【散文詩】 煌々とあの夜の公園
外へ出ると昼の暑さが嘘のように和らいでいて、この夏のはじまりだった。信号待ちの大通りで右を向く。夏の午後七時だけの空色。涼しい風が吹いた。前を見ると信号が青に変わっている。渡りきる前に点滅して、少し走る。暗くなるときは一瞬。音楽を聴く。同じ曲ばかり聴いている。そのうちに宵。書けるようになりたくてダサいくらい必死だった。歩いて知る。いつの間にかなくなってしまう店が多いのに、シルエットはあまり変わらない街並み。控えめに積まれたゴミ袋を烏が突いた跡。人が「つ」を描くようにして路上に