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【ショートショート】 僕たちは売れない靴だった
コトさんは、かつて靴でした。
今は、駅のそばの路地裏で、小さな靴屋を営んでいます。
コトさんが靴だった頃、隣にはトコさんがいました。対になったスニーカーの、コトさんは右で、トコさんは左でした。
靴たちは、気に入られれば買われてゆき、履かれたり、あまり履かれなかったり、人間次第の運命です。
あまり外へ出られない靴は、暗闇で過ごすかわりに、人間並みの寿命を全うできましたし、頻繁に履かれる靴
【短歌】 真夜中の日々に
想像で嘲笑する他人の中にほんとの私は潜んでいない
“見つけた”と感じた。あれは夏だった。
悔しい日々をわらえたんだよ。
午前2時
月が沈んでゆきました
水平線に
夕陽のように
少しだけ浮いた真夜中の月日も、
君といたからお腹が空いた。
嘘のない時間だったよ
本当は泣いてた
勇気を茶化してごめん