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【徹底解説】なぜコロナで味がなくなるのか?いまさら聞けない「味覚」の仕組みをこっそり紹介。

「味覚異常」というと怖く感じる時代になってしまいました。

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ここで、一度
「味覚」とはそもそも何なのか?
「味覚異常」の原因は何なのか?

を知っておくことが、健康で楽しい食事を続けるために大切なのかもしれません。

そこで今回は、「味覚」について学んでいきます!

*私の医療勉強用の裏noteアカウント【📰文系×医療🩺】の記事から抜粋しています!(本編はこちら)👇

味覚とは?

味覚とは、口に入った化学物質を感知し、体内のエネルギー量を調整したり、毒物を排除する役割があります。

舌の仕組み
味覚の大部分は舌表面で感じます。(その他には軟口蓋 咽頭 喉頭など)
舌以外にも味を感じる部分があるのは少し驚きます笑

舌には糸状乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭、有郭乳頭という4種類の突起が並んでおり、そのうちの糸状乳頭以外の3種類の乳頭に味を感じる味蕾があります。

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味蕾で感じた刺激は神経を通じて「延髄孤束核(えんずいこそっかく)」を経由し、シナプス(神経接合部)をつくり、脳の玄関口の間脳にある視床味覚野へ運ばれ、そこから味覚を感じる場所である大脳皮質の味覚野へ伝達されることが分かっています。

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「場所ごとに感じる味が違う」は嘘?
味には五味(甘味、旨味、塩味、酸味、苦味)あると言われています。人はそれぞれの味を感じて料理のおいしい、おいしくないなどを判断していますが、それ以上に体を生存させるための機能面でも味は活躍しています。

甘味は「糖」を感じる場所であり、脳の活動に必要なブドウ糖などを感知しています。甘いものを欲しくなる時は糖が足りておらず、また糖を十分にとると食欲が低下したりして、糖の量をコントロールしています。

塩味は、塩化ナトリウムを取り込み、体の中の浸透圧を調整して、血圧をコントロールしたり、細胞に酸素を送る役割、そして筋肉の神経伝達物質となったりします。

そして、苦味は毒物を感じる味です。外敵として免疫系の活性化や抗菌物質の分泌を促す役割があり、結果として健康につながるとされています。また、子供の方が苦味は感じやすく、経験がなくても毒物を吐き出しやすくするための機能です。

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また、以前は舌には味覚の種類ごとに感じやすい場所、感じにくい場所があるとされていましたが、現在は一つの味蕾にすべての味覚を感じる細胞があるということが分かってきました。

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味覚障害とは?

味覚障害には、味蕾の減少、損傷、唾液の影響など様々な原因があります。

加齢
加齢による口腔粘膜の再生能力の低下により、舌乳頭が委縮してしまい、反応できる味蕾数が減少してしまうことが一つの原因とされています。高齢者の味蕾数は新生児の3/1にまで減少してしまうと言われていますが、年齢とともに徐々に味を感じにくくなるため、自覚症状は少ないそうです。

亜鉛不足
もっとも多い原因は亜鉛不足です。味蕾の寿命は10日と短く、頻繁に再生されています。その味蕾の細胞を作るために必要なのが「亜鉛」です。

高齢による吸収や消化機能の衰退によって亜鉛が十分に吸収できなかったり、薬によって亜鉛の吸収が阻害されてしまうことが原因とされています。

亜鉛含有量の多い食品は、抹茶、緑茶煎茶(一番茶)、玄米茶、ココア、牡蠣、数の子、煮干、あまのり、てんぐさ寒天、きな粉、カシューナッツ、いりアーモンド、いりゴマ、麩などがあります。

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唾液不足
味覚を感じるためには、食物中の物質が味蕾に到達しなければいけません。この物質を運ぶ役割を担っているのが唾液です。また、この唾液が不足した状態「ドライマウス」になると舌がすれて炎症を起こしやすくなり、味蕾の消失や味覚の混同が起きます。ドライマウスの原因は加齢やストレス、女性ホルモンの低下があります。


新型コロナウイルスによる味覚異常?

新型コロナウイルスによる症状の一つとして味覚異常が報告されていることから、味覚異常=コロナという考え方が広まっていますが、必ずしもそうとは限りません。

新型コロナウイルスは「感冒=風邪」の一種です。そして、従来型の風邪でも味覚異常の症状は出ています。

その理由は、鼻の奥の「下鼻甲介(かびこうかい)」という脳へ臭いの情報を伝える玄関口の神経がウイルスの感染によって炎症を起こしていることだとされています。

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普段私たちは味覚と嗅覚を同時に使い「風味」という感覚を生み出して、食事を楽しんでいます。そのため、嗅覚に異常が起きると、味覚にも異常が起きてしまいます。

ウイルスを退治するための炎症なので、ウイルスを倒した後は症状も回復することが多いですが、長期間にわたって継続する事例も報告されており、これが新型コロナウイルス特有のものなのか、他に原因があるのかは詳しく分かっていません。

おわりに

今回は私たちの生活の質にかかわる「味覚」と「味覚障害」について調べていきました。
味覚障害になってしまうと、食事が苦痛になってしまったり、栄養の取り過ぎになってしまいます。また、自分の欲求に逆らって過度に食事制限をすると栄養不足になってしまいます。

正しい知識を付け、自分の身体と正しく付き合うことが、生涯食事を楽しむコツかもしれませんね!

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