だ。我が家の庭の先の小川の反対側にも羊の牧場がある。農家は囲いのある牧場をたくさ…

加藤節雄
2か月前
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003. 隣人たち

 デボンの生活が始まった。2012年8月のことである。我々はロンドンの家もそのままにしているので、家財道具は一切持ってこなかった。そのためフライパンやソースパンを始…

加藤節雄
3か月前
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加藤節雄のデボン通信

002.ハウス・ハンティング 私はデボンに住む条件の一つとして、ロンドンの家も残し、必要な時には帰れるようにした。何しろ50年住んだ町である。仕事がらみの人や友達、…

加藤節雄
4か月前
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001.ロンドン脱出

 デボンは英国の大ブリテン島の西南端に近い位置にある。ロンドンからは約230マイル(360Km)、さらに先に行けばコーンウォールとなり、その先は大西洋、さらに先に進めばア…

加藤節雄
4か月前
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加藤節雄のデボン通信ーはじめにー

加藤節雄のデボン通信ーはじめにー

 ロンドン、エジンバラと言った英国の都会は日本人にもよく知られているが、デボンとなると、知る人はほとんどいないと言ってよいであろう。もちろん英国に住んでいる日本人には馴染みがあると思うが、日本から観光旅行でデボンへ来る人は稀である。
 デボンには豊かな自然とゆったりとして生活がある。そこにはロンドンの移民社会とは異なるイギリス人の営みがり、キリスト教のモラルに基づいた助け合いの精神が息づいている。

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009 パブの食事がお薦め

 私が最初にロンドンに住みだした1970年には外食産業はあまり発達していなかった。レストランはあることはあったが、大体がインド料理か中国料理で、インド料理は水っぽいカレー、チャイニーズはチョップ・スイと相場が決まっていた。フィッシュ&チップスの店もあったが、もっぱらテーク・アウエー専門だった。パブはもちろんあちこちにあったが、食事を出すパブはほとんどなかった。高級レストランもあることはあったが、値

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008 ショッピング

 わが家の周辺の歩ける距離内には店舗は一軒もない。一番近いモアトンハムステッドの町までは約1マイル強、大体2kmぐらいある。道路を歩いて行けば20分ぐらいで着けるが、狭い道路でその上歩道がないので危険である。車の通る道路とは別に自転車、歩行者専用の道路(Cycle Path)があるので、それを使うと歩いて30分ぐらいかかる。道路を車で行けばたった5分である。この町まで行けば、小さなスーパーから郵便

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007. 日本への興味

007. 日本への興味

私の住むデボンには、日本大使館や領事館もないし、ジャパン・ファンデーション、ジャパン・ハウス、大和ジャパンハウス、ジャパン・ソサエティーといった日本関係の公館や民間の日英交流機関は全くない。また、日本人の互恵組織である日本クラブや日本人会もないし、県人会や大学の同窓会も全然ない。日本企業がないのでそこで働く日本人もいないし、日本レストランも非日本人経営のチェーン店が大きな町に少しあるだけで

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006 ダートムア

 我が家はダートムア国立公園の中にある。国立公園の中にあるからと言って、特に住民税が高いとか、移動が制限されているということはない。ただ、家の窓枠の色を変えたり、建て増しをするためにはプランニング・パーミッション(建築許可)が必要だ。我が家の建物は約300年前にマナーハウスの納屋として建てらたもので、30年ぐらい前に住宅として売りに出された。前にも書いたが、大きな納屋を5軒に分けて売りに出し、買っ

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加藤節雄のデボン通信

005 ブルーベルの森 我が家の庭に先にある小川に架かる橋を越えて羊のいるメドーを更に超えて行くと裏山に出る。山と言っても丘のようなもので、ここは森になっており、細いフットパス(遊歩道)が通っている。この森はダートムア国立公園一部であり、森のメンテナンスは国立公園事務所が管理している。管理と言っても別に建物が建っているわけでもなく、危ない場所があるわけでもないので、時々倒れた木の片付けとか小径に生

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004 羊に囲まれて

我が家の近所はほとんどが牧場である。牧場と言っても牛とか馬ではなく、ほとんどが羊だ。我が家の庭の先の小川の反対側にも羊の牧場がある。農家は囲いのある牧場をたくさん持っており、羊が一つの牧場の草を食べ終わると、別の牧場へと移す。そして草が生えそろった頃にまた羊を戻す。こういったローテーションを繰り返すため、牧場が数か所必要となる。よく空き地の様になった牧草地を見かけるが、これは草が生えるのを待ってい

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003. 隣人たち

 デボンの生活が始まった。2012年8月のことである。我々はロンドンの家もそのままにしているので、家財道具は一切持ってこなかった。そのためフライパンやソースパンを始め、料理道具一式、テーブルや椅子を揃えなければならなかった。前のオーナーがAGAだけを置いて行った。重すぎて運べないのである。

 AGAはスエーデン製のクッカーで、熱盤によるフライパンや鍋の料理から、オーブン料理、お湯作りまで1台で賄

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加藤節雄のデボン通信

002.ハウス・ハンティング 私はデボンに住む条件の一つとして、ロンドンの家も残し、必要な時には帰れるようにした。何しろ50年住んだ町である。仕事がらみの人や友達、日本人コミュニティー等、一挙に切り捨てるわけにはいかない。定期的な仕事からは引退したものの、まだ友人がたくさんいるし、そんな簡単に「ハイ、サヨウナラ!」とはいかない。
 しかも、田舎の生活は初めてである。そこには何が待っているのか、何を

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001.ロンドン脱出

001.ロンドン脱出

 デボンは英国の大ブリテン島の西南端に近い位置にある。ロンドンからは約230マイル(360Km)、さらに先に行けばコーンウォールとなり、その先は大西洋、さらに先に進めばアメリカ大陸となる。

 英国は日本の様にたくさんの地方自治体から成り立っている。日本では県に相当する自治体が英国ではカウンティー(County)と呼ばれる。デボンもコーンウォールもカウンティーである。時々カウンティーのことをシャー

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