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しおさいの旅行記

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日本全国、鉄道やバスなどの交通機関で出かけています。鉄道路線の完乗と、全市町村の踏破を目指しております。気づくと東北に足が向いています。
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#乗り鉄

男二人、行き当たりばったりすぎる南東北旅【1日目】

男二人、行き当たりばったりすぎる南東北旅【1日目】

 2月11日、朝。

 日が昇り始めたばかりの船橋駅から、今日は始まります。

 今回は、小学生のころから十年来の付き合いになる友人との、二人旅。どこへ行こうか、という話になったときに、

「東北、行ったことないな」

友人のこの言葉がきっかけで、東北に行き先が決まりました。
 お手頃な「週末パス」を使って、福島と宮城を二日間旅します。僕はもう行き慣れた土地になりつつありますが、誰かと行くことで、

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僕の非日常は、誰かの日常【「サンライズ瀬戸」の旅】

僕の非日常は、誰かの日常【「サンライズ瀬戸」の旅】

 8月のある日。僕は夜8時前の東京駅にいた。

現代的な高層ビルに囲まれた、1914年建造のレンガ駅舎が、暖かなライトで照らされている。

ホームに人の流れが絶えることはなく、一日の仕事を終えて家路を急ぐ人たちを乗せた通勤電車が、ひっきりなしに発車していた。ここ、東海道線ホームも例外ではない。

 そんな中、9番線の電光掲示板に、一際目立つ種別名と行き先が現れた。

「寝台特急 サンライズ瀬戸 高

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鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ⑥6日目(鹿島→上野)[終]

鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ⑥6日目(鹿島→上野)[終]

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↓関連のある話

【17】コロッケそばと野馬追と 鹿島→大野 2022年4月1日、金曜日。問題集を詰めて少し重くなったバッグを背負い、3度目の鹿島駅にやってきた。
 3月25日にスタートした今回の旅も、間に挟んだ2日間の休養を含めて今日でラストの8日目となる。ひたすら常磐線を南下するルートをとるが、この途上に、僕が行きたい最後のポイントがある。まずはそこまで向かうとしよう。
 駅まで送っ

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鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ⑤5日目(八戸→鹿島)

鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ⑤5日目(八戸→鹿島)

前回↓

【14】雪残る帰り道 本八戸→盛岡 2022年3月30日、水曜日。今日も薄暗いうちに目が覚めてしまったので、課題をこなしたり、ニュースを見たりして時間をつぶした。地方局のニュースは関東だと取り上げられないこともたくさんあるので、見ていて面白い。
 ホテルを後にし、本八戸駅に向かって歩く。昨日は暗くてわかりにくかったが、やはり高い建物が多く、車も頻繁に走っていく。さすがは南部一の街なだけは

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鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ④4日目(釜石→八戸)

鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ④4日目(釜石→八戸)

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【10】9年の時を経ての再出発 釜石→宮古 2022年3月29日、火曜日。
 ホテルのカーテンを開けると、もう外はうす明るくなっていた。製鉄所の煙突はもくもく煙を上げている。知らない町で迎える朝というのは、違和感もあるがやはり新鮮だ。
 昨夜買ったゼリー飲料1パック、という普段の僕ではありえない量の朝食を済ませ、ホテルのすぐ隣にある釜石駅に向かう。釜石線が出ているJRの駅舎は立派なもので

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鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ③3日目(石巻→釜石)

鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ③3日目(石巻→釜石)

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【6】みんなの足は姿を変えて 石巻→志津川 2022年3月28日、月曜日。
 まだ出発までは相当な時間があるというのに、朝5時に目が覚めてしまった。12月に訪れた新見でも全くといっていいほど寝付けなかったことを考えれば、やはり僕は環境ががらりと変わると眠れない性質らしい。
 列車の時間にあわせて6時ごろに宿を出た。街はひっそりとしていて、空気が余計に冷たく感じる。寒さに耐えきれなくなって

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鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ②2日目(鹿島→石巻)

鉄道とBRTでつなぐ、春の三陸海岸 ②2日目(鹿島→石巻)

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【2】やむなく徐行 鹿島→仙台 2022年3月27日、日曜日。
 鹿島の祖父母宅で1日のんびりし、移動を再開する。今日から3日かけて青森県の八戸を目指し、4日目に再び鹿島まで戻ってくる予定だ。
 8時37分、平常より20分も早く仙台行きの列車がやってきたのでこれに乗る。常磐線は16日にあった地震の影響がまだ続いており、徐行運転を行う区間が多数あるため臨時ダイヤが組まれている。
 鹿島駅を

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上野発仙台行き「ひたち3号」常磐路を駆ける!

上野発仙台行き「ひたち3号」常磐路を駆ける!

※今回は写真を載せません。そういうチャレンジです。
風景を見たい、という方はぜひ動画の方もよろしくお願いします!

https://youtu.be/TjRqkvoGbhE

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「Terminal」上野駅とひたち号の話 長年の伝統、上野発の北へ向かう優等列車。
 常磐線から、その灯が消えようとしている。

 「ひたち」。東京の品川駅から、常磐線

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2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ⑤2日目その2(終)

2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ⑤2日目その2(終)

【まえがき】
ご覧いただきありがとうございます。今回が最終回です!
いよいよ大都市・広島を目指します。そしてようやく最後まで残ったタイトル「路面電車」を回収します。最後までごゆっくりお楽しみください。
それでは、出発進行!

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ローカル線は「通勤路線」へ 三次駅で待つことおよそ1時間、タラコ色のディーゼルカーがゆっくりと1番乗り場にやってきた

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2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ④2日目その1

2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ④2日目その1

【前書き】
ご覧いただきありがとうございます。いよいよ2日目、また早朝からのスタートです。まだローカル線をのんびりゆきます。
それでは出発進行!

↓前回はこちら

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始発列車、暗闇を行く 2021年12月12日、日曜日。

一晩過ごした宿に別れを告げて、新見駅にやってきた。まさか宿の廊下と階段の電気が全部消えているとは思わず、ケータイの懐中

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2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ③1日目その3

2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ③1日目その3

【まえがき】
ご覧いただきありがとうございます。まさか木次線だけで5000字使ってしまうとは思わなかったので、また分けました。今回は寒いし暗いです。
それでは出発進行!

↓前回

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山間のターミナル、暗闇の持久戦 17時01分、木次線の最終列車で備後落合駅に降り立った。

ここは芸備線と木次線がまさに「落ち合う」場所。かつて両線が陰陽連

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2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ②1日目その2

2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ②1日目その2

【まえがき】
ご覧いただきありがとうございます。その1だけで4000字消費してしまって書いた自分が一番驚いてます。今回も長いです。
それでは出発進行!

↓前回

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これが本物の「ローカル線」木次線をゆく(宍道→木次)

 さて、宍道駅での用もだいたい済んだので次の列車に乗っていく。
 ホームの乗換案内に書かれている行き先は「出

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2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ①1日目その1

2021冬 - 振り子式と、スイッチバックと、路面電車と ①1日目その1

【まえがき】
ご覧いただきありがとうございます。今回はめちゃくちゃ長いので、目次をうまいこと使ってください。分割どころが見つからなかったから許して。
前もってお断りしておきますが、路面電車要素はかなり少ないです。
それでは出発進行!
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Prologue
 2021年12月11日、土曜日。

 大手町駅で、東葉高速線からの始発電車

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2021春-房総半島を格安一周旅

2021春-房総半島を格安一周旅

1枚のきっぷ、無限大の可能性

 2021年4月1日木曜日、時刻は朝5時45分。

 船橋駅から、久しぶりの旅を始めていくことにしよう。

 今持っているのは、見ての通り船橋から総武線で一駅、西船橋までの普通乗車券だ。お値段140円。これで房総半島一周とは?と思っている読者の方も多いだろう。

 実は、JRの運賃計算の特例のひとつに、こんなものがある。時刻表にも載っている内容だ。以下引用。

大都

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