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読書日記

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自分が読んだ本の感想記録をまとめました
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【読書日記】最近読んで面白かった本をまとめて紹介する

【読書日記】最近読んで面白かった本をまとめて紹介する

もう2024年も半分に到達しようという今日、気づけばこのnoteを2024年になってから一度も更新していないことに気づく。

読書感想記録を書きたいときに書く目的で開設したnoteだったけれど、最近更新していなかったのは本を読んでいないわけではなく、むしろたくさん読んでいてアウトプットが追いついていないから。「この本面白かったからnoteに感想書くぞ!」と思っている間に、次から次へとそういう本が溜

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【読書日記】想像ラジオ / いとうせいこう

【読書日記】想像ラジオ / いとうせいこう

2023年8月11日 読了。

東日本大震災をテーマにした小説で、いとうせいこうとしても久しぶりに筆をとったフィクション小説だったとか。

以前参加した読書会のあとに参加者と色々と本の話をしていて話題に上がった本だったので、気になって読んでみたのだけれど、「いとうせいこうってただのおもしろサブカルおじさんじゃないんだな」と改めて思い知らされるほど良い本だった。

あらすじは、津波にさらわれて杉の木

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【読書日記】亡霊の地 / 陳思宏

【読書日記】亡霊の地 / 陳思宏

2023年7月8日 読了。

この本は、祖師ヶ谷大蔵の喫茶店「黒田珈琲」さんにて7月に行われた読書会の課題本となっていて、自分もこの読書会に参加させていただいた。

自分にとって生まれて初めての読書会参加だったのだけれど、とても素敵な読書会で、そのときの様子もnoteにまとめているのでぜひ読んでもらえたら嬉しい。

この記事にも書いた通り、初めての読書会にも関わらずとてもハードな内容の課題本で、一

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【読書日記】ゴールデンボーイ ─恐怖の四季 春夏編 / スティーヴン・キング

【読書日記】ゴールデンボーイ ─恐怖の四季 春夏編 / スティーヴン・キング

2023年4月4日 読了。

スティーヴン・キングが四季それぞれの中編を描いた作品集『恐怖の四季』のうち、春と夏の2作をまとめた文庫本がこの『ゴールデンボーイ ー恐怖の四季 春夏編』。この本には、春編として映画『ショーシャンクの空に』の原作である『刑務所のリタ・ヘイワース』と、夏編として『ゴールデンボーイ』という中編が収録されている。

『刑務所のリタ・ヘイワース』があまりにも素晴らしく、自分が映

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【読書日記】まとまらない言葉を生きる / 荒井裕樹

【読書日記】まとまらない言葉を生きる / 荒井裕樹

2023年6月25日 読了。

普段小説ばかり読んでいる自分が、小説以外の本も読みたいなと思って手に取ったのがこの本。

最近は自分の心との向き合いがとても大切だと思っていて、小説も良いけれどそれ以外の、哲学や心理学、社会に関すること、そういった本を読んでみたいと考え始めていたのだけれど、何から手を付けてよいかわからずにいた。

そんなとき、noteでたまたま見つけたとある選書サービスが気になって

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【読書日記】「ショーシャンクの空に」原作『刑務所のリタ・ヘイワース』を読んで

【読書日記】「ショーシャンクの空に」原作『刑務所のリタ・ヘイワース』を読んで

スティーヴン・キングの『ゴールデン・ボーイ -恐怖の四季 春夏編』を読んだ。春夏秋冬それぞれの中編小説からなる作品集『恐怖の四季』の春夏編にあたる文庫で、秋冬編は『スタンド・バイ・ミー』という副題を冠し、映画が有名な同名作品を収録している。本来の順番としては春夏編が先なのだが、日本では『スタンド・バイ・ミー』の映画公開に合わせて秋冬編が先に文庫化されていて、自分も秋冬編を先に読んでいた。

春編は

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【読書日記】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 / 若林正恭

【読書日記】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 / 若林正恭

2023年5月27日 読了。

お笑いコンビ「オードリー」の若林さんによるエッセイ。若林さんのエッセイは以前『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読んだことがあり、オードリーのことを何も知らない自分だったがそのひねくれた視点に共感しまくってとても好感を持った。

この本は若林さんがキューバ、モンゴル、アイスランドにそれぞれ一人旅をしたときの様子が綴られた、いわゆる「旅エッセイ」だ。初版発行は201

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【読書日記】街とその不確かな壁 / 村上春樹

【読書日記】街とその不確かな壁 / 村上春樹

2023年5月22日 読了。

この本の感想を書くにあたって、どうしても自分語りを多く含む内容になってしまうことを了承いただきたい(自分の読書日記なんていつもそうだが)。

というのも、自分が生まれて初めて触れた文学作品で、未だ自分の中でオールタイムベストであり続ける小説が村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』であり、この『街とその不確かな壁』は「世界の終り」と寸分違わず同じ設定を

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【読書日記】スタンド・バイ・ミー ─恐怖の四季 秋冬編 / スティーヴン・キング

【読書日記】スタンド・バイ・ミー ─恐怖の四季 秋冬編 / スティーヴン・キング

2023年3月21日読了。

かの有名な映画『スタンド・バイ・ミー』の原作が収録された一冊。この本は本来『恐怖の四季』という春夏秋冬それぞれの季節からなる中編作品集で、そのうち秋冬の2篇をまとめた文庫版として日本で発売されたのが、この『スタンド・バイ・ミー』とのこと。
本来の順番としては春夏が先だけど、当時映画スタンドバイミーが日本で公開されたのをきっかけに、秋冬編から先に日本で原作が文庫化された

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【読書日記】薬指の標本 / 小川洋子

【読書日記】薬指の標本 / 小川洋子

2023年1月16日 読了

小川洋子作品の中では『博士の愛した数式』と並んで代表作のイメージがあるが、小川洋子ファンを自称しながらなぜか今まで読んでこなかった一冊。

読むきっかけになったのは、以前から気になっていた「おひとりさま専用の喫茶店」に行ったこと。
10席ほどの喫茶店で、一つ一つの席に特徴があり置いてある本の種類も席によって異なる、とても素敵な場所だった。

自分がなんとなく腰を掛けた

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【読書日記】国境の南、太陽の西 / 村上春樹

【読書日記】国境の南、太陽の西 / 村上春樹

2023年3月4日 読了

小説なり、映画なり、音楽なり、「この作品は自分のために作られた作品だ」と錯覚してしまうことほど気持ちの良い体験というのはなかなか無いと思う。ましてやそんな、中高生のときに体験するような錯覚を、まさか今になってさせてもらえるとは思いもしなかった。

村上春樹の長編(中編)の中では珍しく、精神世界や非現実的な現象が出てこない、リアル設定の恋愛小説(短編以外でファンタジー要素

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【読書日記】侍女の物語 / マーガレット・アトウッド

【読書日記】侍女の物語 / マーガレット・アトウッド

2023年1月14日読了

2023年が始まって最初に読んだ小説。ディストピア小説として有名な作品で、1985年発表だが2017年にHuluでドラマ化されていたことを後から知った。Twitterでディストピア小説のおすすめ!というツイートを見かけてこの作品を知り、前から気になっていたが、想像以上に凄い内容で、新年一発目から大当たりだった。

放射能汚染などによる問題で女性の不妊率や奇形児の誕生率が

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【読書日記】向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介

【読書日記】向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介

2022年12月17日 読了

※本と一緒に撮った写真が無かったので全く関係ない画像ですみません。

この本を読むのは2回目で、どんでん返しミステリーが好きな友達に薦めたら久々に読みたくなったので6年ぶりに再読。

小学校のクラスメイトでいじめられっ子のS君の首吊り死体を発見してしまった主人公のもとに、S君の生まれ変わりだと名乗る蜘蛛が現れ、「僕は自殺じゃなくて殺されたんだ」と主人公に告げる、とい

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【読書日記】同志少女よ、敵を撃て / 逢坂 冬馬

【読書日記】同志少女よ、敵を撃て / 逢坂 冬馬

2022年12月12日 読了。

アガサ・クリスティ賞史上初のの選考委員全員が最高得点をつけた作品ということで、本屋でもやたら平積みされていた話題の小説。
自分はあまり話題作に注目することが少ないのだけど、この作品が気になった理由は、Amazonのオーディブルで朗読を担当しているのが声優の青木瑠璃子さんであったからだ。何を隠そう青木瑠璃子さんは私の推しなのだ(声優としてというより、youtubeの

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