マガジンのカバー画像

蛸文(たこふみ)の読書記録

233
僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

【行動経済学の逆襲】行動経済学の発展を辿るドキュメント

【行動経済学の逆襲】行動経済学の発展を辿るドキュメント

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜行動経済学入門には他の本を〜最近もっぱら話題の行動経済学。
その行動経済学の中でも有名な「ナッジ」の提唱者の1人であるリチャード・セイラーが語る、行動経済学が経済学界で頭角を表すようになるまでの過程が描かれたドキュメントである。

なので、行動経済学の入門としては向いてはいない。ある程度行動経済学を知っている人であれば、行動経済学が1つの学問として確立するま

もっとみる
【サル化する世界】じっくりと時間をかけて考える人間に

【サル化する世界】じっくりと時間をかけて考える人間に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜相変わらずな内田先生〜高校生の頃に、現代文の授業か教師であった母の影響かは忘れたが、内田樹さんの書く文章が好きだった。以前読んだ「大人のいない世界」は久しぶりの内田樹さんの著書であり、それをきっかけにまた読み始めようと思ったのだった。

さて、本のタイトルからも分かる通り、内田樹さんはなかなか口の悪いおじさんである(笑)
しかし、僕としては世の中のモヤモヤを

もっとみる
【AIとBIはいかに人間を変えるのか】BIについて僕の中に生まれた新たな課題

【AIとBIはいかに人間を変えるのか】BIについて僕の中に生まれた新たな課題

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜実現可能性が高いユートピア〜以前読んだ「隷属なき道」でもそうだったように、AI(人工知能)とBI(ベーシックインカム)はセットで語られる事が多いように思う。

しかし、話の流れはそれぞれ異なり、「隷属なき道」では、「AI技術により雇用が失われる未来を救うのはベーシックインカムだ」という話であったが、本書では「AIとベーシックインカムが組み合わさる事で、人類の歴

もっとみる
【言ってはいけない 残酷すぎる真実】本の内容を鵜呑みにして行動してはいけない

【言ってはいけない 残酷すぎる真実】本の内容を鵜呑みにして行動してはいけない

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜正しい知識は良い知識とは限らない〜タイトルからしてかなり攻撃的で刺激的な本書。
話半分の娯楽的な本かと思いきや、意外と科学実験や研究を引用した内容で、科学的根拠に基づいた「真実」が書かれている(やや、著者にとって都合の良い方向に結論を持っていきがちな面はあったが…)。

犯罪を犯す可能性の高い人間の科学的な見つけ方や、知能や気質には遺伝的な人種の差異がある、など

もっとみる
【なぜ倒産】失敗にも法則なんて無いと思う

【なぜ倒産】失敗にも法則なんて無いと思う

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜「失敗の定石」を引き出す事を目指す〜この本は、倒産した23社の失敗事例を紹介する事で「失敗の定石」を引き出す事を目的としている。
本書の「はじめに」にはこんな文章がある。

成功事例は、再現性が低いものです。なぜなら、成功はいろいろな条件の組み合わせだからです。
(中略)
対して、失敗事例は再現性が高い。
(中略)
成功はいくつかの要因の組み合わせですが、失敗は

もっとみる