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2021年1月の記事一覧

たとえ「普通の」生き方ができなかったとしても。

たとえ「普通の」生き方ができなかったとしても。

2020年6月末、ライターのキャリアに終止符を打った。
4年間、ライターとしてお世話になった会社を辞めた。

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幼い頃から小説を自作するのが趣味だった私にとって、「文章を書く仕事」……つまり「ライター」は、憧れの職業だった。

勤務先はパンフレット制作がメインの会社だったので、ライティングだけでなく、編集や進行管理にも携わらせてもらった。インタビューをしたり、撮影のディレクションをしたり、

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わらをひらう人を笑ったら、あかん ③

わらをひらう人を笑ったら、あかん ③

「ホワイトカラー」といわれる人たちの仕事の着地点が見えない。上司から命じられたこと、言われたらことをおこなってきた。だから自らで「仕事」をつくれといわれても、大半の人は「仕事」をつくれなかった。そんななか、コロナ禍となり、テレワークを命じられた。眼の前に、いつもいた上司がいなくなった。そして緊急事態宣言が発出された。会社にいけなくなった。よけいに仕事をつくれなくなった。仕事をつくれなかったら、いつ

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あなたは、どれだけさかのぼれるか ― わらを拾えるか ②

あなたは、どれだけさかのぼれるか ― わらを拾えるか ②

すぐれた仏師は山の木を見て、仏像の姿が浮かんだという。
東大寺南大門の金剛力士立像をつくったのは、平安末期から鎌倉時代に活躍した天才仏師運慶と快慶のグループ。仏像を彫る運慶の姿を、夏目漱石は、「仁王の眉や鼻を鑿(のみ)で作るのではない。眉や鼻が木のなかに埋まっているのを、鑿と槌の力で彫りだす」と書いた(夏目漱石「夢十夜」)。もうひとりの天才仏師快慶も、「仏様の力を借りて、木から仏様を彫り出す」とい

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あなたは、わらを拾えるか ①

あなたは、わらを拾えるか ①

子どもや孫に、ずっと読み聴かせる童話やおとぎ話がある。その物語のルーツとなった謂れ・エピソードがその地にあっただろうが、代々親が子どもに読みつがれてきたのには意味・理由があった。生きていくうえで伝えたいことを物語に込めていた。しかし江戸時代は人々の記憶から遠くなって、コンテクストが消え、コンテンツだけになり、意味が分からなくなっている。

1.あなたは、「わらしべ長者」を覚えていますか?子どものこ

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