記事一覧
マンハッタン少年日記 - ジム・キャロル
ディカプリオが主演した映画バスケットボールダイヤリーズの原作本。アッパーとダウナーを間違えてラリって試合に出たり、屋根の上で夜空を見ながら自慰行為に耽る話も出てくる。軽妙な語り口はライ麦畑のろくでなし版という雰囲気。
作中の経過時間はかなり早く、思春期真っ只中の13歳から17歳までを一気に駆け抜けていく。久しぶりに再読したがやっぱ面白かった。続編もあるけど、こちらはあんまり面白くなかった印象。
西瓜糖の日々 - リチャード・ブローティガン
なにやらニューエイジの香りがする場面設定と寓話風の展開は恣意的に書かれたものだろうか? 言葉を話す虎や魔法のような西瓜糖の存在は非現実的なファンタジー要素が強く、大人の童話風。文章は短く区切られておりこの上なく読みやすい。ほとんど面白いと感じていないのにずっと読み続けられるのは奇跡的。
エクスタシー - アーヴィン・ウェルシュ
3つのケミカルロマンスからなる中編集。アメリカの某バンドはこの本からバンド名を拝借している。
1つ目は中年女性ロマンス作家の自立と男に対する復讐が描かれている。しかし、作中のロマンス小説がとんでもなくつまらないのが残念。
2つ目はフーリガンと薬害事件被害者のロマンス。これを最初に持ってきていた方が良かったと思う。スローモーションで訪れるラストの光景が切ない。なお、16歳の頃のマーク・レントンが
トレインスポッティングの続編 - ポルノ - アーヴィン・ウェルシュ
ラストにレントンが仲間を裏切ったトレスポから9年後の物語。30代半ばといえばもはや人生の明暗がくっきりついている頃であり、愛すべき主要登場人物たちは残念ながら成熟よりも劣化が目立ってしまっている。
今回はレントンよりもシックボーイの視点がメインで前作のヘロインの替わりを埋めるように現れたドラッグがコカイン。よって、より自己中心的な発言と展開が増え、青春小説としても読めた前作の爽やかさや儚さはほと
シャーデーの新曲を待ち侘びてる人へ Arooj Aftab - Raat Ki Rani
パキスタン出身の歌手アルージ・アフタブの新曲。グラミー賞をとった前作は個人的にピンとこなかったが、今作は先行シングルからして別格。高級なワインや絹のように滑らかな極上のサウンドプロダクションからしてうっとりできるが、そこへ乗るボーカルがモロにシャーデー・アデュ系統のものへ変化。Sadeの新曲を待ち侘びる人にはたまらないだろう。5月末発売のアルバムにも大いに期待。
The Dark Poets - Machine Me
これはグルーヴィーでサイケデリックなテクノ。チャップリンの映画、独裁者の緊迫した台詞をサンプリングし、様々な軍隊の映像を散りばめたMVは2024年現代の空気とマッチしている。