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全国バー行脚

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あちらこちらのバーについて駄文を連ねます。
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神田・紺屋町で開業1年、私の“かかりつけバー”『ディンプル』(全国バー行脚⑯東京・神田)

神田・紺屋町で開業1年、私の“かかりつけバー”『ディンプル』(全国バー行脚⑯東京・神田)

 医療関係の報道を仕事にしているため、「かかりつけ医」や「かかりつけ薬剤師」という言葉を頻繁に見聞きし、記事にしています。とはいえ、私自身はかかりつけの医師も薬剤師も見つけられていません。それより先に“かかりつけバー”を持ちました。昨年1月に神田駅から徒歩数分の場所で開業した『Dimples(ディンプル)』です。

■ディンプル=「えくぼ」

 店内には、L字型のカウンターがゆったりで6席。そのほ

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まるでラボ? 好奇心を刺激する『ナノグールド』(全国バー行脚⑮北海道・札幌)

まるでラボ? 好奇心を刺激する『ナノグールド』(全国バー行脚⑮北海道・札幌)

 この全国バー行脚はなぜか初回を北海道の網走から始めているのですが、今回、北の国に回帰。北海道2回目は、ど真ん中の札幌です。

■水割りは3種のウイスキーで

 札幌・すすきのには「狸小路」という一画がありまして、その付近にはバーが点在しています。その中で、私にとって最も大切なバーが『nano. gould(ナノグールド)』です。

 カラオケの派手な看板がかかったビルをエレベーターで4階へ。その

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『シェイク』『サンボア』『東京』『ロックフィッシュ』—銀座の華は「数寄屋通り」(全国バー行脚⑭東京・銀座)

『シェイク』『サンボア』『東京』『ロックフィッシュ』—銀座の華は「数寄屋通り」(全国バー行脚⑭東京・銀座)

神保町に続く東京編第2弾は銀座です。銀座は有名店が山ほどあって、右を向いても左を向いてもバーテンダーコンテストのタイトルホルダーがいるエリア。この際、私がいつもうろちょろしている数寄屋通り付近のバーに限定します。

■カンパリソーダの完成形『シェイク』

 数寄屋通りは、銀座方面と新橋方面を繋ぐ200~300mほどの通りです。銀座側から歩くと、右手には数寄屋橋公園、左手には東急プラザ。左右ど

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北国で見つけた“エデン”『イーデンホール』(全国バー行脚⑬新潟)

北国で見つけた“エデン”『イーデンホール』(全国バー行脚⑬新潟)

 米どころの新潟。飲むなら日本酒。これは鉄板なのですが、バーにも行きたくなるのがサガ。今年になって発見したのが必行のバー『eden Hall(イーデンホール)』です。

■迫力のバックバー

 新潟は、駅と繁華街がそこそこ離れているのが観光客には難点。繁華街の「古町」は、新潟駅からタクシーで1300円くらいの距離があります。バーが多いのも古町周辺なのですが、イーデンホールは貴重な駅寄り。新潟駅の南

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大人が集う豪奢な『文』で「アール・デコ サーカス」に酔う(全国バー行脚⑫名古屋)

大人が集う豪奢な『文』で「アール・デコ サーカス」に酔う(全国バー行脚⑫名古屋)

 京都にはよく行くし、大阪もそこそこ。意外と行かないのが名古屋。

そんな自分ですが、たまの名古屋行きでは必ず伺うバーがあります。それが名古屋市中区栄にある『BAR文(MON)』。「ブン」でも「アヤ」でもなく、「モン」と読みます。この度、およそ三年ぶりに訪問しました。

■ドアは施錠、チャイムを鳴らして異空間へ

初見で店の場所を見極めるのは難しいかもしれません。最寄りの矢場町駅を降り

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古都の贅沢『ロッキングチェア』で揺られたい(全国バー行脚⑪京都2)

古都の贅沢『ロッキングチェア』で揺られたい(全国バー行脚⑪京都2)

 京都編第二弾は、前回取り上げたサンボア3軒以外に照準を合わせます。見出しに取ったロッキングチェアだけでなく、一度は行きたい、一度行ったらもう一度行きたい、通いたい。そんなバーが目白押しです。

■至宝『ロッキングチェア』

 京都でお勧めのバーはどこかと聞かれたら、必ず名前を挙げるのは『ロッキングチェア』。人それぞれ好みがありますが、ガンガン飲みたい人も一杯だけ堪能したい人も、オーセンティック好

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祇園、木屋町、寺町―それぞれの流儀が光る『サンボア』3軒(全国バー行脚⑩京都)

祇園、木屋町、寺町―それぞれの流儀が光る『サンボア』3軒(全国バー行脚⑩京都)

 京都には好きなバーがたくさんあります。とても1回では書き切れないので、これは京都編の第一弾。『SAMBOA(サンボア)』3店舗のみにロックオンです。

■歴史は100年、各店舗独立

サンボアは1918年に神戸で創業しました。元々は喫茶店だったようですが、次第にお酒を出し始め、バーになったということ。現在、京都に3、大阪に8、神戸に1、東京に3店舗あります。系列店ではありますが、暖簾分け制

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神保町の路地裏、ジャズを奏でる『コンセール』で“整う”(全国バー行脚⑨東京)

神保町の路地裏、ジャズを奏でる『コンセール』で“整う”(全国バー行脚⑨東京)

私の生息域はおおむね、銀座、新宿、中野、神保町です。今回の神保町は、東京編の第一弾。現在進行形で通っているバーになります。

■一杯目のジントニックが鉄板

神保町は「靖国通り」と「白山通り」という2本の目抜き通りを中心に街が形成されています。その周辺には多くの飲食店・バーが並んでいますが、『Concert(コンセール)』があるのは、どちらの通りからもやや離れた、人通りの少ない路地。小さ

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福山で心安らいだ『ROHTA BAR』(全国バー行脚⑧広島)

福山で心安らいだ『ROHTA BAR』(全国バー行脚⑧広島)

広島県は福山市。初めて訪れた土地でやや長尺の仕事を終え、取材先との懇談も終了。さて、ひとりの時間となりました。この日はやけに疲れていたし、苛立ちも少々。そんな私が「福山に来てよかった!」と思えたのは、『ROHTA BAR(ロータバー)』のおかげです。

■通いたくなる『ロータバー』

広島市には何度か行っていますが、福山は2020年に一度きり。店名の書かれたマットから上へと伸びる階段を

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人口あたりの店舗数は日本一「バーの街、徳島」の『鴻』に敬意を表す(全国バー行脚⑦徳島)

人口あたりの店舗数は日本一「バーの街、徳島」の『鴻』に敬意を表す(全国バー行脚⑦徳島)

 正面のバックバーを見ればたくさんのボトル、というのはよくありますが、天井にボトルが整列している光景はなかなか見られません。徳島県のバー『鴻(こうの)』です。

■バーの完成形…?『鴻』

 2019年の秋は僥倖に恵まれました。10月下旬に徳島で「全国自治体病院学会」が開かれ、その直後の日曜日に同じ徳島で「全国バーテンダー技能競技大会」があったのです(フレアバーテンダーの全国大会も同時開催で、富山

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佐賀は楽しい。巨石パークと『YAMAZAKI』がある(全国バー行脚⑥佐賀)

佐賀は楽しい。巨石パークと『YAMAZAKI』がある(全国バー行脚⑥佐賀)

佐賀はよいところですよ。

何もないとか揶揄されますが、佐賀駅から少し歩くと、旧家や旧銀行など佐賀市の重要文化財が点在する一画があって、すごく雰囲気がよい。ほかにも「巨石パーク」という、バカでかい石がごろごろしている場所があって楽しい。10年前、石好きが高じて巨石パーク目当てで佐賀まで行きました。名前の通り公園かと思っていたら、割とハードな登山道だったのでびっくり。ほかにも有明海の珍味

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カクテルやめました。2000本のウイスキーに溺れる『メインモルト』(全国バー行脚⑤兵庫)

カクテルやめました。2000本のウイスキーに溺れる『メインモルト』(全国バー行脚⑤兵庫)

 入店した瞬間に圧倒されました。目に映るのは、ほぼ360度ウイスキーのボトルのみ。右も左もウイスキー。ボトルの星雲。ウイスキーの海。兵庫県神戸市の『メインモルト』です。

■「まずい」って言われた

「だいたい1500種類、2000本くらいかな」

オーナーバーテンダーのGさんは、こともなげに言います。ここは三宮駅近くのビル2階。店内は写真のような状態で、入ればぐるっとウイスキー。天国かもし

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女性バーテンダーが躍動する『BLUE』(全国バー行脚④熊本)

女性バーテンダーが躍動する『BLUE』(全国バー行脚④熊本)

舞台は突然、九州・熊本に飛びます。取り上げる順番に意味はありません。ノリだけです。

地方都市のバーには、出張の際に寄らせていただくことが多く、熊本もそう。2020年の秋でした。取材先の県庁の中庭に、堂々たるルフィ像が据えてあり、気分を上げてくれます。

カクテル「人生は美しい」

そんな熊本の夜に向かった先が、オーセンティックバー『BLUE(ブルー)』。最寄りは熊本城にほど近い

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三郎丸の地に60年、伝統とエンタメが融合した『白馬館』(全国バー行脚③富山)

三郎丸の地に60年、伝統とエンタメが融合した『白馬館』(全国バー行脚③富山)

国産ウイスキーを牽引するビッグネームのひとつに、1952年に製造を開始した富山県の三郎丸蒸留所があります。それから10年後、同じ富山の地に開業したバーが『白馬館』です。全国的にも有名なお店で、ようやく行けたのは昨年でした。

 場所は富山駅のほど近く。白馬のマークの入った看板が迎えてくれます。

扉をくぐると、店内にはボトルとミニボトルがびっしり。もちろん、三郎丸シリーズもたくさん並ん

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