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大枝 岳志
2023年6月26日 11:46
先日、商店街を歩いていると「酒井商店」という小さなリサイクルショップが新しく開いているを見つけた。 店の中は狭く、あちらこちらにごちゃごちゃと物が積まれており、リサイクルショップというよりまるでゴミ屋敷のようであった。 これはすぐに潰れるだろうと思っていると、丸眼鏡を掛けた痩身の店主に声を掛けられた。「まだオープンしたばかりで、散らかっていてすいませんねー。そのうちキレイにしますから」
2022年7月25日 12:46
【前編はこちらから】 ミズナに告白されてしまった夜、家に帰ってもドキドキしっぱなしで眠ることが出来ず、結局次の日は一睡もしないまま出社した。 仕事中も無意識のうちにミズナのことが頭に浮かんでしまい、仕事に全く身が入らなかった。ぼんやりしていると、同僚の安居という熟女好きにポンと肩を叩かれた。「庄野、どうしたんだよ? にやにやしちまってよ」「お……おう、よくぞ聞いてくれた。なんとだな、実
2022年7月24日 11:14
「相原さん! ぼ、僕とお付き合いして下さい!」「はぁ? 無理」 そんな風に職場の相原さんに見事にフラれたこの日は、僕にとって記念すべき日になった。告白失敗数が晴れて三十回を数えたその夜、僕は盛大に泣いた。 中学の頃から僕は全くモテなかった。背は低い癖に眉は太く、身体も太り気味だし、そもそも女の子を前にした途端、緊張してしまってどうにも上手く話せないのだ。その癖、性欲ばかりは人一倍強いから、
2022年7月2日 17:50
暑い、あまりにも暑過ぎる。何故こうも外は暑いのだろうか? 小生は毎年夏になるとこの嫌ったらしいったらありゃしない暑さに参ってしまうんでござる。それに夏休みの時期になると巷に蔓延る学生共は欲棒、いやはや、欲望を剥き出しにして盛り猿のように番になり、街を闊歩し始めるではないか。あれも気に食わない。 今年で四十三になり、生涯独身を貫いて来た小生を少しは見習って欲しいものでござる。 さてさて、小生
2022年6月7日 13:27
六月十日。その日、五回目となるお母さんの命日を迎えていた。母子家庭で育った私は、大人になるとお母さんのことを疎ましく感じるようになった。お母さんは年齢を重ねるたびに物覚えが悪くなり、そのたびに私を頼った。更年期のせいでやたらと心配性になり、三十を越えても独身のままでいた私の将来をお母さんは異常なほど心配し、離れて暮らす私に日を追うごとに干渉するようになった。 彼氏はいるの? なんで作らないの?