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#5マキネッタのはなし

新しい趣味ができました。 
マキネッタでコーヒーを淹れることです。

うちのマキネッタ

うちで活躍し始めたかわいいマキネッタは、2019年夏にひと月のドイツ留学をした際に、街の雑貨屋さんで並んでいたもの。


はじめは恋人へのおみやげのつもりが、ドリップ派の彼の家でほこりをかぶっていたため、昨日うちに連れ帰った。

一杯用のちいさなマキネッタ。1000円ぐらいの。

ぷくぷくいいながらコーヒーを吹き出す。すごくキュートな子。

マキネッタとはなんぞや

直火式のエスプレッソ・メーカー。イタリアでは一家に一台並みにポピュラーで愛されてる。ちなみにイタリアではデミタスカップに入ったエスプレッソに、どっさり砂糖を入れて飲むのがいいんだと。私はブラックで甘いお菓子食べながら飲むのが好き。

ドイツにて、ドリンクを頼むと小さな小さなコーンアイスがついてくるカフェが駅の近くにあった。そのときもエスプレッソを頼んで、甘いアイスと苦いコーヒー、一口交代でちびちび食べてた。

そういえばそのとき病み上がりで、通りで人を待つのがしんどいのでそのカフェに入ったんだった。

ドイツではちゃんと水を飲もうね


4週間の留学のうち、最後の週に差し掛かるころ、突然吐いた。原因は脱水症状。スーパーの水がおいしくないので、空きペットボトルに水道水を詰めて持ち歩いていたが、面倒で二日間ほどサボっていた。空気からでも水分を摂取できる多湿な日本と違い、薄情なほどカラッとしたドイツの空気を、私はなめていた。極限まで乾いたのどに、最初に水ではなくシードルを流し込んだのもよくなかった。せっかく食べたハムとチーズのガレットを出してしまってから、便器に抱きついて症状を検索にかけた。

「のどの渇き 悪寒 嘔吐」

どうやら中度の脱水症状のようだ。こんな外国で病院の世話になっては困る。スポドリか経口補水液だ。一緒に来ていた友達に断りを入れ、ガレットの老舗「マンドラゴラ」をよろよろと後にした。


スーパーでスポーツドリンクを三本買い、駅への道すがらラッパ飲みで一本開けた。電車で3駅、寮につくと残りのスポドリは水で倍に薄めてカサを増し、ひたすら水分補給とトイレを繰り返した。その夜はあまり眠れなかった。

その後一週間はひどかった。留学プログラムも大詰め、ミュージカル観劇に南方へ泊りがけの旅行、語学クラスのテストもある。絶対に参加したいもの以外の時間は「飲む、寝る、食べる」を繰り返していたものの、たびたび無理をするせいでちっとも良くならない。おまけに旅行からの帰りに風邪を引いた。初日は体がしんどいなかポルシェ博物館とベンツ博物館をハシゴし、二日目はシュトゥットガルトを歩き回り、体力と金がないので公園で座り込んでいたうえ、突如自転車並みの速度で走り始めた帰りのICE(ドイツの新幹線)で隙間風に凍え、結局2時間遅延し寮についたのは日付が変わった後だった。あたりまえだが病状は悪化し、熱と鼻水とせきに苦しむ。帰国まであと五日。

今日のエスプレッソ抽出

つかった豆は、USSUブレンドミドル④。
グアテマラとルワンダの中深煎り。

一番下のボイラーに水を、真ん中のバスケットに細挽きにしたコーヒー豆をいれ、ぎゅっと閉めて火にかける。するとしばらくして勝手にエスプレッソができる。ぷくぷく音がしたらおわり、さっと火からおろす。

ドイツのピカソミュージアムで買った二組のデミタスカップはまだ彼の家にあるため、できたコーヒーをおちょこに注ぐ。

ベリーっぽい酸味と優しい甘み、やや濃い目の苦み、オイリーで少し粉っぽい口当たり。うん昨日よりおいしい。昨日のはおいしくなかった。挽き目が粗くムラがあり、水っぽくて盛大に粉っぽい。岡山が誇るキノシタショウテンの名が泣きます。

うーん、もう少し濃く出したいな。アイスカフェラテにしたい。それにもっと深煎りの豆を使おう。グアテマラがいいな。



風邪を早く治そうと、ビール鍋作った話も書きたいな



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