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ひよこクラブVol.009 〜 PBL型授業・アクティブラーニングがどうしても必要な理由 #2 〜

 かつて、ユーチューバーと呼ばれる人たちが出始めたころ、小学生たちの将来なりたい職業No. 1だと、マスコミから大人から世の中が大騒ぎしました。そして

「あんなの職業じゃない」
「世の中はそんなもんじゃない」
「社会は甘くない」
「そんな不安定な収入では生きていけない」

とみんな言っていました。でも今は必ずしもそう言い切れない時代になっています。
 ユーチューバーがどうとかではありません。以前のように普通に就職しても、その後の人生を誰も何の保証もしてくれない社会になったということにみんな気づいたからです。コロナはそのことをよりまざまざと浮き彫りにしました。

 老舗の良店と言われる飲食店がどれだけ倒産したでしょう。個人事業主の会社だけではありません。航空業界は大量のリストラをしています。規模の大小を問わず、ほとんどの企業では給与の大幅カットを行い、ボーナスがないのは当たり前です。

 昔のように、
「人よりたくさんお勉強すれば、人より良い大学に行けて、人より良い会社に就職できる。そうすれば一生安泰」
といった、正解や模範解答がある人生などどこにもないのです。

 これと共に、働きかた改革によって、結果的にですが、少ないパイを多くの人で分かち合うことが強力に推し進められています(もちろん働きかた改革を非難するつもりはありません)。

 さらに若い世代は、ゆとり教育を経て、人生の価値観や幸福観を、仕事や名声にではなく、個人の趣味、余暇といった生活の中に見出すようになりました(これもゆとり教育やその世代を非難するつもりはさらさらありません。彼らは、他の世代が未だかつて持てなかったかけがえのない素晴らしいものを持っています。この点については機会を改めて述べたいと思います)。

 まさに社会が、成長期を終えて成熟したわけです。

 こうした現実を考えると、かつての成長期の方がよほど牧歌的な時代だったと言えます。先ほどの
「世の中はそんなもんじゃない」
「社会は甘くない」
「そんな不安定な収入では生きていけない」
という言葉は、若い人たちがそのまま大人(=上の世代)に返してやりたい言葉なのではないでしょうか。

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