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岡山からきました→暮らしと心に留まるもの/雑記

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  • 果物は美しい FruitsLaboratoryPOMONA

    • 6本

    私たちは、果物や野菜を「味」「色」「香り」「栄養」「繊維」などに分解して考え、暮らしに取り入れたくなる新しい商品を生み出すための”果物研究所”です。 果物の美しさや奥深さ、畑や生産者さんのことも知ってもらうことで、 フルーツ王国・岡山の果物文化をより醸成していきたいと考えています。

記事一覧

固定された記事

#6座右の書のはなし

この本は私のバイブルだ。がちもんのバイブルだ。 「お前、これ読んどけ」三年前のある日、父にそう言って手渡された数冊の本のうちの一つがこの本だ。手渡されたなかには…

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3年前
15

八幡SAのラムネ憧憬

広島からの帰りの高速バス。 八幡の休憩所に近づくころ、時刻は午後5時前。 雲の少ない穏やかな日だった。 騒々しい夢を見たうたたねから目覚めると、美しい陰影を見せ…

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1年前

【POMONA対談 乙倉編2/2】湯を沸かすほどの熱いアイス愛。そしてPOMONA

ひとまず前編を読んでくださった方、 そして先週公開した橘編(前編・後編)も読んでくださった方。 正直思いませんか… 「ちょっと…長くない?読むの大変よ」 わかりま…

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2年前
8

【POMONA対談 乙倉編1/2】僕はデザイナー。そしてアイス屋さんでもある

橘編を読まれた方は、気になって仕方がないはず。 「柔らかな語り口調が独特な、 このインタビュアーはいったい何者なの!?」 「橘編ってことは…乙倉編があるはずよね!…

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2年前
8

【POMONA対談 橘編2/2】農家さんと関わるうちに、タチバナのなかに芽生えた想い…

前編を読んでくださった方はこうおもったはずです。 「POMONAいっこもでてこーへんやないかい」 「こっちゃ、POMONAが何か気になって夜も寝られへんちゅーのに」 まあま…

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2年前
11

【POMONA対談 橘編1/2】タチバナ、実はスムージー屋をする予定なんてなかった

POMONAのことを知りたくて知りたくてたまらない皆さま、お待たせしましたでもちょっとまって。 POMONAはおろか、モアフルや橘についてもよく知らない。 なーんて方、ブラ…

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2年前
9

#14 自分のだめなところってどうしたらいい?

誰にだって自分のなかに欠点だと思うところがあるとおもう。 私だったら、〆切ギリギリになるまで課題をやらないこととか、机が片づけられないこととか、根拠なしに主観的…

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2年前

#13今年入って初めて梨を食べたはなし

和梨が果物の中でいちばん好き。 福山にいたころ、毎年秋になると家族で世羅へ梨狩りにいっていた。 空一面を天井のように覆いつくす梨の枝のしたにはピクニックシートが…

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2年前
2

#12革靴から出てくるはなしのはなし

インタビュー記事を書いて頂いた!岡山にもっと革靴文化を広めたいそうさんが、私の革靴エピソードを記事にしてくださいました!ありがとうございまあす!! そうさんは岡…

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3年前
3

#11ビール鍋のはなし!!

ビール鍋つくった話を書きます!!! こちらの記事の続きに当たります↓ 留学先で脱水症状になり、そのまま風邪をひいた。 授業にも行けず、寮の自室に閉じ籠もる日々。 …

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3年前
3

#10エスプレッソがおいしい

エスプレッソが美味しい ドリップよりもエスプレッソが好きだ (恋人の淹れるドリップは別) コーヒー屋で働いているが、コロナの影響でドリップメニューがなくなり、エス…

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3年前
13

#9闇は青よりいでて…

桜散りかける季節の午後6時すぎ 昼間の空を悠々と支配していた青は、やがて太陽とともに地上へと降りてくる。 世界がどんどん青くなっていく。 夜の闇は青から始まる。 …

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3年前
4

#8ヒップホップに惹かれたのは

ストリートな人たち 全体的にダボッとしたシルエットのファッションをして、 夜の街角で仲間とタムロっているイメージ なぜ惹かれるのか 4歳からピアノを習い、合唱部→…

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3年前
6

#7「きょうのしおりちゃんは?」

「きょうのしおりちゃんは?」幼い私を寝かしつけるべく、私の隣で横になった母がいう。 これは日課で、寝る前にその日あったことを二人で振り返る。大抵は母が話したが、…

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3年前
1

#5マキネッタのはなし

新しい趣味ができました。  マキネッタでコーヒーを淹れることです。 うちのマキネッタうちで活躍し始めたかわいいマキネッタは、2019年夏にひと月のドイツ留学をした際…

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3年前
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#4雪組のはなし

 宝塚沼に頭からダイブして戻ってこない友人がいる。高校の定期代を観劇費用にあてて学校に来なくなった奴である。彼女の勧め(ほぼ無理やり)で何度か観劇に行ったが、その…

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3年前
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#6座右の書のはなし

#6座右の書のはなし

この本は私のバイブルだ。がちもんのバイブルだ。

「お前、これ読んどけ」三年前のある日、父にそう言って手渡された数冊の本のうちの一つがこの本だ。手渡されたなかには「若きウェルテルの悩み」「日本人はいかに生きるべきか」「単純な脳、複雑な「私」」「人生がときめく片付けの魔法」などもあった。最後のは、あまりに私の部屋が汚いからに違いない…。

ウェルテルの洪水のように溢れ出る激しい心が、ドイツの四季折々

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八幡SAのラムネ憧憬

広島からの帰りの高速バス。

八幡の休憩所に近づくころ、時刻は午後5時前。

雲の少ない穏やかな日だった。

騒々しい夢を見たうたたねから目覚めると、美しい陰影を見せる山々、柔和な色合いの空。

バスを降りれば、暖かい日差しに冷たい空気、自由の空気。

サービスエリアのセブンイレブンで買った大和ラムネを、歩きながら飲もうとビー玉を中へ押しやった。

するとプシュウと音と音を立て、水しぶきと泡が噴き

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【POMONA対談 乙倉編2/2】湯を沸かすほどの熱いアイス愛。そしてPOMONA

【POMONA対談 乙倉編2/2】湯を沸かすほどの熱いアイス愛。そしてPOMONA

ひとまず前編を読んでくださった方、

そして先週公開した橘編(前編・後編)も読んでくださった方。

正直思いませんか…

「ちょっと…長くない?読むの大変よ」

わかります。
編集してる私もさすがに肩こってきました。

なので息抜きがてら、冒頭はライトに「POMONA名付け秘話」なんていかがでしょう。

ほら、なんだか読めるような気がしてきたと思いませんか…?

ではどうぞ

POMONA名付け秘

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【POMONA対談 乙倉編1/2】僕はデザイナー。そしてアイス屋さんでもある

【POMONA対談 乙倉編1/2】僕はデザイナー。そしてアイス屋さんでもある

橘編を読まれた方は、気になって仕方がないはず。
「柔らかな語り口調が独特な、
このインタビュアーはいったい何者なの!?」

「橘編ってことは…乙倉編があるはずよね!?」

もちろんです。もちろんです。
今から始まりますとも。

皆さまが知りたくてたまらない、
乙倉氏は何者なのか、AOBAとはどんな店なのか、
そしてPOMONAはどのようにして始まったのか。

橘編をまだ読んでいないという方は、

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【POMONA対談 橘編2/2】農家さんと関わるうちに、タチバナのなかに芽生えた想い…

【POMONA対談 橘編2/2】農家さんと関わるうちに、タチバナのなかに芽生えた想い…

前編を読んでくださった方はこうおもったはずです。

「POMONAいっこもでてこーへんやないかい」
「こっちゃ、POMONAが何か気になって夜も寝られへんちゅーのに」

まあまあ、落ち着いてください。
このあと橘氏が思う存分語ってくれますから、ご安心ください

それでは続きをどうぞ――

POMONAとは?
乙倉:なるほど、じゃあモアフルのことと、お店ができた経緯とかどういうことをするお店かってい

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【POMONA対談 橘編1/2】タチバナ、実はスムージー屋をする予定なんてなかった

【POMONA対談 橘編1/2】タチバナ、実はスムージー屋をする予定なんてなかった

POMONAのことを知りたくて知りたくてたまらない皆さま、お待たせしましたでもちょっとまって。

POMONAはおろか、モアフルや橘についてもよく知らない。

なーんて方、ブラウザバックしないで。

よく知ってる方も、そうでない方もみなさん楽しめる対談

…のはずですから。

こんにちは!初めての方ははじめまして
株式会社POMONAでインターンをしております、しらがしおりです。

みなさん、PO

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#14 自分のだめなところってどうしたらいい?

誰にだって自分のなかに欠点だと思うところがあるとおもう。

私だったら、〆切ギリギリになるまで課題をやらないこととか、机が片づけられないこととか、根拠なしに主観的な感情でばかり主張するところとか。

だから私はダメなんだーって落ち込むんだけど、

落ち込んだってしょうがないのかなあと、さっきお風呂に入りながら考えた。

テキトーにぱっと開いたページでも必ず学びやハッとさせられることが見つかる、毎日

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#13今年入って初めて梨を食べたはなし

#13今年入って初めて梨を食べたはなし

和梨が果物の中でいちばん好き。

福山にいたころ、毎年秋になると家族で世羅へ梨狩りにいっていた。

空一面を天井のように覆いつくす梨の枝のしたにはピクニックシートが敷かれ、背丈が足りない私は父親にだっこされて梨の実に手を伸ばす。

ざらざらして光沢のないこがね色をした梨の実。幼い手には余るその大きな実をねじって持ち上げると、ポキッと収穫できる。

受付で人数分渡される白いプラスチックナイフは、家で

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#12革靴から出てくるはなしのはなし

#12革靴から出てくるはなしのはなし

インタビュー記事を書いて頂いた!岡山にもっと革靴文化を広めたいそうさんが、私の革靴エピソードを記事にしてくださいました!ありがとうございまあす!!

そうさんは岡山で革靴サークルの立ち上げを画策中の方で、革靴に関することを扱ったブログを書いていらっしゃる。

そのなかでもイチオシなのが、「岡山革靴コラム」シリーズ。革靴を磨きながら、そのひとと革靴の物語を引き出していくという、なんとも魅惑的な企画の

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#11ビール鍋のはなし!!

#11ビール鍋のはなし!!

ビール鍋つくった話を書きます!!!
こちらの記事の続きに当たります↓

留学先で脱水症状になり、そのまま風邪をひいた。

授業にも行けず、寮の自室に閉じ籠もる日々。
熱のせいで寒いし、だるい。ドイツの風邪に免疫などあるはずもなく、久々にコテンパンにやられた。熱を下げるには、体を温めて汗をかくしかない。

体を温める方法。
それは、野菜スープと酒だ。すっかり弱りきった私の頭が導き出した答え。かなりす

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#10エスプレッソがおいしい

#10エスプレッソがおいしい

エスプレッソが美味しい
ドリップよりもエスプレッソが好きだ
(恋人の淹れるドリップは別)

コーヒー屋で働いているが、コロナの影響でドリップメニューがなくなり、エスプレッソばかり飲むようになったのがきっかけである。

丸く芯のある味、優しい口当り、カフェラテにしてもアメリカーノ(お湯割り)にしても、アイスもホットも美味しい。はあ。

アイスのカフェラテ↓

マキネッタァ!(バケラッタの発音)突然ど

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#9闇は青よりいでて…

#9闇は青よりいでて…



桜散りかける季節の午後6時すぎ
昼間の空を悠々と支配していた青は、やがて太陽とともに地上へと降りてくる。
世界がどんどん青くなっていく。
夜の闇は青から始まる。
白い壁もデニムの色移りのような弱い青へ。
ハンドルを握る手の甲も青みがかり始める。

一方、マゼンタカラーに始まる夜を見たことがある。

9月のドイツ、ボーフム。
昼間の熱気を逃すため開けていた窓から、
いつのまにか静かに部屋に充満し

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#8ヒップホップに惹かれたのは

#8ヒップホップに惹かれたのは

ストリートな人たち

全体的にダボッとしたシルエットのファッションをして、
夜の街角で仲間とタムロっているイメージ

なぜ惹かれるのか

4歳からピアノを習い、合唱部→吹奏楽部→弦楽部→オーケストラとクラシック音楽を中心とした音楽生活を送ってきたが、
高校生のある日、ダンス部に入った友達が言った
「合法的なトビ方のススメって知ってる?」
最初はわけがわからなかった。
歌詞は聞き取れないし、テンポは

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#7「きょうのしおりちゃんは?」

#7「きょうのしおりちゃんは?」

「きょうのしおりちゃんは?」幼い私を寝かしつけるべく、私の隣で横になった母がいう。
これは日課で、寝る前にその日あったことを二人で振り返る。大抵は母が話したが、年長にもなれば自分から言うようになった。

「まずー、あさ起きました。そのあとあさごはんを食べて、幼稚園にいきました。そしてー…」
「あっちゃんとあそんだの」
「あっちゃんとあそびました。それからー…」

母の落ち着いた口調で、淡々とその日

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#5マキネッタのはなし

#5マキネッタのはなし

新しい趣味ができました。 
マキネッタでコーヒーを淹れることです。

うちのマキネッタうちで活躍し始めたかわいいマキネッタは、2019年夏にひと月のドイツ留学をした際に、街の雑貨屋さんで並んでいたもの。

はじめは恋人へのおみやげのつもりが、ドリップ派の彼の家でほこりをかぶっていたため、昨日うちに連れ帰った。

一杯用のちいさなマキネッタ。1000円ぐらいの。

ぷくぷくいいながらコーヒーを吹き出

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#4雪組のはなし

#4雪組のはなし

 宝塚沼に頭からダイブして戻ってこない友人がいる。高校の定期代を観劇費用にあてて学校に来なくなった奴である。彼女の勧め(ほぼ無理やり)で何度か観劇に行ったが、そのほとんどが雪組公演。トップ男役の”だいもん”こと望海風斗さん、そしてトップ娘役の”きいちゃん”こと真彩希帆さん。同じ沼にはめようとしてくる友人に対し、決して沼にははまらぬと抵抗する私だが、このお二人の魅力については多少語ることができる。前

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