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【POMONA対談 橘編2/2】農家さんと関わるうちに、タチバナのなかに芽生えた想い…

前編を読んでくださった方はこうおもったはずです。

「POMONAいっこもでてこーへんやないかい」
「こっちゃ、POMONAが何か気になって夜も寝られへんちゅーのに」

まあまあ、落ち着いてください。
このあと橘氏が思う存分語ってくれますから、ご安心ください

それでは続きをどうぞ――

POMONAとは?

乙倉:なるほど、じゃあモアフルのことと、お店ができた経緯とかどういうことをするお店かっていうのは大体わかってきたんですけど、

そんなモアフルの橘が今回その『果物研究所』を名乗るPOMONA、っていうことをやることになったのは去年?の今頃ぐらいですかね?
ちょうど一年前ぐらいから話とかしだしたから…。

そういうなぜPOMONAをやるのとか、POMONAやることになったきっかけでもいいんですけど、なんかモアフルとPOMONAの関係性みたいなのをたぶん皆さん知りたいんじゃないかなと思って。

モアフルとの関係性

橘:なるほどなるほど。

まあー、そうだね、POMONAとモアフルの関係性でいうと、うちアパレルも実は置いてあって、

fruits of the roomっていう、アメリカのメーカーさんのものを置いてるんですけど、そこが果物染めのTシャツだったりパーカーだったりを売ってたんですね。

こちらのTシャツ・パーカーは、お店で買うことができます。ちなみに私はキウイ染めのTシャツをもっています^^

橘:それをこう新しくデザインというか、ロゴを入れて、
モアフルですよーみたいな感じで売ってはいるんですけれども、
「果物を染料にするって面白いな」と思って。

果物、うちでいうとピオーネのスムージーはピオーネの皮をとっちゃうから、皮を使って例えば染料にするとか、
こういうのができたらいいあなってやんわり思っていたところに、

仲良くなったAOBAの乙倉君というものがね、いてて、
結構同じタイミングでね、いろいろこうお店もしてたりとかで、
結構こう共通点が多くてね。

乙倉:うん

橘:それこそ最初のモアフルじゃないけど、
果物を使って何かするか?みたいな、

なんだろうな、いま果物が置かれてる状況が
正しいのか正しくないのか?
ってところも含めて、なんかいろいろ話したりしてる中で生まれたのがPOMONAかなあと思っていて。

で、『果物は美しい』っていうコンセプトでPOMONAは始まったんだけど、まあなんかそういう果物を偏愛してる僕たち二人が…

乙倉:んふふふ…

橘:「この曲線が~(笑)」とか、こう「軸が枯れていくのが~」とか、

なんかそういうのをね、なんか喋っていくうちに勝手にブランドになり、勝手に会社になったっていうような感覚でいてて。

ビジネス感というよりかは、社会貢献でもないし、
なんか割と果物使ってワイワイがちゃがちゃして楽しんでる
っていうニュアンスというか。

乙倉:うん

橘:で僕は、勝手にいます。

乙倉:一緒ですねぇ…(笑)

そうですよね、だからそのモアフルだけじゃできなかったことが、
もしかしたらPOMONAっていうブランドを僕らで掲げることで
できることが広がるとか、届く人が増えるみたいな、
なんかそんな感じですかね?

橘:そうだねー、なんかやっぱまあ何だろう。
僕が持ってるものと、乙倉君の持ってるもので、全然違うものがやっぱりあるから、

そこでまあ単純に幅は広がるし、
「果物って食べる以外の使い方があるんだ」ってそういう面白さは広がっていったな、っていう感じがしますね。

なぜ二人で会社をつくったか

乙倉:なんかこの前あの、なんかこれから事業をやろうとしてる、
あのね、橘さんも知ってる共通の知り合いなんですけど、

その方に「なんで橘さんとツートップで会社まで立ててやろうと思ったんですか?」って聞かれて、

橘:ほえー

乙倉:今そのでこぼこがいいかんじにハマったっていうのと、
でまあこの前編・後編でね、モアフルとAOBAの話しますけど、

お互いもう個人個人でちゃんと最低限うまくいっているっていうのに関わらず、自分でもう自分をたててやる覚悟を持ってやってたから、
二人でやるなら、まあよりやりやすくなるんじゃないのぐらいのつもりで僕はいたんですけど(笑)

なんか結構やっぱ傍から見ると、
「なんでスムージー屋さんとアイス屋さんが、果物研究所なるものを作って、(ま、そんな大きな話じゃないですけど)事業一緒にやるようになったの?」っていう所は結構よく聞かれるなと思ったんですよ。

橘:へーそうなのね

乙倉:僕らからするとすごい自然…

橘:そうやなあ…なんかまあ勝手にそうなったぐらいの。意図せず(笑)

乙倉:まああんまりいうと出資元さんに怒られるんですけど(笑)

果物産業にみる課題

乙倉:まあね、いろんな人のご支援を頂きながら、僕らがやりたいって思ってたことと、さっき言ってたその社会課題っていうのが一方で、

僕らはすきなことをやらせてもらってますけど、僕らなりにその色々課題、農家さんと関わる中で、課題に感じていることたくさんあって。

何かその辺ってどういう風に考えてるとか、POMONAでどういうことをしたいとかありますか?

橘:単純にお金にならない果物って一定数あって、木から落ちた果物だったり、「この時期だからおいしくない」ものができたりとか、ただまあ色づきはいいよ、とか。

なんかそういう果物や差異が結構あるっていうのも、農家さんと話しているうちに知って、

でそれをどうしてるかっていうと、結局捨ててしまったり、誰かにあげたりっていう事で結局「ゼロ円」「お金になってない」っていう現状がなんだかなっていうふうに思って、

でそれをまあ使ってさっき言った染料だったり、
においが出る香料だったり、
なんかそういうものにこういろいろ分解していくと、

農家さんは例えばゼロ円だったものが一円で買ってくれるとか、それに価値が出ると、助かる農家さんはいっぱいいるんじゃないかな?とか、その新規就農するひとたちにも新規就農しやすい環境になるんじゃないかなっていうのは、一番最初に思ったかなあ。

乙倉:その新規就農の方のところの考え方は、ご説明あったら、皆さん伝わるかも。

橘:うん、新規就農するにあたって、果物って基本的には3年とか5年とか、収穫するまで、果物がお金になるまですごく時間がかかるもので、

でも例えば3年で実が採れますってなったときに、その1,2年は何もしないかっていったら、そうじゃなくて、

結局畑に行って、木の状況を見たりだとか、手入れをしながら、しなきゃいけないんだけど、その期間は結局ゼロ円なわけで。

そういう時に、例えば果物の葉っぱで何かできるとか、果物なるはなるけど食べれるほどでもなくて、でこういう果物・野菜は何か使えないかみたいな、

そこでゼロ円だったものをこう僕たちが価値を提案することで、わりとその新規就農しやすい環境になるんじゃないかなと思っています。

乙倉:なんかこういうのも、結局普段から農家さんと僕ら割と密に接したり、あの基本的に畑は見に行きたいじゃないですか、
どんなふうに育ててるとか、そういう僕らの気づきでもありますよね。

橘:そうですね。
やっぱり話を聞けば聞くほど農家さんって休みがないし、もう暑いし寒いししんどいっていうのが非常に、言わないけど伝わってくるから、

何とかしてあげたいっていうとちょっとおこがましいけど、「なんかスムージー以外でできるといいな」と思ったのがというかね。

乙倉:なんかフルーツラボ、あるいは果物研究所って呼びだしたあたりからなんかその辺が明確になりましたよね。

僕らのほうでは新しいことをやってみるとか今まで作ってなかったものに手を付けてみるみたいな

橘:うんうんうん。

まあ農家さんもね、基本的にその果物を作る以外ってなかなかこう手が付けれなくて、もちろんそのいろんなね、加工品をつくったりっていう農家さんももちろんいるんだけど、

まあみんながみんなそうじゃなくて、そういう人たちもでも何かやりたいっていう気持ちはあったりして。

でそういう人たちと僕たち、僕たちももちろんクリエーターだけど
違うクリエーターさんたちとかとこう、何だろう
マッチングとかいろいろこう相乗効果が生まれるような
組み合わせをこう考えてあげるっていうのが、
まあPOMONAかなと、研究所なのかな?ていうところになってますね。

乙倉:いいですねいいですね。楽しみですね。

橘:結構幅は広がったんじゃないかなと思うよねえ。

乙倉:本当に。

『農家さんの広告塔』

乙倉:ちょっと話戻しますが、
そういえば、そのお店をすることになった経緯を教えてくださいって聞いたときに、まああの左遷されましたっていうお話に今なってるので(笑)

まあモアフル始めたときの想いと、たぶんその『農家さんの広告塔』っていうのが結構モアフルのキーワードだと思うんですけど、
その辺のお話最後に伺いたいなと思いました。

そもそも何で『農家さんの広告塔』、みたいなのを言うようになったんだっけ?

橘:あれ、なんでだろうなー(笑)

きっかけというと難しいな、でもやっぱり(自分たちのことを)表現できる農家さんと、表現できない農家さんがいてて。

もちろん表現できる農家さんは、じゃあしなくていいかって別にそうじゃないんだけど、やっぱりなかなか職人カタギで表現しづらい農家さんのためにというか、

「こんなおいしいのにこんなにこだわって作ってるのに、なぜ伝えようとしないのだろう?」みたいな。
「もっとどんどん言えばいいのに」って思うけど、でもいざ自分が農家さんになった時にそんなことまで手が回るかというと、そうじゃないなと思うし、

なら僕ができるだけのことはしてあげたい。してあげたいって言うとあれだけど、まあ出来たらいいなって思って始めたのがきっかけかな。

画像は『【農家さんを格好よくするPV】雪本泰嗣×more fruits』より

岡山の東区西大寺の川沿いの西隆寺っていう地区があってそこでいちご農家さんをしている雪本さんっていう方がいらっしゃって、

まあこの人本当に職人カタギで、最初はもう世間話とかも全然してくれないような人だったんだけど、今45歳ぐらいかな、ちょっと先輩なんだけど、

慣れるといろいろ喋ってくれるし、僕が毎回毎回いちご買いに通うから、その都度こう顔をあわせて「今こういう状況だよ」って僕は店のことを言うと、「いや実は家がごたごたしてて」みたいなそんなことまで話してくれたりとかして。

でもその中で雪本さん、雪本さんなんかはいちごを、土耕栽培っていって土で作ってる人だから絶対に大変だしすごくこだわってるのに、
でもSNSはしないという。

通常いちごは腰ぐらいの高さのプランターで栽培しますが、雪本農園は地面に直接植える土光栽培。低い場所で作業する分大変なはずですが、プランターよりも根の触れる土の量が豊富なため、より美味しいいちごができるそうです。

橘:で、いちご狩りとかそういうお客さんと触れ合うこともないから、
なかなかその表現するしないで、ちょっともったいないなと思って。

これはでも伝えなきゃ残さなきゃ、わかってほしい、こんな綺麗ないちごを作るの大変なんだよおいしいんだよだからこんなに、こんな値段で高いのっていうのをお客さんにも納得してほしいから…

っていうのがこう一番最初な気がするなー、雪本さんばしりな気がする。

乙倉:雪本さんのあの作業場かっこいいよねー。
僕一度お邪魔させてもらったけど、あっこの倉庫すごいかっこいい。

橘:とっても雑多にしてるけど…これが僕の小屋だーって感じがするよね。

乙倉:なんかでも美学は感じますね。
土耕栽培もそうだけど、こだわり…

うんいやなんかね、あのお店で会うと飄々としてなんか「適当でいいんじゃない」みたいにしている橘さんが、一方でそういう農家さんの話とか、果物のおいしさの事になると結構そういう、

だって大変じゃんその、動画撮ったりさ、ゴープロでいろいろやったりとか、なんかまあそういうところにその、モアフルをゆったりやってそうに見えてなんかこう裏に想いがあるからこそ、

まあね、ひいてはPOMONAの代表をね、お願いして一緒にやってもらうことになったっていう、なんか根幹があるような気がすごくしますね。

橘:ありがとうございます。

なんか理想はシンクロナイズドスイミングみたいな、
表面上はすごくしゅっとしてるのに、下バタバタしてるっていう、そう見せたいけど、結局こう上も結構バタバタしてるんだけど(笑)

乙倉:最後ごちゃごちゃっとなるもんね。僕ら毎回。

橘:最後力技みたいなるね

乙倉:ま、早く優秀なマネージャーさんが「一緒にやりたいですー」とかね、
してくださるような人をね、どんどん増やして

橘:仲間を増やしていこ、どんどんね。

乙倉:いきましょう、はい。

モアフルの新しい取り組み

乙倉:最後の最後なんですけど、
なんかモアフル最近新しく取り組んでることとか、
「これからこういうことをするんだぞ」みたいなのがあれば是非。

橘:さっき言ったあの百寧(もね)ちゃんの話もそうなんだけど、
百寧ちゃんが加わったことによって、果物の表現が非常に増えたなって思ってるし、

こういう今まさにやってるのはパウンドケーキつくって、果物×百寧ちゃんみたいな感じでちょっとこう

乙倉:うん

橘:焼いた果物もおいしいぞみたいな。

乙倉:うんうんうん

モアフルの可能性を大きく広げた、パティシエ兼看板むすめの百寧ちゃん。
ミッフィーが大好き。

橘:今まで生のものにこだわってきたけどそうじゃない、ドライにしてもうまいぞ、みたいな。
ちょっと違うモアフルが近々見れるんじゃないかなと思っているのと、

あとはあの冷凍スムージー、冷凍果物。
これもちょっと目下進めているところでありまして、今進めているというか、まあもうすでに始まってはいるんですけど、

果物瞬間凍結してそれを真空パックして、要はご自宅だったり仕事場だったりで、はたまたお店に卸したりとかして、冷凍した果物をスムージーにするというセットがあるんですけど、

そういうちょっと「モアフルの外でモアフルができる機会」をちょっと増やして行けたらなと思っております。

ブレンダーがあれば、おうちでもモアフルを楽しめます。

乙倉:なんかやっぱりお店の名前とすごく一貫してて。
『日常にもっとフルーツを』ですよね、そのパウンドケーキとかにしていくのも

橘:うんうん

乙倉:いやおいしかったですもんね、あのパウンドケーキね。

橘:おいしかったよね

乙倉:なんかやっぱり焼くと、焼くとなんだろう、加熱すると甘みとか風味が増すような

橘:バナナとかね

乙倉:なんか砂糖を少しだけ煮詰めるというかなんかあの感じの香ばしさだったり、なんかおいしさがまた変わるから、
「生で食べる以外にもやっぱ楽しみはあるな」って改めておもいました。

橘:ありがとうございます。

(対談ここまで)

おわりに

いかがでしたでしょうか。
後半はPOMONAについて、そしてモアフルの今後についてのお話を伺いました。

とはいえこの対談、収録は2021年6月。
今からちょうど半年前です。

この半年の間にPOMONAもモアフルもさらなる変化や新しい取り組みがなされてきました。

例えばPOMONAのフルーツギフト。

果物がもつそのままの美しさを、
丁寧な想いといっしょにお届けします。

そしてモアフルでは、『フルーツ好きの為の食べ比べ』

いちじくの食べ比べ。(こんなに品種あるの知らなかった!)

林ぶどう研究所のぶどう7品種の食べ比べ+林レーズン

ほかにも、
9種類の柑橘食べ比べ(みかん農家さんの解説付き※)や、
縁あって青森からやってきた8種類のりんごの食べ比べなど

※倉敷ひらまつ農園の平松さんがモアフルにきて解説してくれました。
おかやま夢白桃の品種開発にも携わった学者さんで、とっても気さくな方です

果物好きにはたまらない、ニッチでディープな企画。
果物ごとに、好みの品種を見つけられたり。

そして百寧ちゃんのパフェ
これまでに桃、いちじく、シャインマスカット、柿のパフェがでています。ほんの数日間限定というスペシャルなパフェです。 

『柿好きの為のパフェ』
石原果樹園さんの甘ぁい太秋柿と
その甘さをより際立たせる塩バニラのアイス
チョコがけグラノーラが生む食感のコントラスト
ときおり、ふわっとラム酒が香り
最後にたどり着くミルクパンナコッタの優しい甘みに、
溶けたほうじ茶アイスが混ざり合い、至極のマリアージュ♡

それぞれ果物のおいしさを引き立たせる最高の素材が組み合わされ、
食べ進めるごとに感動してしまう百寧ちゃんのパフェを是非一度ご賞味あれ!
(詳しくはモアフルのTwitterインスタをチェック)

次回、対談記事第2弾はデザイン会社となぜかアイス屋さんもしているAOBA乙倉氏のお話。そちらは来週公開予定ですので、お楽しみに。

前編はこちら

~リンク集~
美咲ブルーファーム寒竹(HP)
足守メロンの板野さん(Facebook)
いちごの雪本さん(農家さんを格好よくするPV)
林ぶどう研究所(HPFacebookBASE)
倉敷ひらまつ農園(HPFacebookInstagram)


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