衆議元市議夫 ®︎®︎

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READYMADE REBEL取締役 シギオ・シューギモト《無所属》-- NO SKOOL -- 詩を書く -- 僕は精神が好きだ ☎︎Video Killed Records代表

記事一覧

まめ太郎 最期の日

16年間、生活をともにした愛猫のまめ太郎が死んだ。 閏年生まれで、今年の2月29日に4回目(生まれた時を入れたら5回目)の誕生日を一緒に迎えることができて、とても嬉しかっ…

『挨拶』(2013年11月6日)

「おはようございます」 「おはよう」 「おはようございます」 「おはよー」 なんて気持ちがいいんだ。朝から最高じゃないか。朝が最高なんじゃない。じゃあ何が最高なのか…

涙の数

涙の数を数えようと思ったけど 数え方がわからなくてやめた 背中にいつも穴が空いてるような気がして 風がびゅーびゅーと吹き抜ける 吹き抜けるけど胸には風は吹き抜けな…

家出した後で

家出した後で気付いた簡単なこと 火星に水があっても 飲めるかわからない もし火星の水が飲めたとしても 俺の愛の届く範囲はせいぜい地球までだった 火星に水があって 火…

てんとう虫と冷蔵庫

この話を聞いたらすぐに誰か他の二人にこの話を同じように伝えてほしい お願いだから この話を聞いてくれ この話を聞いてくれるかい 湯飲みの中の白湯が少し揺れて 冷蔵庫…

馬の骨

教室の笑い声の中にぽつねんと馬の骨 嘲笑と嘲笑のわずか数センチメートルの間には 小さな自分と大きな自分 そのあんたらの自分から はるか数キロ先にあるのが俺たち馬の骨…

"Dance With Me" 『悲しみのダンス』

ジャニスイアン『スターズ』 古本市かなんかでこのレコードを買った。19歳の頃かな。 B面1曲目の『悲しみのダンス』に心を奪われ、歌詞を見てさらに胸に突き刺さった。 ジ…

夜の匂い

みんな ひとり 土のこと 土の硬さ あの子は 水色の 心に 映る景色 大勢の人が 夜に眠りにつくとき 社会は考えている みんなのこと みんなはひとり 社会は死ぬだろう 歌は…

ヤンキーがこっちを見てる

ヤンキーがこっちを見てる ヤンキーがこっちを見ている ヤンキーはどこにだって存在する みんなの街にもヤンキーはいるよ 例えば秋に柿の木の下に落ちた柿のように 強さと…

レコード

知られざる物語と知らない過去 排気ガスが星空に吸い込まれる 君はずっと変わらないままで 男はいつも背中に時間を抱えて 知っていた過去はゆっくり形を変えて 俺は君に会…

7匹の小鬼

ソファーで寝ている 天井の角をぼんやり眺めて 突然ソファーの真ん中から 勢いよく枝が生えてきて 私のお腹を突き破って 枝はどんどん伸びてゆき 天井に突き刺さった 枝は…

生きる意味

「何のために生きているか」 そんなことを考えるのは生き物の中でおそらく人間だけだ。死ぬのが怖いからそういうことを考える。 我々は産まれてからみんな同じく死に向か…

音楽とは

メロディーとは一度生成されたの音の響き、羅列、乃至 そこから生まれる叙情を記憶に留めようとする働きのことである。 つまりメロディー自体が再生装置として機能している…

まめ太郎 最期の日

まめ太郎 最期の日

16年間、生活をともにした愛猫のまめ太郎が死んだ。
閏年生まれで、今年の2月29日に4回目(生まれた時を入れたら5回目)の誕生日を一緒に迎えることができて、とても嬉しかった。
まめ太郎が元気でいることに感謝した。これからもずっと一緒にいようね、と思った。
今もそう思っている。

去年の2月、まめ太郎の呼吸がいつもと明らかに違っていて、とても苦しそうだった。
病院に連れて行くと胸(肺の外側)に水が溜

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『挨拶』(2013年11月6日)

『挨拶』(2013年11月6日)

「おはようございます」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよー」
なんて気持ちがいいんだ。朝から最高じゃないか。朝が最高なんじゃない。じゃあ何が最高なのかって、みんなが最高なのだよ。みんなが朝から最高なのだよ。へっへっへ。もぅサイッコウ!
朝から最高!朝から最高!
まてよ、朝も最高じゃないか!さっきさあ、あのう、朝が最高なんじゃない、とか言ったけど朝も最高じゃないか!ねえ。みなさん。これ

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涙の数

涙の数

涙の数を数えようと思ったけど
数え方がわからなくてやめた
背中にいつも穴が空いてるような気がして
風がびゅーびゅーと吹き抜ける

吹き抜けるけど胸には風は吹き抜けない
だとしたら背中を吹き抜けた風は
どこへいったんだろう
と考えたりもしたけど

そもそも風も背中の穴もとんだ勘違いで
そのとんだ勘違いを教えてくれた医者は
早くに死んだ
これはある友達が言ってたんだけど

とんだ勘違いというものが

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家出した後で

家出した後で

家出した後で気付いた簡単なこと
火星に水があっても 飲めるかわからない
もし火星の水が飲めたとしても
俺の愛の届く範囲はせいぜい地球までだった

火星に水があって 火星に生き物がいたから
そろそろ本気で俺たちのコモンセンスの幅を
宇宙に合わせようとしたとき本当に問題になるのは
俺たちの中に流れてる血の成分が何かってことなんだ

そんなくだらない話をしている人間たちに
火星の生き物が地球に降りて来て

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てんとう虫と冷蔵庫

てんとう虫と冷蔵庫

この話を聞いたらすぐに誰か他の二人にこの話を同じように伝えてほしい
お願いだから この話を聞いてくれ
この話を聞いてくれるかい

湯飲みの中の白湯が少し揺れて
冷蔵庫が静かに音を立てて泣いた
もうすっかりとこの辺りも
変わり果ててしまったからね

渦巻きの中で一点を見つめるてんとう虫は
サンバを刻みながら羽を震わせていた
この話を聞いてしまった人間は
確実に何かひとつのものを失ってしまう

少なく

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馬の骨

馬の骨

教室の笑い声の中にぽつねんと馬の骨
嘲笑と嘲笑のわずか数センチメートルの間には
小さな自分と大きな自分
そのあんたらの自分から
はるか数キロ先にあるのが俺たち馬の骨
俺たちぽつねんと馬の骨
教室に転がる馬の骨
ひとりぼっち
だけど俺たち

血肉から遠くコンクリートで固められ
ローンを組んで酒を飲む人々の
はるか数キロ先にあるのが俺たち馬の骨
馬の骨はただ静かに土に埋められるだけ

俺たちが沈黙を破

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"Dance With Me" 『悲しみのダンス』

"Dance With Me" 『悲しみのダンス』

ジャニスイアン『スターズ』

古本市かなんかでこのレコードを買った。19歳の頃かな。
B面1曲目の『悲しみのダンス』に心を奪われ、歌詞を見てさらに胸に突き刺さった。
ジャニスイアンの隠れた名曲。こんなに凄い曲なのにベスト盤にも入ってないし、あまり知られてない。けどこの曲が一番好き。
歌詞の日本語訳に違和感があったので、自分なりに訳してみた。
発売当時の1974年はベトナム戦争が泥沼化していた時期。

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夜の匂い

夜の匂い

みんな ひとり 土のこと 土の硬さ
あの子は 水色の 心に 映る景色
大勢の人が 夜に眠りにつくとき
社会は考えている みんなのこと

みんなはひとり 社会は死ぬだろう
歌は響き渡り 鳥は低く 低く飛ぶ
悲しみは鳴り 喜びは鳴り
怒りは鳴り 優しさも鳴り響く

抜け出してやろう できることから
水面に浮かぶ ゆりかごの靄
愛を歌ったり 愛を考えたり
ひとりは みんなにわたる

月が見えない 夜に飛

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ヤンキーがこっちを見てる

ヤンキーがこっちを見てる

ヤンキーがこっちを見てる
ヤンキーがこっちを見ている

ヤンキーはどこにだって存在する
みんなの街にもヤンキーはいるよ
例えば秋に柿の木の下に落ちた柿のように
強さと儚さを一定の濃度に保つ

俺たちが見てきた世界の一部と
俺たちが見てこなかった世界の大部分は
地層のズレのように軋轢を生みながら
水のないプールのように乾いていた

ヤンキーはどこにだって存在するし
みんなの街にもヤンキーはいるんだよ

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レコード

レコード

知られざる物語と知らない過去
排気ガスが星空に吸い込まれる
君はずっと変わらないままで
男はいつも背中に時間を抱えて

知っていた過去はゆっくり形を変えて
俺は君に会いに行く 橋を渡り
君は星空が消えた晩に 姿を消した
最初からそうだった 俺もいなかった

胸が固まるときの妙な温度は
スプーン一杯の後ろめたさ
濡れたアスファルトに体溶かして
過ぎ去った後には言葉だけ残った

ためらいは優しくて

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7匹の小鬼

7匹の小鬼

ソファーで寝ている
天井の角をぼんやり眺めて
突然ソファーの真ん中から
勢いよく枝が生えてきて
私のお腹を突き破って
枝はどんどん伸びてゆき
天井に突き刺さった
枝は太い幹になり
やがて屋根を貫いて
空に向かって伸びてゆく
私はそれをぼんやり眺めて
動けないからじっとしていた
痛みがないのはいいとして
驚きもないのは意外だった
破れた私のお腹の中から
小さい鬼がひょっこり顔を出し
次から次へと7匹

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生きる意味

生きる意味

「何のために生きているか」

そんなことを考えるのは生き物の中でおそらく人間だけだ。死ぬのが怖いからそういうことを考える。

我々は産まれてからみんな同じく死に向かっている。ただそれだけのことなんだけど、死に対する恐怖から、人間はいろんなことを考えるようになった。
人生に目的や意味を求める行為というのは、死に対する生へのエクスキューズのようなもの。

それはどんな答えだってべつに良い。なくても良い

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音楽とは

音楽とは

メロディーとは一度生成されたの音の響き、羅列、乃至 そこから生まれる叙情を記憶に留めようとする働きのことである。
つまりメロディー自体が再生装置として機能しているのである。

そして作曲とは掴みどころのない無数の音の海、無限に散らばる取り留めのない音の宇宙から、自らを捉え直そうとする心の働きである。
音を形として顕在化させ、それを自らと対比させることにより、自分という存在を形成させていく。そのプロ

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