小野寺 慎平

株式会社NEWONEの人材開発、組織開発のコンサルタント。仕事を面白くするための情報を…

小野寺 慎平

株式会社NEWONEの人材開発、組織開発のコンサルタント。仕事を面白くするための情報を発信します!

マガジン

  • #チームで共通言語にしたいことシリーズ

    将棋にも定石があるように、またサッカーにも基本戦術があるように、チームや組織にも、所属しているメンバーの「共通認識」になっていることで、組織がWorkすることがあります。組織開発を支援している私が、チームで読みまわしてほしいと思うことをまとめています

  • #20代読んでよかった本を読み返してみたシリーズ

    人材開発・組織開発に20代を捧げた私が読んでよかった本を、30代になった今読み返して整理しています

記事一覧

言葉の定義によって、モノの見方が変わる

今年の新卒が、「お客さんからアンガーマネージメントの研修の依頼をもらったので、そもそも怒りとはどのようにして生まれるのか、から考えてみたんです。」と言ってまして…

小野寺 慎平
2週間前
10

なんでできないの?と他者に思ったらチャンス

他者に対して、例えば会社の部下、上司、親や子供など比較的身近な方に対して、「なんでできないの?」「なんでやらないの?」「なんでこうしてくれないの?」と思うことは…

小野寺 慎平
1か月前
7

変わりたい市場、変わりたくない組織

組織開発の師匠から教わったことを思い出しながら、整理していきます。 今回は、"市場"は「変わる」ことが本能だが、"組織"は「変わらない」ことが本能であり、だからこそ…

小野寺 慎平
1か月前
3

脱 当事者意識を持て!

より良いチームをつくっていくためには、「良いチームリテラシー」のようなものをチームメンバーで共通認識にしながら高めていくことが大事です。 押すな押すな、が面白い…

小野寺 慎平
2か月前
28

ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

精神科医グレゴリー・ベイトソンによって提唱された「ダブルバインド」について組織開発の観点から、chat GPTと対話しながら考えてみました。 そもそも、ダブルバインドと…

小野寺 慎平
3か月前
12

仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

ちょっとタイトルと違う話から入るのですが、先日、主体性と社会性がトレードオフ状態になることで主体性が損なわれる、ということを教わりました。 主体性→自分らしく生…

小野寺 慎平
3か月前
8

現実はいつも対話から生まれる

今回は社会構成主義について分かりやすく書かれた良書「現実はいつも対話から生まれる」からの学びをご紹介。 個人的にははじめて知ったとき、嫌われる勇気(アドラー心理…

小野寺 慎平
4か月前
9

自分の状態にあった適切な休み方

突然ですが、休むのは上手ですか? 私は正直上手でありません笑 心療内科医が教える本当の休み方(鈴木裕介)を読み、「休む」という概念がアップデートされました。 今…

小野寺 慎平
4か月前
12

他人のことは見えるが自分は見えない

20代で読んだ本を読み返そうシリーズ#3です。 今回は、自己矛盾劇場(細谷功)をご紹介。 細谷さんの本は大変分かりやすく、実施する研修等でもよく紹介しています。 こ…

小野寺 慎平
4か月前
4

官僚主義とヒューマノクラシー

ヒューマノクラシー(ゲイリー・ハメル)が希望の書でした。 自律分散組織の大家でもあるゲイリー・ハメルから、組織開発を担う人、より良い組織をつくりたいすべての人へ…

小野寺 慎平
5か月前
4

非合理的な意思決定が組織を動かす

先日ある人から、非合理=粋と教わり、たしかにー!!となりました。 自分のメリットにならない、何ならデメリットやリスクがあるけど、誰かのためになることだったり、そ…

小野寺 慎平
5か月前
6

Blue Giantから学ぶリーダーシップ

主人公が世界一を目指すJazz漫画、Blue Giant。 何度か薦められてたものの読んでおらず、昨年映画をみて号泣し、その後全巻揃えまして、最近発売の最新刊も読みました。 …

小野寺 慎平
5か月前
3

希望は高貴、絶望は権利

今回は『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話(頭木弘樹編訳)』をご紹介。 この本の構成が大好きで、年に数回風呂で読む本です。 どうでもいいのですが、東京テレポー…

小野寺 慎平
5か月前
3

現代はバビロニア式奴隷制度?

ポスト資本主義という言葉が年々聞かれるようになってきました。 資本主義のその先についてちょっとずつ調べていく中で、貨幣論という学問があることを知りました。 先日…

小野寺 慎平
5か月前
3

イシューから始める

30代に突入したので、20代で読んでよかった本を読み返そう企画#2です。 今回は言わずと知れた名著「イシューから始めよ(安宅和人)」を読み返しました。 - バリューのあ…

小野寺 慎平
5か月前
8

組織を動かす2つの力

組織にあるのは2つの力、という考え方を仕入れました。 それは、①権力②影響力 です。 ではどんな違いがあるでしょうか。 権力とは、「情報」「権限」「金」によって…

小野寺 慎平
5か月前
6
言葉の定義によって、モノの見方が変わる

言葉の定義によって、モノの見方が変わる

今年の新卒が、「お客さんからアンガーマネージメントの研修の依頼をもらったので、そもそも怒りとはどのようにして生まれるのか、から考えてみたんです。」と言ってまして。

手前味噌ですが、とっても良い頭の使い方だなと感動しました。

彼女いわく、怒りとは価値観次第であり、価値観に照らして怒りという感情が生まれる。

なので、自分とは違う価値観を許容したり、そもそも自分の価値観ってなんだっけ、と立ち止まる

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なんでできないの?と他者に思ったらチャンス

なんでできないの?と他者に思ったらチャンス

他者に対して、例えば会社の部下、上司、親や子供など比較的身近な方に対して、「なんでできないの?」「なんでやらないの?」「なんでこうしてくれないの?」と思うことはないですか?

しょっちゅうありますよね。(笑)

ないですか?私はしょっちゅうあります。

そして、それを直接他者に伝えてしまい、他者との関係性の悪化につながったり、伝えないまでもモヤモヤした感情を抱えてしまったりと、ネガティブな面に注目

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変わりたい市場、変わりたくない組織

変わりたい市場、変わりたくない組織

組織開発の師匠から教わったことを思い出しながら、整理していきます。

今回は、"市場"は「変わる」ことが本能だが、"組織"は「変わらない」ことが本能であり、だからこそ"事業"は難しいということについて、整理します。

変わりたい市場、変わりたくない組織まず、市場は消費者のニーズをはじめとして常に変わり続ける特徴があります。
その前提で事業を行っていくためには、事業も変わり続ける必要があります。

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脱 当事者意識を持て!

脱 当事者意識を持て!

より良いチームをつくっていくためには、「良いチームリテラシー」のようなものをチームメンバーで共通認識にしながら高めていくことが大事です。

押すな押すな、が面白いのも、押す人がいて、それがお決まりだと分かるから面白いのと一緒です。

このテーマで過去いくつか、書きました。

そのうえで今回は、一定のチーム力がある組織でよく使われがちな「当事者意識を持て」という点について、反省や自戒の念も込めて、言

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ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

精神科医グレゴリー・ベイトソンによって提唱された「ダブルバインド」について組織開発の観点から、chat GPTと対話しながら考えてみました。

そもそも、ダブルバインドとは、

二つの矛盾した要求や情報を受け取ることで、どちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安感をおぼえるような心理的ストレスのある状態

です。

具体的にはどういうことでしょう。

どうでしょうか。
イメージしやすく、あるある~と思う

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仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

ちょっとタイトルと違う話から入るのですが、先日、主体性と社会性がトレードオフ状態になることで主体性が損なわれる、ということを教わりました。

主体性→自分らしく生きたい、自分がやりたいことをやりたい、自己実現をしたい
社会性→社会や組織、コミュニティの中で順応したい、責任を果たしたい(果たすべき)

例えば以下のような状態です。

サッカー部に入部してシュート練習をしたいが、ボール拾いをするのが1

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現実はいつも対話から生まれる

現実はいつも対話から生まれる

今回は社会構成主義について分かりやすく書かれた良書「現実はいつも対話から生まれる」からの学びをご紹介。

個人的にははじめて知ったとき、嫌われる勇気(アドラー心理学)と並び、目の前の現実だと思っていたことが、あれ、もしかして現実じゃないのか?と、知るだけで現実が書き換わる感覚がありました。

どういう方が読んでも面白いと思いますが、組織開発にも多分に活かされている考え方なので、人事・組織開発に携わ

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自分の状態にあった適切な休み方

自分の状態にあった適切な休み方

突然ですが、休むのは上手ですか?

私は正直上手でありません笑

心療内科医が教える本当の休み方(鈴木裕介)を読み、「休む」という概念がアップデートされました。

今回はいくつか発見があった点をご紹介します。

働く全ての人におすすめですが、私の専門である人材開発・組織開発の立場からもとても重要な気づきがありましたので、組織づくり、人事、マネジャーの皆さんには特におすすめです。

AbsentとR

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他人のことは見えるが自分は見えない

他人のことは見えるが自分は見えない

20代で読んだ本を読み返そうシリーズ#3です。
今回は、自己矛盾劇場(細谷功)をご紹介。

細谷さんの本は大変分かりやすく、実施する研修等でもよく紹介しています。

この本は、読んだときにスッキリ!というよりも、ウッとなる本です。笑

人には多くの矛盾があり、それを自分では気づけていない、という自己矛盾について構造的に説明されていて、認めたくないが、自分あるあるだなと思いました(読み返してもまたウ

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官僚主義とヒューマノクラシー

官僚主義とヒューマノクラシー

ヒューマノクラシー(ゲイリー・ハメル)が希望の書でした。

自律分散組織の大家でもあるゲイリー・ハメルから、組織開発を担う人、より良い組織をつくりたいすべての人への大号令のようにも感じました。

どれだけ良い組織を作ろうと思っても、なんか見えない壁のようなものを感じる、前提から見直す必要があるように思う、といった方にぜひ読んで頂きたいです。

官僚主義とヒューマノクラシー本書では官僚主義(bure

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非合理的な意思決定が組織を動かす

非合理的な意思決定が組織を動かす

先日ある人から、非合理=粋と教わり、たしかにー!!となりました。

自分のメリットにならない、何ならデメリットやリスクがあるけど、誰かのためになることだったり、その人らしいとなることに対して、粋だなとなる。

非合理であれば必ずしも粋ではないかもしれませんが、粋である、というのは確かにその行動の主体者にとって合理的でないと感じられる時に生まれる感情だなと思いました。

企業の人材開発、組織開発をご

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Blue Giantから学ぶリーダーシップ

主人公が世界一を目指すJazz漫画、Blue Giant。

何度か薦められてたものの読んでおらず、昨年映画をみて号泣し、その後全巻揃えまして、最近発売の最新刊も読みました。

読まれた方それぞれの感想があると思いますが、人材開発やコーチをやってきた自分の立場では、リーダーシップの究極形を見ることのできる作品だと思いました。

先日以下のnoteにて、リーダーシップを求めているのは自分自身、という

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希望は高貴、絶望は権利

希望は高貴、絶望は権利

今回は『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話(頭木弘樹編訳)』をご紹介。

この本の構成が大好きで、年に数回風呂で読む本です。

どうでもいいのですが、東京テレポートの本屋で買った記憶がぼんやりあります。

たぶん何かの集合時間よりちょっと早くついてしまって、暇つぶしに買ったのだと思いますが、良い出会いをしました。

この本の構成なんですが、2人の作家、ゲーテとカフカの名言対決!と題して、同じテー

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現代はバビロニア式奴隷制度?

現代はバビロニア式奴隷制度?

ポスト資本主義という言葉が年々聞かれるようになってきました。

資本主義のその先についてちょっとずつ調べていく中で、貨幣論という学問があることを知りました。

先日noteでも書いたお金の向こうに人がいる、おすすめです。

そしてその中で、現代はバビロニア式奴隷制度である、となんともパンチのある表現を見つけました。

バビロニア式奴隷制度とは、借金をかたにして返せない人を奴隷として労働力を搾取する

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イシューから始める

イシューから始める

30代に突入したので、20代で読んでよかった本を読み返そう企画#2です。

今回は言わずと知れた名著「イシューから始めよ(安宅和人)」を読み返しました。

- バリューのある仕事は、イシューの質が高く解の質が高い
- 解の質が高いがイシューの質が低い仕事をどれだけ沢山しても、バリューのある仕事には到底到達できない
- なので、イシューからはじめよ
- そしてイシューとは、”自分のおかれた局面でこの

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組織を動かす2つの力

組織を動かす2つの力

組織にあるのは2つの力、という考え方を仕入れました。

それは、①権力②影響力 です。

ではどんな違いがあるでしょうか。

権力とは、「情報」「権限」「金」によって、発揮される力です。

これはいわゆる「役職者」が有している力です。

この権力は、権力がない他の所属メンバーを従わせる力があります。

なぜならば、「情報」「権限」「金」の優位性によって権力に従わないことによって、組織にいづらくなる

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