【POMONA対談 橘編1/2】タチバナ、実はスムージー屋をする予定なんてなかった
POMONAのことを知りたくて知りたくてたまらない皆さま、お待たせしました
でもちょっとまって。
POMONAはおろか、モアフルや橘についてもよく知らない。
なーんて方、ブラウザバックしないで。
よく知ってる方も、そうでない方もみなさん楽しめる対談
…のはずですから。
こんにちは!初めての方ははじめまして
株式会社POMONAでインターンをしております、しらがしおりです。
みなさん、POMONA(ポモナ)という会社、そしてブランドをご存知でしょうか?
「名前は聞いたことあるけど、なんの会社なの?」
「モアフルの店長が何かしてるみたいだけど…え、ブランド?」
「いやそもそも聞いたことない」
大丈夫です。
これを読めば、POMONAのことはもちろん、モアフルや店長・橘についてもよおくわかりますから。
POMONAの読み物の、記念すべき初投稿でお届けするのは、
橘×乙倉のラジオ形式の対談記事です。(2021年6月収録)
第1弾は株式会社POMONAの代表である橘将太氏に焦点を当て、
前編・後編の2本立てでお届けします。
それでは収録スタート!
橘:こんにちは、Fruits Laboratory POMONAです。
POMONAは岡山を拠点にくだものの文化や未来について考える、果物研究所です。
ブランド名は、ローマ神話に登場する果物や栽培の女神ポーモーナにあやかって名付けました。
ここではPOMONAの代表橘と副代表乙倉が、日々の取り組みや考えていることについて、対談形式でお伝えしていきます。
株式会社POMONA代表・橘将太
株式会社POMONA副代表・乙倉慎司
さて。さてさて第一回目となりますが、今回は前編・後編の二つに分かれております。
POMONAはまあスムージー屋の橘とアイスクリーム屋の乙倉が立ち上げたブランドなんですね。
で、まずは自分たちについて知っていただけたらと思います。
橘とは?そしてモアフルとは?
乙倉:じゃあ僕から色々質問をしていきますので、
「橘とは何ぞや?」という事を、皆さんに知っていただけたらと思います。
橘のプロフィール
乙倉:まずは、お店の名前、フルネーム、年齢、そして好きな果物を教えてください。
橘:はい、お店の名前はmore fruits、モアフルと言います。
橘将太(たちばなしょうた)と申します。
年齢は33歳です。
好きな果物は、ル・レクチェという洋梨が大好きですね。
乙倉:いいですねー。
モアフルのコンセプト
乙倉:ではモアフルがどんなお店かっていうことや、
コンセプトについて伺いたいです。
橘:コンセプトは「日常にもっとフルーツを」っていって、
これを直訳したのがmore fruits(以下モアフル)なんです。
僕がね、農家さんの広告塔としていろいろ動いているんですね。
農家さん忙しいなか、こうやって天候や気候がすごく変動するなか一生懸命頑張っていらっしゃってて。
「なぜ果物ってこんなに高いの?」ってなってる方もきっといらっしゃると思っていて。
乙倉:そうですね。
橘:でもなぜ果物こんなに高いのかっていうのを、僕がお伝えできたらいいなと思っていて。
例えば作るのが非常に難しいとか、その後の採れる量が少ないとか、結構いろんな要因があって。
でも消費者、買う側はそういうの全然わからないと思うので、
なるべく農家さんにはしっかりおいしいものを作っていただいて、
僕がそれを見て聞いて、で代わりに伝えるっていう事をしたいなと思っております。
美咲ブルーファーム寒竹の小坂(おさか)さん(左)と橘氏(右)
林ぶどう研究所の林さん(右)と橘氏(左)
橘:
そんな活動もしながらお店はスムージー屋なんですけども、
「日常にもっとフルーツを」というのは、「じゃんじゃんスムージー飲め、毎日飲め!」ってことじゃなくて(笑)
うちのスムージーを飲んだのがきっかけで、例えば今(収録当時6月)だったら
『板野さんの足守メロンのスムージー』を飲んだのがきっかけで
スーパー行ったときに果物を買ってみるとか。
なんかそういう、ちょっとした足掛かりになればなと思っています。
橘:でお店の特色というか、ほかのカフェとはちょっと違ってて、
うちスタンディングカフェなんですね。立ち飲み屋なんですよ。
乙倉:あー確かにね。
橘:そうそう、椅子がまあ、ちょこちょこあるのはあるんですけど、
非常に座り心地の悪い丸太が一本どんておいてあるだけなので、
「長居しにくいだろうなー」と思うんですが、
それでも6時間しゃべって帰ってくれるお客さんもいてて。
乙倉:はい
橘:スタンディングカフェだけど、割とお客さんと僕との距離が結構近かったり…。
ん-例えるならば立ち飲みのスナック、みたいな感じで。
まあ僕とこうーまずは仲良くなったり。
で、毎週一回来てくれる人、常連さんとかと、その来てくださった方をこう繋げてみたり。
でそこが仲良くなって、この仲良くなった輪がどんどん大きくなってきて、
『モアフルを担う人』なんていう、ちょっとしたグループみたいな、
僕のこのモアフルを支えてくれる人が何人もいるコミュニティがあったりとか。
結構そういう、なんだろうな、狭いコミュニティ、というかなんというか。広がりのあるコミュニティというか。
そんな感じでちょっと一風変わったカフェになっております。
乙倉:確かに。
なんかあの、木の大きい角材がドドドドって並んだカウンターと、
それを横に寝かせた椅子があるお店ですもんね。
橘:そうそうそう、本当はもっとシンプルにしたいんだけど、
結局こう僕が物を溜め込みすぎてどんどん煩雑になっていくというね(笑)
乙倉:確かになんかバルみたいなイメージ。バーみたいな。
フルーツバーみたいなイメージありますよね。
橘:うんうんうんうん
お店の場所
乙倉:お店の場所はどこにあるんですか?
橘:あ、お店はですね、
岡山市北区奉還町っていって、岡山駅西口に降りていただきましてすぐ商店街があるんですよ。
奉還町商店街というものがありまして、これを、この商店街をずっとひたすら10分15分ぐらい西に向かって歩いていくんですね。
そうすると左手に、ちょっとわかりにくいんですけど、ポツンとスムージー屋があるような形ですね。
乙倉:いいですね、いいですね。
なんか道中楽しいですよね、毎回。
橘:そう。お店も増えてきて、
で昔ながらのお店もあるから。
ま今ちょっとこうね緊急事態宣言でちょっとお休みされているお店もいっぱいあるんですけど、
本当はもっとこういろんなお店がいっぱいあって活気がある、
なんというかこうノスタルジックな、まあよく言えばね、よく言えばノスタルジックな商店街の中にありますね。
乙倉:なんか割と楽しく歩いてたらつくイメージがありますね。
橘:ああー、ほんとに。
それはでもありがたいねえ。
モアフルの商品
乙倉:そんなモアフルは、改めてですけど、
どんな商品を提供していますかというところはいかがですか?
橘:基本的にやっぱスムージー屋なので、スムージーがメインなんですけども、
僕自身スムージーよりも果物は生で食べた方が絶対に美味しいって思っているので(笑)
スムージーの上にドンと果物がのったスムージーパフェというものをやってみたりとか。
あとはジャムだったり、果物系の商品が多くて。
池宗さんが作ったシャインマスカットのスムージーパフェ
橘:あと最近その百寧(もね)ちゃんっていうですね、スタッフが増えたんですけど、
この子がですね、まあかわいらしい子なんですが、
この子実はパティシエールで、非常に経験を持った女の子で。
まあその子がですね、その果物を使って加工して美味しいスイーツに変えてくれてるんですね。
それでちょっと今モアフルの幅が広がってるんじゃないかなって勝手に思ってます。
乙倉:(商品は)なんでスムージーだった、みたいなのってありますか?
橘:ああー…
まあ、正直スムージー屋じゃなくても何屋さんでもよかったんだけど。
乙倉:すーごい発言ですけどね(笑)
橘:そこに特にこだわりはなくて、
まあただその日常っていうところを考えたときに、
パフェとかそういうのじゃないなって思って。
もうちょっとこう手軽に飲めたり食べたりできるものがいいなと思って、
フルーツジュース、まあいわゆるフルーツジュースなんだけど。
ジュースって基本的に氷がドンドンドンって入って、じゃあ液体をザーって入れて、ハイ出来上がり、じゃない?
乙倉:うん
橘:冷えておいしいんだけど、飲み終わったときに氷が残るのが非常になんかこう、「なんだかなあ」感。
「ほぼ氷だったんでしょ」みたいな、
ちょっとがっかり感が…ある。
乙倉:なるほど確かに。確かにある。
橘:スムージーだと、氷も実も皮も種も全部ミックスして、
で飲み終わった時にはもう、
果物の繊維がちょっと、ちょっとついてるぐらいで、
ちゃんと最後まで飲みきれるところに僕は魅力を感じて、
スムージーにしたっていうところですね。
乙倉:なるほど。
スムージーってその、たくさん種類があるんですかね。
橘:常時、大体20種類あるかなーぐらいはありますね。
まあ定番商品と、旬の商品とあって、
旬のものはもちろんその季節によってころころ変わって、
定番はそのまま、常にあるような果物を使ってます。
モアフルのメニュー(12月現在)。左が季節の果物・野菜を使った旬のもの、右がどの季節にもある定番の顔ぶれ。ちょうどパクチーのスムージーが売り切れてますね。
乙倉:あの先ほどのスムージーパフェって、どんな果物がのる、みたいな説明いいですか?
橘:ああ、スムージーパフェも基本的には季節の果物で作るんだけど、
これからの季節でいうと、桃のスムージーパフェがでてきて※
※収録当時(6月)はちょうど桃の季節の直前。
記事公開は12月なので、次に来るのは雪本さんのいちごのスムージーパフェですね。
これがまた濃ーい甘さのいちごをたっぷり頬張れる素敵なメニューで…
桃のスムージーパフェの写真がなかったので、代わりに載せときますね。
雪本さんのいちごのスムージーパフェ
乙倉:ああ…っ来ますね…ついに。
橘:桃の季節が来ますよ。忙しいぞぉ。今から憂鬱なんですが(笑)
下がSサイズのカップにスムージーが入ってて、
例えば桃だったらつるんと全部皮だけ剥いて、種はくりぬいて、もう桃の状態?
切らずに桃のこの丸い球体の状態でぼんってのっかるような、
ちょっとこう見た目インパクトのあるものですね。
乙倉:あれ、難しそう!
橘:これ以外と簡単で。
熟れてたらとっても簡単。
乙倉:あ、なるほど。
橘:そうそう。
あの、熟れてないとやっぱりこう皮が剥きにくいんだけど、
熟れてれば皮剥いで種もきれいに…。
種はね、あの小さじ、小さじってあるじゃない?
あの僕がよく使うのは無印の小さじなんだけど、ステンレスのもので、
こう手首くるってひねったら、すぽんって抜けるような感じなので、
是非皆さんやっていただきたいんですけどね。
乙倉:暮らしの知恵ですねー…。
桃以外にはどんな種類があるんですかね?
橘:桃以外にはですね、
例えば足守メロンだったり、
えー、ぶどうも品種によって全部分けているんですけど、
桃太郎ぶどうだったり、ピオーネだったり、
いちごだったり、
結構こう品種でちゃんとうちは書いてるのでー、
まあそういう楽しさもあるんじゃないかなと思ってます。
乙倉:確かに。モアフル結構ね、
「その品種ごとに食べる」っていうシーンをたくさん作ってくれるから、
毎回楽しいですよね。シーン、シーンで。
橘:そうそう。
食べ比べができるのはちょっとね、
楽しみになるよね。
2周年:十人十色なスムージー
乙倉:あとあれも説明してほしいですね。
あの、シェフの気まぐれみたいな、
オーダーのスムージー。
橘:あー!
オーダーのスムージーはその2周年の時にやったんだけど、
この前の(2021年)2月がちょうど2周年やって、
普通に営業しても面白くないなと思って、
来たお客さんのオリジナルのスムージー、十人十色なスムージーを考えようと思って。
その人が今の気分でさっぱりしたものがいいって言ったらさっぱりしたもので作ってみたり、牛乳ベースがいいって言われたら牛乳ベースで、とか。
嫌いな果物めっちゃ聞いたり、その人の気分だったり、
こういうイメージで作ってくれとか。
すごい難しいなと思ったのは、
ガンダムのシャアをイメージして作るんですよ(笑)
乙倉:それは難しいですね。
橘:なんかそんなオーダーを頂いたり、まあそういうちょっと一風変わった、
完全オリジナルスムージーでしたね。
全部で100何杯ぐらい作ったから、たぶん途中かぶってたりするんだろうけど、
100杯近く100種類近く作れたんじゃないかなと思ってます。
乙倉:すーごーいー。
だんだんこう引き出しが無くなっていくみたいな(笑)
橘:あるあるある、あるよー。
しかも同じ人がこう何回も来たりするパターンもあるからその都度ね、
変えなきゃいけなくなる(笑)
乙倉:でもあれはなんか満足度は高いし、
僕なんか大葉が入ってるスムージー大好きなんで、
いつも橘さん適当になんかお願いって言っても入れてくれるじゃん。
あれけっこうね、お客さんからすると嬉しいポイントですね。
お店を始めたきっかけ
乙倉:じゃじゃじゃ、お店の概要はこれぐらいにして。
先ほども少しあったんですけど、そのお店をすることになった経緯、
なんでこうモアフルやることになったんですかね?
橘:モアフルやることになった経緯でいうと、
前職で果物関係の仕事をしてまして、そこを辞めたいってなった時に
この奉還町商店街で不動産屋をしている僕の高校の同級生がいて、
その同級生が引っ張ってくれて、僕1年間不動産屋をしたんですけど…
乙倉:不動産は何をしたんですか?
橘:僕は最初賃貸と管理をさせていただいたんですが、
あのまあー…不動産屋が向いてなかったらしく、
本当にちょっと一瞬病むぐらいのレベルで合わなくて(笑)
高校の同級生が気を利かせて事実上の左遷という形で、まあ彼自身がね、奉還町商店街にお店つくりたいってのがそもそもあって、
で僕がその果物知識だったりノウハウがあるから、「岡山の果物を使って何かやってみようや」から始まったお店なんですね。
乙倉:うん。
橘:でーまあそこから始まったので、本当なんだろう前の知識もあるけど、
ほぼほぼそのレシピはもう全く違う新しいものに変えたし、
言ったらあれだけどまあすごく僕の口に合わない、
あんまこう自分はいいと思ってなかったから、
自分のいいものに変える、ちょっとアレンジして変える、みたいな。
ちょっとしたプラスだったり、
もうちょっとぜいたくに使ってみようとか何とか、
そういう感じで味を変えたりしながら、はじまったのが最初の経緯かな。
橘の前職
乙倉:そのいわゆる新卒で、もう果物の会社に入った?
橘:そうだね。
なんか新卒もまあ僕5年大学行ったしで、そのあと半年フリーターをして、
で2か所候補があって、ひとつは果物屋でもうひとつは実はアルソック。
乙倉:ええ…
橘:警備会社だったんだよ。
乙倉:初めて聞いた…そうなんですね。
橘:僕の知り合いがまあアルソックで働いてて、ま、そこそこに偉い人だって、
でまあ「そうやってくすぶってるんだったらうち来いよ」って言ってくれたから、一応受けに行ったらまあ受かって、
でも果物屋さんの方も受かって、で天秤にかけたときに
アルソックってちょっとものすごい苦手な、体育会系なタイプ…
乙倉:あー
橘:行くぞうぇーい!みたいな感じだったからちょっとお断りをして、果物の会社に行ったんですね。
僕は結構自分の人生の分岐だったのかなって、今思えば。
アルソックのほうに行ったらモアフルはきっとなかっただろうしね。
乙倉:でしょー。
果物自体も別に昔から何か興味があってーとか、そういう農業とかに…
橘:全然。
あー、強いていうなら大学のゼミが経済学部だったんだけど、
「畑からお金になるまで」みたいな感じで、結構フィールドワーク系だったのね。
乙倉:あ、それも初めて聞きましたね。
橘:そう、だから結構農業だったり、ま果物じゃないけど、野菜を育てたり、しいたけの植菌したりとかしながら。
大学時代は3、4回生はそのゼミに入ってやってましたね。
乙倉:じゃなんか、その果物の会社を選んだ時も、
なんかそういうちょっとなんか食べるものとか農業とかっていうのを、
なんか頭にあったはあったの?
橘:うんーあったかと言われたら微妙やねえ。
まあなんかいろんな人に「接客が向いてるよ」なんて言われることが非常に多くて、自分ではあんまりそうは思ってないけど、
まあそうやっていうんだったらまあ合ってるだろうと思って、
そういう接客業っていわれる方に入ったっていう感じかな?
乙倉:そのときはじゃあ主にその果物を出すお店で、
対お客さんの仕事をしてたっていう事ですか。
橘:そうですね。
僕はBtoCと、BtoBもあったんですけど、
それこそ一番最初は梅田、阪急のお店で働いて、
そのまま倉敷・岡山に帰ってきて、美観地区の店で働いてるっていうちょっとこういう対お客さんのことがずっと続いてて。
で、ま消去法なんかな、
なんかわかんないけどエリアマネージャーに昇格して、
でエリアマネージャーになってからは裏方の、ポップつくったり、
まあなんか数字がうんぬんかんぬんやったり、とか。
で足りないところで僕がヘルプでお店に入ってみたいな感じでしたね。
乙倉:ふーん。
でもその時の経験はかなり生きてますよね。モアフルにせよ、POMONAにせよ。
橘:そうだねー。
なんかまだハタチそこそこのね、まだ入りたてほやほやな、そんな右も左もわからんような人間に店長とかそのマネージャーとかさせてくれたのは
すごくありがたかったんだなって今思えば、思いますね。
(後編に続く)
後編ではいよいよFruits Laboratory POMONAの核心に迫っていきます。
どんな思いで始めたのか?
モアフルとPOMONAの関係は?
こちらを橘氏の口からきいていきたいと思います。
後編はこちら!
〜リンク集〜
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