桜正月

もっと正直に生きよう

桜正月

もっと正直に生きよう

マガジン

  • 今日の音楽

  • Experimental Badtrip Music

    自作曲。

  • 駄文

    新旧問わずの駄文置き場

  • モノとか印象

記事一覧

血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

なんともやる気のないタイトルに脱力……が、作品としては良い具合に裏切られた。 まず、タランティーノにイギリス映画を混ぜたような空気感が独特。壁を破壊したり血が吹…

桜正月
6時間前
2

マンハッタン少年日記 - ジム・キャロル

ディカプリオが主演した映画バスケットボールダイヤリーズの原作本。アッパーとダウナーを間違えてラリって試合に出たり、屋根の上で夜空を見ながら自慰行為に耽る話も出て…

桜正月
19時間前
1

西瓜糖の日々 - リチャード・ブローティガン

なにやらニューエイジの香りがする場面設定と寓話風の展開は恣意的に書かれたものだろうか? 言葉を話す虎や魔法のような西瓜糖の存在は非現実的なファンタジー要素が強く…

桜正月
2日前

エクスタシー - アーヴィン・ウェルシュ

3つのケミカルロマンスからなる中編集。アメリカの某バンドはこの本からバンド名を拝借している。 1つ目は中年女性ロマンス作家の自立と男に対する復讐が描かれている。し…

桜正月
2日前

土竜の唄

すけべな警官がヤクザの親分をあげるために組へ潜入捜査をする話。実質、主人公補正とご都合主義だけで展開していく。絵のクセが強く、残酷描写と下ネタも満載なので人を選…

桜正月
4日前

シグルイ作者による鎧バトル - エクゾスカル零 - 山口貴由

ディストピアのSFに鎧物(聖闘士星矢みたいな)を足したバトル漫画。 あいさつ代わりの軽い戦闘を終えた後に、いきなり最終ボス戦のような濃密な戦いが始まる見せ方は見…

桜正月
5日前

スマート・アス

欧州で一番のビジネススクールの一年生と二年生がモテ理論なるものをでっちあげ売春を斡旋をする集まりを作るが……というのが話の骨子。 アメリカによくあるジョックVSギ…

桜正月
5日前

拾った女 - チャールズ ウィルフォード

1955年に出版された作品とは思えないほど現代的な感覚に圧倒される。恋愛に酒とレストランと病院が舞台となれば感じることとやることは似通っているからだろうか? 作中は…

桜正月
6日前

トレインスポッティングの続編 - ポルノ - アーヴィン・ウェルシュ

ラストにレントンが仲間を裏切ったトレスポから9年後の物語。30代半ばといえばもはや人生の明暗がくっきりついている頃であり、愛すべき主要登場人物たちは残念ながら成熟…

桜正月
6日前
2

塵に訊け! - ジョン・ファンテ

想像以上にブコウスキー。 短編小説が一作だけ本に載った若い小説家志望の男がロサンゼルスで小説を書いて女の子と知り合って生活するだけの話。 途中、やたら破壊的な描…

桜正月
7日前
1

サンカの真実 三角寛の虚構 - 筒井功

サンカはかつて日本に存在していた山の民、流浪の人々のことくらいしか知識がなかったので何か本を借りるべぇと思い立って調べたところ、三角寛というのがサンカ研究の大家…

桜正月
8日前

ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

メイン州の森の中、ほぼ1人きりで27年間を過ごした男の話。例外は偶然の遭遇が2件のみ。客を招き、母親に洗濯をさせていたソローのような半端な隠者ではなく、歴史に残る壮…

桜正月
8日前
1

シャーデーの新曲を待ち侘びてる人へ Arooj Aftab - Raat Ki Rani

パキスタン出身の歌手アルージ・アフタブの新曲。グラミー賞をとった前作は個人的にピンとこなかったが、今作は先行シングルからして別格。高級なワインや絹のように滑らか…

桜正月
2週間前
1

The Dark Poets - Machine Me

これはグルーヴィーでサイケデリックなテクノ。チャップリンの映画、独裁者の緊迫した台詞をサンプリングし、様々な軍隊の映像を散りばめたMVは2024年現代の空気とマッチし…

桜正月
2週間前
1

ぐしゃ人間「死ね/死んじゃおっかな・・・」

ネガティヴ一直線の凄まじい情念系。20年ほどのキャリアがあり、もし何かの間違いでメジャーへ行ってたらそこそこ話題になっていたと思われるメンヘラっぽいバンド。なお、…

桜正月
3週間前

施餓鬼会

00:00 | 00:00

ホラー系

桜正月
1か月前
血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

なんともやる気のないタイトルに脱力……が、作品としては良い具合に裏切られた。

まず、タランティーノにイギリス映画を混ぜたような空気感が独特。壁を破壊したり血が吹き出したりの過剰な演出にはアメリカ映画のバカバカしさが、わざと狙ってやってる抜けた音楽のセンスはシュール。

作中の8割くらいは2LDKのアパート室内で話が進行する密室劇のため低予算映画なのだろうけど、本当によくできている。

主要人物の

もっとみる

マンハッタン少年日記 - ジム・キャロル

ディカプリオが主演した映画バスケットボールダイヤリーズの原作本。アッパーとダウナーを間違えてラリって試合に出たり、屋根の上で夜空を見ながら自慰行為に耽る話も出てくる。軽妙な語り口はライ麦畑のろくでなし版という雰囲気。

作中の経過時間はかなり早く、思春期真っ只中の13歳から17歳までを一気に駆け抜けていく。久しぶりに再読したがやっぱ面白かった。続編もあるけど、こちらはあんまり面白くなかった印象。

西瓜糖の日々 - リチャード・ブローティガン

なにやらニューエイジの香りがする場面設定と寓話風の展開は恣意的に書かれたものだろうか? 言葉を話す虎や魔法のような西瓜糖の存在は非現実的なファンタジー要素が強く、大人の童話風。文章は短く区切られておりこの上なく読みやすい。ほとんど面白いと感じていないのにずっと読み続けられるのは奇跡的。

エクスタシー - アーヴィン・ウェルシュ

3つのケミカルロマンスからなる中編集。アメリカの某バンドはこの本からバンド名を拝借している。

1つ目は中年女性ロマンス作家の自立と男に対する復讐が描かれている。しかし、作中のロマンス小説がとんでもなくつまらないのが残念。

2つ目はフーリガンと薬害事件被害者のロマンス。これを最初に持ってきていた方が良かったと思う。スローモーションで訪れるラストの光景が切ない。なお、16歳の頃のマーク・レントンが

もっとみる

土竜の唄

すけべな警官がヤクザの親分をあげるために組へ潜入捜査をする話。実質、主人公補正とご都合主義だけで展開していく。絵のクセが強く、残酷描写と下ネタも満載なので人を選ぶ漫画かもしれない。

だいたいピンチの連続なのでネゴシエーターの勇牛よろしく様々な傷を負い拷問を食らうが、異次元の回復力を発揮することも多々あってそこは緊張感の低下になっている。

男塾や刃牙みたいにノリと勢いを重視する人なら好きだろうけ

もっとみる

シグルイ作者による鎧バトル - エクゾスカル零 - 山口貴由

ディストピアのSFに鎧物(聖闘士星矢みたいな)を足したバトル漫画。

あいさつ代わりの軽い戦闘を終えた後に、いきなり最終ボス戦のような濃密な戦いが始まる見せ方は見事。古色蒼然とした命名と言葉遣いには旧日本軍風のものを、聖書やダンテの著作から受けたであろうインスピレーションからは西洋風の神話体系を感じさせる。そして、この作家特有のフェチズムとゲイ臭は今作も満開であり、裸と筋肉の描き込みにはただならぬ

もっとみる
スマート・アス

スマート・アス

欧州で一番のビジネススクールの一年生と二年生がモテ理論なるものをでっちあげ売春を斡旋をする集まりを作るが……というのが話の骨子。

アメリカによくあるジョックVSギークのセックスコメディかと思いきや、さすがおフランス、陰気で中途半端な青春ドラマである。

アメリカ産はわかりやすい低脳を配置してカラッとした笑いを提供してくれるのだけど、この作品はお上品な内省ムードが消え去ることはなく、スルスルと首を

もっとみる

拾った女 - チャールズ ウィルフォード

1955年に出版された作品とは思えないほど現代的な感覚に圧倒される。恋愛に酒とレストランと病院が舞台となれば感じることとやることは似通っているからだろうか?

作中はずっと物悲しいトーンに覆われてはいるけど、二人の軽口や甘えなどはちょっと洒脱な雰囲気があって微笑ましい。

ラストがイニシエーションラブ並みにあれっ?!と印象が変わるのも先鋭的。

トレインスポッティングの続編 - ポルノ - アーヴィン・ウェルシュ

ラストにレントンが仲間を裏切ったトレスポから9年後の物語。30代半ばといえばもはや人生の明暗がくっきりついている頃であり、愛すべき主要登場人物たちは残念ながら成熟よりも劣化が目立ってしまっている。

今回はレントンよりもシックボーイの視点がメインで前作のヘロインの替わりを埋めるように現れたドラッグがコカイン。よって、より自己中心的な発言と展開が増え、青春小説としても読めた前作の爽やかさや儚さはほと

もっとみる

塵に訊け! - ジョン・ファンテ

想像以上にブコウスキー。

短編小説が一作だけ本に載った若い小説家志望の男がロサンゼルスで小説を書いて女の子と知り合って生活するだけの話。

途中、やたら破壊的な描写が続き、比喩を超えて幻想文学の要素が加わったのかと思ったら、本当にあったロングビーチでの大地震を経験していたのだとわかったのはびっくり。

図書館で借りたのだけど、好きな系統の本なのでこれは買っていつでも読めるようにしたい。

サンカの真実 三角寛の虚構 - 筒井功

サンカはかつて日本に存在していた山の民、流浪の人々のことくらいしか知識がなかったので何か本を借りるべぇと思い立って調べたところ、三角寛というのがサンカ研究の大家らしいとわかった。しかし、三角寛の著作は本人の妄想で書かれたフィクションレベルだとの反論があっていよいよよくわからなくなった。

で、見つけたのがこの本。イメージとしてのサンカは山で原始的な狩猟生活を送っていた日本版ジプシー集団なのかと予想

もっとみる

ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男

メイン州の森の中、ほぼ1人きりで27年間を過ごした男の話。例外は偶然の遭遇が2件のみ。客を招き、母親に洗濯をさせていたソローのような半端な隠者ではなく、歴史に残る壮大な引きこもりっぷりである。当然のように地下室の手記を愛読していたのも好印象。

シャーデーの新曲を待ち侘びてる人へ Arooj Aftab - Raat Ki Rani

パキスタン出身の歌手アルージ・アフタブの新曲。グラミー賞をとった前作は個人的にピンとこなかったが、今作は先行シングルからして別格。高級なワインや絹のように滑らかな極上のサウンドプロダクションからしてうっとりできるが、そこへ乗るボーカルがモロにシャーデー・アデュ系統のものへ変化。Sadeの新曲を待ち侘びる人にはたまらないだろう。5月末発売のアルバムにも大いに期待。

The Dark Poets - Machine Me

これはグルーヴィーでサイケデリックなテクノ。チャップリンの映画、独裁者の緊迫した台詞をサンプリングし、様々な軍隊の映像を散りばめたMVは2024年現代の空気とマッチしている。

ぐしゃ人間「死ね/死んじゃおっかな・・・」

ネガティヴ一直線の凄まじい情念系。20年ほどのキャリアがあり、もし何かの間違いでメジャーへ行ってたらそこそこ話題になっていたと思われるメンヘラっぽいバンド。なお、ボーカルのあうとギターの亀は姉妹。久々に聴くとすごく良い。